「不満はある。でも好評価。」機動戦士ガンダムNT Bluemuscleさんの映画レビュー(感想・評価)
不満はある。でも好評価。
いい点は他の方々がたくさん述べられてるので、あえて気になった点を。
まずMSの設定。
NTはvガンダムのサイコフレーム試作機という設定ですがかなり無理があります。そもそもvガンダムのサイコフレームはもともと搭載予定がなく、直前で手に入り、取り付けたものでそれまでサイコフレームはネオジオンの技術でした。
サイコフレームが連邦のアナハイムに渡ってからvガンダムの実戦配備までに試験機を設計して造ってる余裕はないはずです。
また、映画公開前から大々的に宣伝されてきたA装備ですが、冒頭一瞬で壊されます。スポンサーがプラモ売るために取って付けたような印象でした。
シナンジュスタイン、実は二機ありました!…ちょっと雑すぎませんか?それに二機とも強奪(譲渡?)されてるのも戦後の戦争とはなんだったのか疑いたくなります。
最後にⅡネオジオングです。
これも予備パーツでもう一機組めましたって…ネオジオングの予備パーツはあるのにクシャトリアはないんですか?ってなりますよ。
次に主題歌です。
Lisaというかなり人気のある歌手さんだったのですが、宇宙世紀の世界観にはミスマッチだと思いました。
普通に聴くぶんにはなかなかいい曲です。
ニュータイプについて。
富野監督の描くニュータイプとは全く違うなと思いました。富野ニュータイプは人間よりちょっと勘がいいくらいですが、福井ニュータイプは言うなれば神です。もう人間ごときでは敵いません。富野ニュータイプがオカルトレベル1だとしたら福井ニュータイプはレベル8くらいです。(10段階)
それに関連して、福井さんは少しサイコフレームに頼りすぎかなと感じました。全体を通してUCEP7の覚醒ユニコーンがゼネラルレビル隊に放ったオーラみたいなのが主武器です。ちょっとサイコフレーム神格化しすぎじゃない…?とずっと思ってました。
それにラストは予想通りでした。サイコフレームで人の思いが~共鳴が~奇跡が~って。UCはまだいいとして、逆シャアの真似しすぎかなと。ワンパターンです。
あとは全体的にキャラクターの話し方が見栄をはってるのが少し気にさわりました。
他の宇宙世紀作品よりもアニメ的な話し方でよくも悪くも最近のアニメ風です。特にシナンジュスタインのパイロット、アナザーガンダム界から迷いこんだのかな?ってくらい演出重視の言い回しです。ロングPVの「撃っちゃうんだなぁ!」みたいなのをよく言います。
ここまで僕の感じた不満を書いてきましたけど、これだけあっても僕のなかでは好評価です。今まで掘り下げられなかったコロニー落としの被災地の話とかニュータイプ研究所とか新鮮でしたね。
劇伴も安定の澤野さんですし、ユニコーン立像テーマ曲のCage流すのは反則です。
ジェスタ好きの人は絶対観た方がいいです。
NTガンダムに関しても、ニュータイプに関しても ほぼ同意です!
なんだかんだで"映画"のガンダムって事で期待度が高まってしまっていただけに残念でした。