ブラック・クランズマンのレビュー・感想・評価
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メッセージがのるエンターテインメント
コメディだと思っていると諸処に啓発が表れる。集団リンチを語る集会やエピローグはドラマの一貫性を破ってメッセージを伝えてくる。もっともコアな部分に食い込む話でもあり、監督自身、冷静に語ることができなかった感じがあった。
もともとスパイクリーは(個人的には)一貫性のない監督で、思い浮かべたとき「こんな感じ」の映画を撮る人──との像が定まらない。商業主義もあるし、アーティスティックなのもあった、バイオレンス描写に与する感じもあれば、親子間・恋人間の悲喜劇もあった。玉石混交だが、外しても、そう無茶な外し方はしない。だが振幅が大きく、大味な印象がある。
ジョーダンピールのようにスパイクリー以上にスパイクリー的なことを、洗練されたスタイルで語る後継者も現れていて、正直なところ器用貧乏を感じない──ではない。
ただおそらく監督がいちばん描きたいのは、Do the Right Thingのような人種間に跨がる偏差だと思う。マルコムXや本編もその本領にある。
本領だが、当事者でもあるゆえに映画にエキサイトが表われてしまう。Do the Right Thingを支配していたのは怒り以外の何ものでもない。その意味で返す返すもジョーダンピールは冷静なのだ。
わたしの周りには日本人しか見あたらず、アメリカの人種差別について、それを云々する資格も知識も立場でもないゆえ、映画としての言及だが、冒頭のDis Joint is Based Upon Some Fo' Real, Fo' Real Sh*tから、潜入調査をブラックスプロイテーション風におもしろおかしく語るのかと思っていると、それが一貫しない。
いい顔のJohn David Washingtonとアダムドライバーで、もっとすごいところへ着地したかもしれない──と思わせる映画だった。
ただし映画はちっとも悪くないし、本国で称賛されてもいる。
のん気な笑える空気感を放つJohn David Washingtonが楽しくて、ダンスシーンに躍動を見た。
日本には関西人が関東人の関西弁を見破ることができる──というのがあるが、白人と黒人の喋りの差はもっと根本的な差であろうと思う。
ロンの白人英語がばれなかったのは、両刀遣いが相当に希有だからだろう。フィリップが黒人の口調を真似るシーンで、それが白人には絶望的に不可能なのが、よく解った。
変わってない。。。
最後の5分のドキュメンタリーが現在の状況を語っていた。
今丁度 black lives matter運動が起こってるように。
wasp至上主義の状況は変わってない。
私が中学生の頃に初めてKKKの存在を映画で知り。
現代にこんな非条理な理解出来ないことを声高々に主張する人が居る状況でさえ理解出来ないのに。
今でも変わってないなんて。
世界を悲観的に見たくないけども、これを見ると。。
変わって欲しい。
私も有色人種。
差別にあったことは勿論ないけど、
存在自体が否定されるって。怖い。
実話の話。
アダムドライバー目当てで見たが、
実話を題材とした考えさせられる内容だった。込み入った題材だが、クスッと笑える瞬間もあって飽きずにみれた!
アダムドライバー目当てだと物足りないけど、映画としては良い作品です。
★3
人種差別を題材にした映画
KKKの安っぽさには笑いそうになったが黒人が白人主義団体に潜入するとゆう話の発想がおもしろいと思ったがこれ実話だとゆうから面白い
実際にこんな捜査方法をとった警察にびっくり。笑
おすすめするほどではないけどハズレ映画ではないと思います
映画から現実へ
ジョン・デヴィッド・ワシントン演じる新米刑事ロンが思いつきでかけた電話から始まるKKK団への潜入捜査。黒人のロンに代わり、実際に潜入するユダヤ人警官フィリップをアダム・ドライバーが演じる。スターウォーズの印象しかなかったドライバーの印象が大きく変わった。こんなにいい役者だったのか。ワシントンについては誰?という感じだったが、これまたシビれる演技をしてくれる。父親は名優デンゼル・ワシントンとのこと。血は争えない。終盤、連呼される「アメリカ・ファースト」の掛け声。そして、ドキュメント映像に流れ込む。映画の世界が一気に現実とリンクする。見事。
翔んでコロラド
「ブラック・クランズマン」とは「ブラック・スワン」みたいな事で、有り得ないことの例えなのか。
KKKて自分は確か英語の授業の長文読解で出てきて初めて知った。で、それなりに調べてみたら、今ではアメリカ国内ではかなり小規模(約3,000人)になったらしい。日本で言えば「オウム」が「アレフ」になって、「昔のオウムは過激だったね」みたいにサリン騒動が風化したパンピーが多いと思う。
それを蒸し返し、こんな酷い団体あるんやで、と言われた所で、被害者でなければ共感はゼロ。パンピーの自分はそう感じる。
だが、合衆国の非白色人種は15〜20%弱。もうちょいおるかな?25%くらい?
20%としても約6,400万人。
割合を日本で考えると、2,600万人くらい。
大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀、三重、という近畿地方の全人口で大体2,300万人くらい。
近畿地方の方に響く映画を作ろうとすると、全国的には受けるのか、と疑問に思ったが、よく考えたら「翔んで埼玉」は関東圏ターゲットだが全国的にヒットしたなあ。それはやっぱりとことんバカをやりきってるから、コメディとして振り切ってるからじゃないかな。
それを踏まえて、今作は実話ベースなので脚色にも限界はあるだろうが、結構シリアスなのでヒリヒリ感が堪らない。きっと、アメリカ人にはアルアルの何かが散りばめられていて、笑えるポイントもあるのだろうが、日本人の自分には微妙かな。
かと言って面白くない訳ではない。そのヒリヒリする所がクライマックスの良い下味になってる。恐らく、約6,400万人の非白色人種が「ザマー!」と叫んだであろう。
似たテーマだが、「グリーンブック」の方が圧倒的に分かり易く共感得やすい。
まあ「翔んで埼玉」をアメリカ人に見せても、微妙なんだろうな。
良かった!
この手の映画では有りがちだけど疑われてるシーンはハラハラします。潜入捜査してる感じが薄かったのと、電話役と潜入役が別れてるのはバレるのでは?とは思いましたがハラハラ感が増し映画としては面白かったです。
そしと爆弾のシーンとラスト最高(笑)
あとロンのアフロが凄いキレイ、ヘルメットを被ってるかのようにキレイ、ファッションもカッコいい
マイノリティ×マイノリティ
2019年4月24日 #ブラック・クランズマン 鑑賞
黒人初の刑事が、KKKのメンバー募集広告をきっかけに白人の刑事と組んでKKKの潜入捜査に取り組む。白人の刑事がユダヤ人なのが面白い。しかし、これはどこまでが実話なのかとても気になりました。主人公は、#デンゼル・ワシントン の子どもらしい。
amazonプライム鑑賞
アダムドライバー流れて何となく見始めたが、グイグイ引き込まれてエンドクレジットで監督がスパイクリーと知った。
彼らしい皮肉たっぷりのメッセージはてんこ盛りではあるが、ちゃんと映画としても面白い。
メッセージ性に偏り過ぎてる気もするが好きだ!
ユニークなストーリーに強く深いメッセージ。
スパイクリー監督作は初めてだが、暗く根付いた歴史にこのような形で一石を投じる姿勢が素晴らしい。
ラストはあまりに強いメッセージに一気に現実へと引き戻されるが、未だに続く問題として我々に刺さってくる。
この作品においてもアダムドライバーはさいこうですな…。
KKKの会員証を受け取るシーンが非常にすき。
彼がどう自分がユダヤ人として生きてきたかを語るが、余りにも響いてしまった。
ずっと白人になりたかった、今はそうは思わないが、こうして白人の資格を得た。
自分を否定したくなるような過去があって、でもそれを乗り越えた今があるというね。彼の人生を短時間であんなにも感じさせるシーンが堪らなかったです。
今の差別問題をがっつり核心ついて描いた一作でした。
息苦しくなった。
『ブラック・クランズマン』鑑賞。
*主演*
ジョン・デビッド・ワシントン
アダム・ドライバー
*感想*
まさにブラックパワーvsホワイトパワー。
白人至上主義団体・KKKに黒人警察官が潜入するお話。
黒人差別が鋭く描かれてるので、途中イライラしてしまいました。でも、これ実話なんですよね・・・恐ろしい。
ロン警察官とアダム・ドライバー演じるフリップが「ロン刑事」を2人で1人を演じる所とかユニークだし、よく電話越しでバレないな~って何回も思いました。
KKKのメンバーが黒人に見立てた的に向かって銃を撃つシーンやロン刑事が先輩白人警察官に何度も嫌がらせされたり、白人と写真撮るシーンで白人が露骨に嫌な顔されたり、KKKのメンバー、特にフェリックスが常にイカれてるし、もうなんか、色々参っちゃいましたよ。。(^^;
最後の実際の映像は衝撃だったし、2017年(←間違ってたらごめんなさい。)で起きたって書いてあったので、わりと最近だったのが、さらに衝撃を受けました。今もまだ差別が続いてるのかな?
ユーモアな演出を描いてて、話のテンポもそれなりに悪くなかったけど、色んな意味で息苦しくなった。
なんとも恐ろしい映画でした。。。
余談ですが、ロン警察官を演じたジョン・デビッド・ワシントンは、デンゼル・ワシントンの息子さんなんですね!ビックリしました!
あり得なさそうな設定だけど実話を元にしてるということで、驚き。コメ...
あり得なさそうな設定だけど実話を元にしてるということで、驚き。コメディタッチで描かれているので観やすくなってるけど、エンドロール前に近年の実情を伝える映像が流れ、決して昔話でないことを知る。
強烈なメッセージ
笑えるストーリーに仕上げてはいるけれど、「あー、おもしろかった。」とは絶対に言えない。
というか、今も根深く残るアメリカの人種問題について、
背筋の凍るようなメッセージが最後に叩きつけられる作品。
「デトロイト」でも似たようなことを考えたんだけど、
自分のことを正義だと思ってる人間がいちばん残酷になるというか、怖いというか。
さすがにKKKはいないとしても、日本も似たようなヘイトも蔓延してきてるしなぁなんて。
「いじめ」もそうなんだけど。異分子をコミュニティから排除しようとするのって
ある意味で人間の本能みたいなもんなんだろうか?と悲しくなった。
物質的にも精神的にも、社会が豊かになれば余裕が生まれて差別がなくなるのか。
それとも逆に、多様性に富んだ社会がみんなの豊かさにつながっていくのか。
鶏が先か、卵が先かっていうね。
恥ずかしながら『風と共に去りぬ』が差別的なモチーフをとってるって、
この作品を見るまで知らなかった。勉強になりました。
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