「地縛霊。」A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
地縛霊。
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成仏の描き方がとても日本的、東洋的に思えたが、もしかするとこちらが勝手に日本的と思っているだけで、もしかすると万国共通に存在する価値観なのかも知れない。あのメモを見せるか見せないかで、大きく評価や感想が変わるような気がするのだが、未練を現世に残すという感覚は誰もが想像できることだし、その普遍性を描いていると思えば、われわれが具体的なメモの中身を知る必要もないのだろう。ただただ想いを残してそこにいる。地縛霊というほかない(わざわざ病院から帰ってくるのが面白い)存在であり、どこかしらにああいう存在が要るのかもしれないと想像が膨らむ、それだけでもこの映画を観る価値があるような気がする。こちらも思いを馳せはしても、あえて近づこうとは思わない。同じ世界に棲んでいてもいいし、棲んでいなくてもよい。なんとも不思議な魅力のある映画だ。
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