「執行猶予中だから命令に従うしかないの」COLD WAR あの歌、2つの心 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
執行猶予中だから命令に従うしかないの
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映画「COLD WAR あの歌、2つの心」
(パベウ・パブリコフスキ監督)から。
「ポーランド・イギリス・フランス合作」の文字に惹かれ、
どんな作品になるのだろうか、久々のモノクロ映像の恋愛作品に、
やや未知数な期待を持ちながらの鑑賞となった。
気になった原題の「Zimna wojna」は、
ポーランド語で「COLD WAR」(冷戦)を意味し、
それに続く「あの歌、2つの心」は、主人公の彼女が歌う曲の中に、
「2つの心の4つの瞳」というフリーズが出てくる。
冷戦下の中での恋愛は、単純に「好き」では済まされないことを
幸せそうに寝転んでいた二人に、こんな会話をさせている。
「白状するね、密告してたの?」「僕のことをか?」
「毎週カチマレクに、害のないことだけ。あいつ言い寄るの」
「何を探ってる?」「色々とね。西側のの放送を聞くかとか
神を信じているかとか。信じてる?、私は信じてる」など。
それを彼女の口から聞いて、男は黙って立ち去る。
そんな彼に向かって彼女が叫ぶ。「わかってる、私は馬鹿よ。
執行猶予中だから命令に従うしかないの」
こんな手段を使っても、東は西の、西は東の情報が欲しいらしい。
「東ベルリンは、社会主義陣営と帝国主義陣営の間にある。
平和主義対報復主義だ」
「ワルシャワの東のパリだ」なんて台詞も飛び交う中の恋愛。
その弾圧された関係が、余計にふたりの関係を切なくさせていたな。
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