「ガンダム未見の友達に布教成功」機動戦士ガンダムNT お酒さんの映画レビュー(感想・評価)
ガンダム未見の友達に布教成功
タイトル通り、ガンダム未見の友達2人を連れて劇場に行きました。2人ともめちゃくちゃ楽しんでくれたみたいで、これまでの作品に興味を持ってくれて、質問攻めされました。
初めてガンダムシリーズに触れるという人にも、いい作品だと思ったのでネタバレは控えてレビューしてみたいと思います。
自分はガンダムは好きですが、わりとフランクな関係だと思ってます。コアなファンではありません。
まず今作からガンダム作品を観始める人にアドバイス。
自分は今作視聴前に、もう一度新訳ゼータ3部、逆襲のシャア、F91を観ておきました。どれも好きな映画だったので苦では無かったです。結果的にナラティブを視聴する前にこれらを観ておいて正解でした。最低でも「逆襲のシャア」を観ておけば間違いないと思います。あと時間があればUCも。
さらにナラティブを楽しみたいなら、
初代
↓
ゼータ
↓
(根気があればZZ)
↓
逆襲のシャア
↓
ガンダムUC
この順番で観ておけば間違いないはずです。初代とゼータはそれぞれ映画3部作にまとめられてるので、そっちを観ても大丈夫かと。ゼータはテレビ版を強くお勧めしますけどね。
長い前置きでしたが、ここからネタバレ控えめで本作のレビューをしたいと思います。
ストーリー
予想外の展開が多く満足です。自分はネオジオングが大嫌いなので、今回も出ると知った時から早期退場を切に願ってましたが、あの使い方はとても良かったです。会話のテンポも良く、中だるみを感じさせないこの感じ、富野のストーリーテリングを感じました。
キャラクター
新規キャラは全体的に弱かったです。好きになれたのはゾルたんくらいでしょうか。入場者特典でゾルたんの原画カードが貰えたので大事にしたいと思います。
まあ、どの時代にも偉人がいるわけでは無いですから、リアリティがあって、たまにはこういう作品があってもいいかなと思います。英雄が大活躍する活劇を期待する人には向かない作品かと。
音響
めちゃくちゃうるさかった。劇場の問題でしょうか?戦闘シーンは特に酷く、ビームが放たれるたびに身構えました。澤野さんの音楽がほぼ聴こえなくて、せっかくの盛り上がるシーンが台無しでした。
劇伴
全体的には良かったんですが、UCみたいな重圧な劇伴を期待してたため、軽やかすぎるボーカル付きのものが多くちょっとがっかりです。音響の大ボリュームと相まってだいぶカオスでした。
軽い劇伴は痩せっぽちなナラティブを意識でもしてるんでしょうか?考えすぎでしょうか?
作画
「逆襲のシャア」時代を意識したかのような歯切れのいいシーンの切り替えは心地よかったです。
自分は3DCGモデルがあまり好きではなく、わりと多用してたUCの後半は嫌いですし、オリジンは1作目で飽きたほどです。しかし今作はそんな不満を感じさせないくらい手描きと3DCGモデルの使い分けがうまかったです。
でも、気合の入ってた所は見応えありましたが、手抜きも散見できたところがちょっと残念です。気にしなければ演出に溶け込み 味になるので関係ないっちゃ関係ないと個人的には思いますが、アニメの面白さ=作画、という人にとっては重大な問題と言えるでしょう。
劇場版アニメ作品でキャラの作画に手抜きがある事、音響のバランスが狂ってる事(劇場の問題かも?)、キャラクターが弱い事。
不満はありますが、今までの「逆」を捉えた意欲的な作品だったとも思います。何が言いたいかは観た人ならわかってくれるはず。
ガンダムにはじめて触れる人はこれをきっかけに過去の名作を振り返るいい機会にもなり得る作品ですし、近年のマンネリに見飽きた自分のようなライトなガンダムファンも満足出来る作品かと思います。
広告にうたわれるニュータイプ神話の行き着く先を、ぜひ劇場で見届けてみてください。お勧めしたい意味も込めて☆4で。