劇場公開日 2018年11月17日

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「【”魂魄は時空を超えて、愛した人、一緒に過ごした場所を見守り続ける”】」A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”魂魄は時空を超えて、愛した人、一緒に過ごした場所を見守り続ける”】

2020年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

幸せ

ー”アンビエント・ホラー” 静謐な雰囲気が印象的な作品。-

 美しい妻(ルーニー・マーラ)と男(ケイシー・アフレック)は仲良さそうに、一つのベッドに横たわって、会話をしている。突然起こる”異音”に驚く妻の心臓の鼓動が劇中静かに流れる。

ー”魂魄”は強い想いがある場所に、”時空を超えて留まる”と巷間では屡々囁かれる。-

 ある日、男は自宅の前で交通事故で命を失う。男の”魂魄”は病院を抜け出し、家に戻る・・。

 妻は、”家の柱にメモを挟み込み”家を出る・・。

 男がいた家には、新しい家族が入居するが、男の”魂魄”はポルターガイスト現象を起こし、ミルクを零したり、皿を割ったりする・・。

ー隣家の”魂魄”との会話シーンも印象的である。”何でここにいるのか、もう分からない・・”-

 時代は、アメリカ開拓時代に遡ったり、(で、そこの家族に起こった悲劇を見つめる男の”魂魄”)現代に戻り、男が生きていた時代も映し出す・・。あの”異音”の意味が分かる・・。

 男の家は隣家と共に、ブルドーザーで壊され、隣家の”魂魄”は消滅する。
ー最早、執着するモノが分からなくなっていたから・・-

 そして、男の”魂魄”は柱に挟まれた妻のメモを見つけ、開き、読み、”消滅”する・・。

<「A24」の製作するホラー作品の幅と奥深さに驚くとともに、今作が醸し出す不思議な余韻に浸れる作品。

 アーティスティックな作品なので、(「A24」制作ですから・・)ストーリー性を求める方は事前チェックをした方が良いかと思います。

 私は、今作の静謐な雰囲気が、ルーニー・マーラとケイシー・アフレックが身に纏う雰囲気とマッチングしていて、面白く観れました。>

NOBU