劇場公開日 2018年11月17日

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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのレビュー・感想・評価

全141件中、21~40件目を表示

4.0ホラーか?⇨ヒューマンドラマか?⇨から凄いところに行き着く

2021年4月4日
iPhoneアプリから投稿

僕は映画を観るとき、その映画が鑑賞者をどこまで連れていってくれるのかがかなり重要な要素になってくると思っている。
そういう意味で本作は着地点が全く予想がつかず、
ジャンルも悉く入れ替わり、そしてそれでもしっかりと一貫した作品として始まりから終わりまで成立しているこの作品を評価せざるおえない。
本作はかなりミニマルな作りであり、そのミニマルさは全編を通して伝わってくる。
(画面のスクリプト比の狭さ、そしてフレームの角の丸さ、過度な長回しと美的なロングショットなどのかっちりとした構図、セリフや音楽、登場人物の少なさ)
このミニマルさにはタイトル通り、一亡霊の個人的な話であるという一貫性がある。
しかし、このミニマルさこそが後半の壮大な展開へのギャップをうむ。
前半部分のドメスティックでセンチメンタルな展開から、中盤は凄まじい未来や過去を行き来しながら眺める時間や人類の流れ、そして忘れさられていく個人や建築物の歴史、跡形もなく変化していく世界という存在の虚しさや諸行無常さへと繋がっていくという、かなり思想的なところまで行き着く。
ホラーからラブストーリーやヒューマンドラマを経てテレンスマリックのような境地に到達するとは。

そこには飲み会である男が語る唯物論やかつてネイティブアメリカンに殺された隣家の人々の歴史、そして待ち人来ず成仏していく亡霊や時空を超えて亡霊でありながらかつての自分や自分の亡霊すらも目撃してしまうというメタな世界観、かなり独特な表現や思想を取り入れることで物語がぐっと深まる。

こういう全く未知の空間へと連れていってくれる作品は案外稀有なものだ。
しかしそこまで難解というわけでもなく、ちゃんと鑑賞していれば全て理解できるくらい情報量も少ないミニマルな作りなのである。
正直こんなわかりやすい作品を難解な作品だとかアートな作品と言ってしまえるのは、少し映画鑑賞するうえでの知性とか知的指数が足りないように思う。
長回しだってかつての映画ではもっともっとまどろっこしかったり難解だったりしたものだ。
そういう人間は自分が理解できる範疇のお話や自分が求めるお話しか享受したくない駄々っ子のようなものだ。
作品を評価できる土台に立っているとは思えない。
この作品は評価されて然るべきである。
しかし傑作というより佳作とか特別賞とかそういうのがお似合いの愛らしくも素晴らしい作品という評価である。

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冥土幽太楼

2.0豊饒な映像美と退屈な偶然は違う

2021年4月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

内容の薄い、一見芸術性を追求したような映画で、ほとんど中身が無い。

画角をテレビのようなフレームで区切ってあり、何かの視覚的効果を狙っているようだ。全編にわたってそうなっているので、監督の宣言と見て取れる。「この映画は絵画的に見てほしい」と言いたげに映る。

交通事故で死んでしまった男が主人公で、死体安置所で顔を確認に来た女性はたぶん結婚相手。死体だった男はむっくりと起き出し、布をかぶったままのゴーストになる。ここまでで映画の見せ場はほとんど出てしまった。

あとは時間軸がさかのぼって、開拓時代の家族が先住民族の襲撃を受けて全滅したときからそれを見つめていた幽霊とか、自分の目的や記憶をなくしてしまった幽霊とかのコンタクトがはさまり、余計に話がめんどくさくなっていく。別に話が複雑に絡み合う訳じゃなくて、ただ重さが増えただけの印象だ。

絵画的に見てほしいなら、映像美を追求した結果を見せてほしいところだが、どうもそんな努力をした形跡はない。例えば、自分の姿が生きている人に見えないことを知ったうえで、牛乳のグラスを持ち上げ床に落として割ったり、食器棚から皿をありったけ投げつけて散乱した床の散らかり方が、なんとも美しくない。

恋人が傷心のあまり、差し入れのタルトを爆食いしてやがてトイレに駆け込み吐き出すシーンも、撮り直し無しの一発テイクなのか、無意味に長すぎる。

不思議なのは、お隣さんの幽霊との会話シーンだ。「やあ、こんにちは」とか会話をする日本語の字幕が入るが、一切セリフは無い。これ、字幕なしの通常公開版はいったいどんな処理が成されたのだろうか?まさか日本語字幕版のみこのセリフが付け足されたなんてことは無いと思うが、もしそうだとしたら重大な改変だ。

とにかく、意識的にコントロールをして撮れた美しい映像を見せてくれるものだと期待した私は、なんともがっかりした。同じ低予算でも、もう少し工夫できる余地がいっぱいあったから。そのアラが目立つのが気に入らない。

2020.8.20

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うそつきカモメ

4.0幸せ、悲しみ、孤独・・・

2021年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

幸せ

とにかく不思議な話。事故で死んだため、シーツを被った幽霊になった男が、愛する妻をひたすら見守る。この映画が語っているのはただそれだけです。ひっそりとした場面が最後まで延々と流れます。セリフも少なく、誰も喋ってないシーンのほうが多いです。数分間、同じ映像が続いていきます。ただ、一つ不思議に感じた部分があります。妻を見守る男は、誰にも気づかれない幽霊で、シーツを被ってるので顔は一切見えないはずなのに、なぜか場面によってシーツの顔部分が変わっているように見えました。妻が悲しければ自分も悲しく、妻が嬉しそうなら自分も嬉しい。そんな感じで、シーツ越しでも彼の表情は見えているような気がしました。

もしかしたら幽霊の彼は、自分が死んで妻に認識されなくなったことが受け入れられないのかもしれません。確かに体は妻のそばにあるのに、彼女はそれには決して気づかない。そのことが彼に孤独を植え付けているのではないでしょうか。一度死んでしまえば、蘇ることはできない、それでも妻のそばにいてあげたいという彼の思い、気持ち、悲しみ。幽霊は一切言葉を発しないけど、彼の心情の全てが幽霊として表れていると思います。

幽霊になれば、誰も自分に気づかなくなるから、孤独で寂しくて悲しくて仕方ない。一番のテーマはここなのかもしれません。静かに始まり、静かに終わる。決して、興奮したりスカッとしたりワクワクしたりする物語ではありません。鑑賞する側がどういう心境であるかや観る視点によって、この映画は幸せにも悲しくも寂しくも感じると思います。何がそうさせるかも、人それぞれでしょう。幽霊になった男か、夫を失った妻か、ただひたすら静かな情景か。でも、観終わった後の不思議な余韻に浸る感覚は皆同じだろうと思っています。

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ニンフィア好き

3.0あなたのそばにも

2021年3月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

ありえる世界観。
供養は丁寧にと
あらためて思う。

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げん

4.0何かわからないものがずっしり残る

2021年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

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chibirock

2.5成仏

2021年1月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

難しい

私的にはよくわからない映画に思えた。
中盤までは、なんとなく無駄シーンが多いなと思いつつ、
幽霊ってこんな感じなんだろと考えていました。
終盤は、理解不能です。
最後のシーンもですがもう少し説明が欲しい。

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たけお

4.0霊の視点

2021年1月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

表情やセリフを使わずに感情を表現するという野心的な取り組みを音楽に過度に頼らずに、カメラの視点や構図を上手く使いながらそれに成功していたと思います。

妙なアスペクト比を使っているのでキワモノかと思いきやそんな事はなく、正統派で観終わった後に今日は映画観たなぁという満足感を味わえました。
おまけに他人を思いやる気持ちや愛に触れて優しい気持ちになれた気も。

Daniel Hartのサントラも良かったです。
Darkroomsの歌モノもありつつも観賞後に余韻に浸りながら聴いてます。

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donothing

2.0起承転結のような普通の映画じゃない

2021年1月11日
iPhoneアプリから投稿

悲しい

まず画面が小さい
そういうシーンかと思ったら終始同じ大きさだった

ストーリーは結構いいと思う
言いたいことは伝わる

ただ尺が長い
もっとまとめれる気がする
まとめないのがこの映画の魅力だとしたら私には合わなかった

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うりー

4.0愛着のあるおばけ。

2021年1月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

.
交通事故で死んでしまった男が成仏できなくて幽霊のまま妻を見つめ続ける話。
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ザ・アート系映画なので映像は綺麗だけど特に話もセリフもあまりないので、将来カフェを開くことがあったら絶対この映画プロジェクターで壁に流したい(笑).
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この布を被ったおばけって小学生の時に最初に描く基本のおばけなので、普通にめっちゃ可愛い。妻の残したメモを見ようと必死に柱をゴシゴシする姿は抱きしめたくなる(笑).
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せつこん

3.5壮大なストーリー

2020年12月30日
iPhoneアプリから投稿

シーツをかぶったゴースト(なんだか可愛い!)が愛する人と暮らした家に戻り、そこで感じる喪失感や葛藤などの感情は、ゴーストが声を発さずとも、映像や音楽だけで伝わってくる心地よさ。
ラストへ向かうにつれ、話は壮大になり、人によって見解が異なる展開に。
少しさみしくなる話なので、心にゆとりがあるときに観たい映画。

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hana

3.5自分がここにいる意味

2020年12月29日
Androidアプリから投稿

ポスターに惹かれつつも劇場鑑賞を逃してしまい、やっとNETFLIXにて観れました。

きっと未練が残った男が留まりそして女が何らかに気付いて気持ちが通じて成仏エンドだろうな。

と陳腐な予測をしておいて良かったです。切なさと無常さが鑑賞後言葉にしにくいような不思議な気持ちになった。

それは時間の進み方であったり、意味であったり。死をまだ知らない生きている人間の言葉とそれを聞く死んだ幽霊であったり。

この映画はとても説明し辛い。
思いが留まってしまった幽霊が過ごす日々はだんだんとぼやけてしまって、何で自分がここいるのか?どうして気になるのか?それがわからないけど、わからないからとりあえず「ここにいる」事にしたようなそんな曖昧な存在になってしまった幽霊をただ、ただ観察しているような不思議な映画。
「あ、そっか」となったような彼らの終わりが唐突で切ない。

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モ-ts

4.0A24配給らしい独特な作品

2020年12月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

個人評価:3.8
他とは似ていなく、とてもクール。この空気感よい。好きです。
凍えるような刹那さの中、唯一の救いがホッとさせる。宇宙でさえ普遍的ではない事実。魂だけが唯一、物理法則の外側の存在。
A24配給らしい独特な作品。

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映画BARシネマーナ

4.0新鮮な映像で優しい物語をじっくりと

2020年9月14日
iPhoneアプリから投稿

悲しい

知的

難しい

残された妻を見守るって書いてありますが(結局はそうなんだけど)、だいぶスケール大きい話に思えましたね〜。
間延びしてるなぁ…っていうシーンも実は意味があったとか、映像がブラウン管テレビっぽかったりセリフが少なかったりで、新鮮な体験ができました。
たまたまレンタル店で見かけてA24製作ということで借りましたが、なかなかいい出会いでした。

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あんみつ

2.0詩情。

2020年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

二回は見る必要はない映画。さみしくなる。

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なまムギ雄

4.5素晴らしい佳作

2020年9月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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よねお

2.5地縛霊可愛い

2020年8月28日
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てけと

3.5不思議なホラー

2020年7月26日
iPhoneアプリから投稿

ほとんどセリフが無く想像力を掻き立てられる抽象的な映画。
このシーンをこんなに長い時間撮る意味は?
時間の流れはどうなってんの?
とか色々考えさせられる。

最後の15分くらいがワクワクした。
ラストシーンのメモには何が書いてあったのか。

もう一度観たい。

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つかちん

5.0好き! 作り手の、これが作りたいんだーこの絵を撮りたいんだーという...

2020年7月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

好き!
作り手の、これが作りたいんだーこの絵を撮りたいんだーという意志の強さがビシビシ伝わってきた。細かいところまで妥協しなかったんだろうなあ。大変だっただろうなあ。

なんか日本の漫画っぽい雰囲気。セツナ可愛い。そしてすごいスケールをさらっと描く感じ。
非日常に没頭できた点、まさに映画の魅力だなー。

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まるぼに

0.5眠かった

2020年7月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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KEI

3.5ムード満載。覚悟して、観られたし。

2020年6月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

賛否両論の甚だしい映画でしたが、everglaze さんのレビューを読んで、観る気になりました。そして観終わった今、everglaze さんのレビューを読んでから観てよかった、と思っています。everglaze さん、手紙の内容はきっとあなたの言う通りだと、自分は、思いました。

妻(M)より先に亡くなってしまった夫(C)の幽霊になってからの人生(?)を描いた映画。

強烈にシュール、そして観念的。なにせ、主人公である幽霊(ゴースト)は、一言も喋らない。そして、主人公だから、ずっと出ている。彼は、ほとんど動かない。だいたい立っている。幽霊とは、そういうものかも知れない。それをこれでもかと、長回しで写し続ける。

だから、私達観客は、この家で何が起きているかはわかっても、彼がどう感じているのか、何を考えているのかは、わからない。時折起こすポルターガイスト現象は、怒っているのかな、と思う程度だ。

彼の心中は、想像するしかない。自分は、talisman さんの解釈 (想像) が気に入ったから、本作を観ているのだが、M が残した小さな手紙の内容が、本当にそうだったのかは、誰も知らない。映画では、手紙の内容は見せないのだから。

想像は人それぞれだから、解釈は無限にあるのだろう。よくこんな映画を作ったな、と思う。"委ねきる勇気" とでも言うのだろうか。尊敬する。

ずっとこの家で彼女(M) と一緒に幸せでいたかったのに、自分は亡くなってしまうし、彼女はこの家を引っ越していってしまう。この家こそが、私たちが幸せだったことを、私たちの愛を証明する場所なのに … 。その無念さが彼(C) を、場所につく幽霊にした。

M が引っ越した後に、学生がすみ、パーティーをする。そこで一人の男がとつとつと語り続ける。「人は、遺産を、絵画を、技術を残そうとする。自分が存在したことを、記憶してもらうために。しかし、それらも崩壊する。未来は壁に阻まれる…」 彼は、男の話を、じっと聞き入る。

引っ越し前に彼女が書き残した内容は何だったのか。
ラストシーンを起こした文面は、どんなものだったのか。

1年に一度くらい、こんな映画を観るのも、悪くない。

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CB
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