「強制収容所」バンクシーを盗んだ男 ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
強制収容所
イスラエルとパレスチナの間に建設された壁が、まるで過去のユダヤ人強制収容所の様でした。私は勝手にイスラエル建国後直ぐに壁ができたと思っていたのですが、壁ができたのはここ20年弱の事ということを知り驚きました。壁ができるまでは、ユダヤ人とパレスチナ人は共生していたと。
植民地支配は形を変え、あらゆる文化をお金に変えてますよね。一見バンクシーの絵がパレスチナ問題を提議しているかの様に見えますが、この絵がこの地で様々な諍いの元になっていました。
私が今まで見てきたバンクシーに関わる人や好きな人は、欧州や欧米でお金を持っていてそれなりの教養がある人+流行好きな人。彼らはこの地を訪れ、お土産を買っていく。でも、未だにパレスチナは何も変わらないし、貧困や差別はそのまま。
バンクシー本人の意図は分かりませんが、バンクシーを利用して政治的なことをポップカルチャーに変えてお金に変えるのは流石植民地資本主義って感じでした。日本も欧米の植民地ですけど。障害者の感動を「与えます」と言っちゃう24時間TV、開催国に住んでいる住人置き去りでスポーツの感動を「あなたにも」と言っちゃうオリンピックと同じ、金儲けの構造が見えた気がします。
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