劇場公開日 2018年9月8日

「この時期に、この映画をオンライン視聴できる機会があったことに感謝。」1987、ある闘いの真実 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0この時期に、この映画をオンライン視聴できる機会があったことに感謝。

2022年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会、VOD

今年141本目(合計415本目/今月(2022年5月度)18本目)。

 ※ 私は原則として、アマプラだのネットフリックスだのの投稿はしないことにしていますが(あふれかえってしまう)、この映画は韓国文化院が日韓交流を目的に過去の「意味のある」作品をオンライン視聴会(といっても、公開自体は4年前)したもので、6月に見に行く「スープとイデオロギー」と並んで、韓国の現代史を知る目的もあり応募したら当選しました。
また、前々から、将来は外国人問題を扱いたいと思っている行政書士合格者として、このような映画はよく見ますし応募もしています。今回もあえて書いたのはこういう事情です。

 さて、映画の内容自体は非常に硬派というか、実際にあった事件をそのまま描いているものなので、あることないこと書けないし(ただし、一部に着色はある模様)、6月に始まる「スープとイデオロギー」(済州4・3事件)から、この民主化運動を勝ち取るこの事件まで、韓国は朝鮮戦争もそうだったし、内戦や紛争ばかりだったのです(ほか、「KCIA 南山の~」等もありますね)。

 この映画の7年前に起きた光州事件が、この映画で参照されている1987年の事件の遠因となった事件であり、この光州事件は、上記の「スープとイデオロギー」で主に描かれる済州4・3事件と並んで韓国(済州事件のころは、韓国という概念がないので、便宜上、朝鮮半島としても良いかもしれません)のタブー視とされるものです。ただ、日本がタブー視しても最終的には真相を明らかにして公開していこうという文化があるように、韓国にも多少遅れてはいますが、やはりそのような文化があります。「スープとイデオロギー」もこの映画も、そうした中の一つの映画です(ただ、日本より「少しだけ」国のチェックが入るようです)。

 そしてこの映画で流れるように、これらの暴動を元に「韓国の大統領の直接選挙制」や「言論・表現の自由」が憲法改正で盛り込まれた(日本と違い、韓国は最高法規とされる憲法も何度も改正されている)という点など、日韓の異動を知ることができて良かったです。

 もっぱら、6月に行く「スープとイデオロギー」も含めて、韓国の現代史という大きなくくりで観ましたが、この事件一つという見方もできると思うし、色々な見方ができると思います。

 どうも、韓国の大統領のこと(最近変わりましたよね)やコロナ事情、また、竹島問題などはさておき「文化面での交流はしっかりしたい」ということで、2021年ごろから韓国文化院(日本語サイト)が日本人向けに韓国映画(ただし、何らかの意味で観ることに意義が感じられるもの)をよくオンライン視聴(無料)でよく募集をかけてます。

 大阪など在住の方はシネマート等、韓国映画に特化した映画館もありますが、そうでない方で韓国映画に興味がある方は、こうしたサイトの登録も良いのでは、と思いました(なお、シネマート自体は「おうちでシネマート」として、「ちょっと最近までやってた」程度の映画までなら普通にVODで観られます(準新作扱いで1320円、一般550円、旧作440円だったはず)。

 特に減点要素とするべき点はないので、フルスコアにしました。

yukispica