アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノールのレビュー・感想・評価
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"Ah, music, beautiful. Make happy life." この言葉から彼の音楽人生が始まる。
音楽。音楽の偉大さ。カナダのユダヤ人指揮者が、子供達に音楽を教えている。その理由は一言、”非行”を減らすこと。フィリピンのセブ島でも似た活動があり、NPO法人”セブンスピリット”が音楽教室を立ち上げている。
この作品は、1人のテノール歌手の赤ちゃんの時から有名になるまでの数々の道のりをあまり大げさではなく、真摯に描いている。ただ、全ての映画評論家からは、無視をされた様な評価しかされていないのは、事実の事。例えば、この映画をある人は、”迫力のない抒情詩”と揶揄している。ただし、amazon.comでの映画レビューは☆5が80%に届こうとしているぐらい支持は高いものとなっている。
伯父さんも伯母さんも女中さんも、もちろん父親のサンドロも男の子が生まれたと諸手を挙げて大喜び。しかし、その数か月後、アモスが昼も夜もいつでも泣き止まない?心配した母親は、父親のサンドロは”泣くのは赤ちゃんの仕事さ”なんて言っているが、母親が持つ不思議な母性からアモスを病院に連れていく。
There is a department at the main hospital in Turin
where apparently thy perform miracles.
-You're saying my son needs a miracle?
ドクターが、無言で答えるほど彼の病気の重大さを映画を観ている者に理解をさせている。
居ても立っても居られない母親は、教会に祈りを捧げる。その協会に飾っていたのは、ルイス・デ・モラレス作「ピエタ」。哀れみ・慈悲などを象徴する意味の聖母マリア像を見ているだけで悲しい物語が伝わってくる。日本の映画では、ここで御主人がステレオタイプ的発言。”お前のせいだ”。なんて飛び出したりするけれども、この映画では、助け合う両親を見ているだけで、この映画の質がわかり、観ている者に見やすく提供されている。アモスは何年も入院をしている間、四六時中、駄々をこねて、母親を困らせていたが、工場で酸を目に受けて、入院している男の人が、オペラ音楽をかけていた。それを聞いたアモスは母親に連れられて、病室を訪ねると次の言葉が待っていた。”Ah, music, beautiful. Make happy life.”
しかし、時間の過ぎるのは早く、病状の改善が見られないアモス。かかりつけの医師から盲学校に通う事を進められる。そして赤ちゃんから一度も離れて暮らしたことのないアモスの両親。父親が新聞紙で顔を隠して車で妻を待っている。何故? もう少しで涙腺が解放状態になりそうになった。
時は流れ、13歳になったアモス少年。その夏、家族全員で避暑に出かけた時、事件が起こり彼の人格形成がを象徴するシーンの流れとなる。荒れた海に友達と泳ぎに出たが、あの優しすぎるくらい優しい父親サンドロが厳しく叱りつける。
Don't you realize what could have happened?
It could have happened to anyone.
Yes, to anyone stupid eough to go swimming is such a rough sea.
But appearently the only idiot here is you.
And what about the others? I don't force them to go in.
I don't care about the others, youare my son.
And you should be smarter than the others.
Dad, you don't understand.
If the others jump over an obstacle,
I have to jump over a moutain.
If they ride a horse, I have to ride a tiger.
If I want to be like other people,
I have to do better than them.
And you know who taught me that? ........ YOU!
ただその時には、アモスは失明をしていた。
ある日盲学校にいるアモスから両親あてに手紙が届く、その手紙には点字の文字が、一同われ先に点字に触る。”Strange, I feel him so close.”
この物語は、大きく2つの時代に分かれる。子供時代の闘病と盲学校の時代。アモスの学生時代のピアノバーでの生活。結婚もし、大人になった時代。つまり有名になるまでの羽陽曲折、波乱万丈、友人との出会い、そして何よりも愛する女性の存在。
ある時、大人になったアモスはピアノの弾き語りの仕事をしていた。ピアノの調律をしている男の人からマエストロを紹介される。その意外な練習法は....?
Until you have learned to use your voice properly,
do not sing, do not even practice.
Nothing. Zero!
How much do you talk? To ask the time, for instance,
how many words do you use?
-I say ... what time is.....
Too many words!
Silence.
Do not speak.
Noon, two o'clock, who cares what time it is!
Silence! Silence.
Silence is the most important
and the most difficult disciplen. この映画の題名がわかるセンテンス。
マエストロ役のバンディラス。いつもの脂ぎった演技で臨まれたらたまらない映画。少しだけ垣間見るが、いたって不思議な彼の音楽の練習法とその指導法。そして人生観。ロックコンサートに出演することを説明に行くと、アモスはてっきり反対されると思っていたが、軽く裏切るような演出がなされている。
後は、エンドロール・クレジットで、アンドレア・ボチェッリのサクセス・ストーリーを写真で紹介するシーンとなっている。
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