最果てリストランテのレビュー・感想・評価
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奇抜なフィクション
食堂でもレストランでもなくリストランテ、気取ったタイトルに惹かれて鑑賞。ところがイタ飯屋でもなく死者の旅立ちを見送る霊界食堂、妙な話をつくったものです・・。
冒頭から出てきたのは韓国冷麺、なるほど、主役がKPOPスタージュンQだからのメニューと納得。
名画「最後の晩餐」にかけて人生最後のラス飯は何を食べたいかは話題になり卵かけごはんや寿司、カレーライスなどが人気でしたね。もっとも好みは人それぞれ、それより本作は誰と食べるかを大事にしています。
6人の様々な客が訪れ思い出を語ります。妻に先立たれた老人が妻と訪れた旅行先で食べた思い出の料理を懐かしみます、事故で死んだ小学生の女の子はお母さんのお弁当だったり、やくざの男が意外にも妹想い、やくざだからか韓国人に絡むのはキャスティングへの違和感を持つ人もいるかとの配慮かしら。
漫才師が会いたかったのは相方とストレート、登場人物は死人ばかりで暗くなりがちなのでお笑いを入れたかったのでしょう。
なんと少女の母親が後追い自殺したらしく登場、最後はハン・ジソク(ジュンQ)の元カノ登場。ハンは何故か現世の記憶がない、死者のもてなし役という立ち位置はハンが植物人間状態で半死だったからとはすごい発想。脚本・監督の松田圭太さんのシナリオ作りの工夫がひしひしと伝わってきます、奇抜なフィクションでした。
ただ、虹の橋のように会いたいのは先立たれたペットという人もいるでしょう、名取裕子さんはメダカを飼っているそうですが理由を聞かれて「死んでもさほど悲しくないから・・」とテレビで言っていたのを思い出しました。そんなペットとのエピソードがあっても良かったかもしれませんね。
幸せ
死んでから会いたい故人と食事ができるなんて幸せですよね。本当は何もない『無』だとは思いますが、そこは夢を見させてくれたと言うことで。私は、祖母と死んだ飼い猫と食事がしたいのですが、最後の晩餐は何が出てくるだろう。
死んじゃってるけどね
死んだ人間が三途の川を渡る前に本人の望む故人誰か一人と最後の晩餐を共に出来るという小さなレストランを舞台にした話。
現世の記憶はなく、自身の存在の由来を知らない韓国人の料理人と日本人のギャルソンが客を向かい入れ、客の望む相手との思い出の料理を振る舞い持て成すストーリー。
客の回顧を挟みつつ小さなストーリーを複数みせて進行して行く為、一つ一つのエピソードは尺が短くそれ程深みは感じない。
ただ、ありきたりながら優しさの積み重ねで最後まで突き通しているし、明るく愉しく柔らかい空気感で温かい気持ちになれる。死んじゃってるけどね。
倫理的に如何なものか…と思うエピソードもあるけれど、そこはまあ。まぁまぁまぁ…。
今の自分だったら誰を呼び、何を食べるのか(選べないけど)と考えた自分がいた。
この作品と関係ないけど、アフターVのレッドはやはり酒豪設定ということで。
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