ブラック・クランズマンのレビュー・感想・評価
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1970年代のコロラドで起きた信じられないような実話
米コロラドスプリングで起きた黒人警察官がKKKに入会するという信じられないような実話がベースになっています。
ストーリーは70年代ですが、エンディングではここ数年アメリカで起きた事件の実際の映像やトランプ大統領の演説が映され、40年以上経っても根本的な問題は解決していないのではと気づかされます。
この映画の素晴らしいところはこうした一見重いメッセージをしっかり伝えながらも、映画のテイストはポップというか重苦しさを感じさせないところにあると思います。映画(エンターテイメント)として楽しめるのにメッセージはしっかり伝わる、なかなかこういう映画はないですね。
逆星条旗★
久々のスパイク映画。マルコムXほどの重みは無いが、仕事を越えた2人の刑事の行動には称賛する!実話というのがまた痛快(°▽°)
黒人への暴力が昔から変わらない…スパイク・リーがいつの日か差別を訴える映画では無く、黒人と白人が手を合わせる映画が作られる事を祈るばかりである。
訴えたいことをこういった手法で伝えてくるとは!
黒人と白人のバディムービーというのはなかなか新鮮だ。
言い過ぎではと思うくらい皮肉たっぷりであったり、現実を突きつけられるような場面もある。それでこそ、あのバディの人間関係が視聴者の心を和ませてくれる。1本の映画で対局ともいえる様々な感情を抱かせてくれた。
これは実話に基づいている、ということを忘れてはいけない(実際自分も最後までその実感はなかった)。
自分たちが現実とは思えないような状況が今現在起きているのだ、ということを心に刻む、いい機会となった。
変わらないアメリカ
40年前の実話をもとにした映画のようだが、最後にシャーロッツビルのKKKの集会で起きた事件や、差別を助長するトランプ大統領の映像が挿入され、根本的には40年前と何も変わらないアメリカの根深い人種差別問題が炙り出される。
世界は良くなっているのか悪くなっているのか。
衝撃のラストシーン
フェイクでない、ラストシーン。
そして令和二年の今。
ネオナチ。
これが僅か一年前に作られた作品だからこそ、
今、意味がある。
黒人文化が好きで、カルチャーにも触れて、
仕事にもした。
でも分からないこともたくさんあり、
偉大なるスパイクリー氏の本作品を観たが、
ラストシーンをみるまではエンタメ消費としてしか、
観ていなかったが、
ラストシーン。本当に心揺さぶられた。
アダム・ドライバー が 好き!
沈黙、パターソン、カイロ・レンと観ていくうちに良い役者さんだなぁと思ってたけど、この作品のアダム・ドライバーがツボに入った!カッコいい!好き!ロンのキャラクターとの対比も良い。ロンはおもしろカッコ良かった。要所要所でいい音楽がかかるところは、ちょっと自分に酔ってるように見えて良かった。ドキドキハラハラしながら観られて、笑えるし、学べるし、フェリックス役の人も良かった、ウォルターも良かった、ポール・ウォルター・ハウザーはいるだけで良い、警官役の人たちも一人一人魅力的だった。
女帝を読んで、82年生まれ キムジヨンを読んで、ブラッククランズマンを観た。女性差別と男性差別は切り離しては語れない。と誰かが言っていた。
放送禁止用語を、これほど言いまくる作品が出てきた理由。
クー・クラックス・クラン(KKK)という、黒人皆殺しを叫ぶ白人至上主義者の狂信団体に、電話口での口先三寸の演技によって、まんまと入会を認めさせてしまった黒人警察官が主人公です。
しかしさすがに黒人である本人が潜入するのは無理なので、ユダヤ人の同僚を身代わりに潜入させるのですが、実はKKKが黒人の次に敵視するのがユダヤ人なのです。
このあたりの事情は映画では触れていませんが、イエスキリストを処刑し、その死の責任を子々孫々まで負うことをユダヤ人たちが約束した……と、「キリスト教の聖書に書かれている」ことがユダヤ人敵視の原因だと言われます。
もちろんユダヤ人側は、そんな一方的な「異教徒からの言いがかり」を認めるはずもないのですが、「異教徒の聖書」におけるこの記述が原因になって2000年以上も迫害され続けてきたユダヤ人こそいい迷惑という構図ですね。
この潜入捜査に賭ける、黒人刑事とユダヤ人刑事の二人羽織のおかしさを狂言回しとしてストーリーが進みます。
黒人だからこそ、黒人に対する差別卑語を吐きまくることが堂々と許され、ユダヤ人だからこそユダヤ人に対するヘイト表現をバンバン叫び続けることも許されるという、なかなか考え抜かれた構図です。
映画で、ここまで放送禁止用語を言いまくる作品が許されるなんて、想像もできませんが、これこそが脚本の妙ってことなのでしょうか。
アカデミー賞の他の賞を獲れずに脚色賞が与えられたというのも、分かる気がします。
しかし私には、黒人の権利を主張する団体とKKKとが、相手こそ違え、同じことを主張しているのではないかと思えてなりませんでした。
もちろん、スパイク・リー監督のキャリアを見る限り、黒人側を批判するような作品を撮るはずがありません。
おそらく監督が訴えたかったのは、トランプ大統領の手法が、このKKKのスローガンそのものを使い、KKKのヘイト路線を踏まえていることの危険性の指摘だったのだろうと思います。
にもかかわらず、第三者である日本人の目には、憎悪に燃える双子のように、黒人も白人も、ともに相手方に対するヘイトを燃え上がらせていることについて、第三者にしか見えない問題点の存在を、深く考えさせられたのでした。
もちろん、異色の刑事ドラマとしても充分にシナリオは練られているので、問題意識がなくても充分に楽しめること請け合い。
しかも観終わった観客には、映画が提示した問題を一人一人咀嚼する努力を突きつけられる、重量級の作品だと言えると思います。
メッセージがのるエンターテインメント
コメディだと思っていると諸処に啓発が表れる。集団リンチを語る集会やエピローグはドラマの一貫性を破ってメッセージを伝えてくる。もっともコアな部分に食い込む話でもあり、監督自身、冷静に語ることができなかった感じがあった。
もともとスパイクリーは(個人的には)一貫性のない監督で、思い浮かべたとき「こんな感じ」の映画を撮る人──との像が定まらない。商業主義もあるし、アーティスティックなのもあった、バイオレンス描写に与する感じもあれば、親子間・恋人間の悲喜劇もあった。玉石混交だが、外しても、そう無茶な外し方はしない。だが振幅が大きく、大味な印象がある。
ジョーダンピールのようにスパイクリー以上にスパイクリー的なことを、洗練されたスタイルで語る後継者も現れていて、正直なところ器用貧乏を感じない──ではない。
ただおそらく監督がいちばん描きたいのは、Do the Right Thingのような人種間に跨がる偏差だと思う。マルコムXや本編もその本領にある。
本領だが、当事者でもあるゆえに映画にエキサイトが表われてしまう。Do the Right Thingを支配していたのは怒り以外の何ものでもない。その意味で返す返すもジョーダンピールは冷静なのだ。
わたしの周りには日本人しか見あたらず、アメリカの人種差別について、それを云々する資格も知識も立場でもないゆえ、映画としての言及だが、冒頭のDis Joint is Based Upon Some Fo' Real, Fo' Real Sh*tから、潜入調査をブラックスプロイテーション風におもしろおかしく語るのかと思っていると、それが一貫しない。
いい顔のJohn David Washingtonとアダムドライバーで、もっとすごいところへ着地したかもしれない──と思わせる映画だった。
ただし映画はちっとも悪くないし、本国で称賛されてもいる。
のん気な笑える空気感を放つJohn David Washingtonが楽しくて、ダンスシーンに躍動を見た。
日本には関西人が関東人の関西弁を見破ることができる──というのがあるが、白人と黒人の喋りの差はもっと根本的な差であろうと思う。
ロンの白人英語がばれなかったのは、両刀遣いが相当に希有だからだろう。フィリップが黒人の口調を真似るシーンで、それが白人には絶望的に不可能なのが、よく解った。
変わってない。。。
最後の5分のドキュメンタリーが現在の状況を語っていた。
今丁度 black lives matter運動が起こってるように。
wasp至上主義の状況は変わってない。
私が中学生の頃に初めてKKKの存在を映画で知り。
現代にこんな非条理な理解出来ないことを声高々に主張する人が居る状況でさえ理解出来ないのに。
今でも変わってないなんて。
世界を悲観的に見たくないけども、これを見ると。。
変わって欲しい。
私も有色人種。
差別にあったことは勿論ないけど、
存在自体が否定されるって。怖い。
これコメディですか?
現在のBML運動の最中で見ると余計に響く作品だが、自分は主人公と恋人との他愛ない会話で、思わず爆笑。
「ねえアイザックヘイズのシャフトと、カーティスメイフィールドのスーパーフライ、どっちが好き?」
あと見ている時は気がつかなかったが、歌手のハリーベラフォンテが虐殺現場を目撃した証言者として登場。
これ演技なのか、それとも実際に見たのか
判らないほどの鬼気迫る場面。
しかし、やはりトランプ大統領に当て付けたとしか思えないシーンも。
デビッドデュークが大統領になる?考えられないとロンが言うと、相棒が「楽観的過ぎる」とたしなめる。
冒頭のアレックボールドウィンの出演も、トランプへの皮肉らしいから。
実話の話。
アダムドライバー目当てで見たが、
実話を題材とした考えさせられる内容だった。込み入った題材だが、クスッと笑える瞬間もあって飽きずにみれた!
アダムドライバー目当てだと物足りないけど、映画としては良い作品です。
★3
人種差別を題材にした映画
KKKの安っぽさには笑いそうになったが黒人が白人主義団体に潜入するとゆう話の発想がおもしろいと思ったがこれ実話だとゆうから面白い
実際にこんな捜査方法をとった警察にびっくり。笑
おすすめするほどではないけどハズレ映画ではないと思います
映画から現実へ
ジョン・デヴィッド・ワシントン演じる新米刑事ロンが思いつきでかけた電話から始まるKKK団への潜入捜査。黒人のロンに代わり、実際に潜入するユダヤ人警官フィリップをアダム・ドライバーが演じる。スターウォーズの印象しかなかったドライバーの印象が大きく変わった。こんなにいい役者だったのか。ワシントンについては誰?という感じだったが、これまたシビれる演技をしてくれる。父親は名優デンゼル・ワシントンとのこと。血は争えない。終盤、連呼される「アメリカ・ファースト」の掛け声。そして、ドキュメント映像に流れ込む。映画の世界が一気に現実とリンクする。見事。
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