「煉獄に囚われた霊が浄化される話」A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー kmさんの映画レビュー(感想・評価)
煉獄に囚われた霊が浄化される話
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人が物を食べるシーンがやたら長いのと、おばけが見つめる世界が次々と変わっていくのは
生きている人間と死者の対比になっているように感じた。
たぶん煉獄に囚われた霊が浄化される話だと思う。
主人公は死んだあとすぐに天国への道が開かれたがそれを自ら閉じて
あの家に執着する。それが主人公の小罪。そしてあの地に煉獄として囚われの身となる。
彼はその地に起きたことを延々と見せつけられる。皿を割ったり音を出したりの干渉はできるが
それ以上の干渉はできない。ただただ見続けるだけ。彼女が引っ越すが追いかけることはできない。なぜなら罪が浄化されるまで
煉獄に囚われ続けなければならないから。
幽霊の状態で高層ビルから身投げをしたのも煉獄から逃れようとしたためだろう。
もしかしたら彼はそのようなループを何百回と繰り返したのかもしれない。
最後のメモは別れの言葉が書かれていたのではないか。隣の霊が成仏したときは、目当ての人が戻ってこないと悟ったとき。
新しい人生を切り開こうとする彼女の決意を読み、もうここには戻ってくることはないと悟り、この世への執着もなくなり
成仏したのではないか。
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