ブラック・クランズマンのレビュー・感想・評価
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重め
痛快アクション映画やドタバタコメディを期待したのですが、内容は非常にメッセージ性を重視した重めな内容。
現代にもなお強く根付く人種差別の愚かしさを徹底的に描きたいのは良く分かりましたが、少々メッセージを重視しすぎなような気も・・・。
バランス
単純な人種差別モノではなく、ユーモアに包んでの両成敗的な印象を受けました。白人も黒人も、先入観でのみ動き、そうして生まれた悲劇で、さらに相手人種への先入観ができる。まさに負の連鎖です。
終盤の、酒場での悪徳警官への制裁はスカッとしました。結局、負の連鎖は、内内で解決するほかないのでしょうね。
とてもよかった
KKKの幹部連中をを黒人が魅了するのが痛快だったのだが、白人の代役はもうちょっと声の似ている人を選べばいいのにと思った。
クライマックスの爆発はびっくりしたし、最高に気持ちのいい展開だった。
あのKKKの夫婦が非常に気持ち悪くて素晴らしい存在感だった。本当に貧困層にいそうで、世を恨んでいる感じがする。
私はゲイです。
黒人という、見た目で判断されて差別を受ける人がいれば、見た目でなかなか判断できなくても、ユダヤ教という信仰が判明すると迫害を受けてしまうという人もいる。
私の場合は、自分さえ口外しなければ、今の生活を脅かされることはない。
なのでこういった差別に抗う映画作品を見るとき、私の心境は複雑になる。
「なぜ立ち向かおうとする?」
「今の平穏を壊したくなければ、私は同志と徒党は組まない。」
「見た目で差別を受けるような立場にならなくて済んでよかった。」
そう思ってしまう。
自分は諦めているのだと思う。
認めてもらえる世の中には、まだ自分の時代にはならないだろうと。
米国有色人種の中でも同じような人がいたと思う。
そっとしといてよと。
こういう美談は、今回の映画は例えユーモラスに扱う部分があっても、私は笑えない。
その勇気が眩しく痛い。
そっとしておこうよと思いながら生活をしているが、やっぱりラストのあの衝撃的な現代の映像を見せつけられると、このままじゃいけないと強く責め立てられる気持ちになる。
どちらか。が全てではない
マイケルジャクソンが歌ったブラックオアホワイトは名曲だが現実はブラックオアホワイトなんて選択肢は不要だし、歴史から歪曲して比較する態度を作る必要なんて無いんだと改めて感じる機会をくれた。
中道こそ必要な態度だし中庸だからこそ傍観者ではなくそれぞれの痛みを理解し生きる道を探し出すことができるんだ。と言うことを最後に思い席を後にした。
まあとかく興奮気味にこの鑑賞後の感想を書いているわけだからしっちゃかめっちゃかなレビューであることは間違いない。だから観て観ればわかるよ!と周囲には乱暴に進めようと思うのだ。
楽しめてかつ強いメッセージ
潜入捜査ものサスペンスで、ユーモアも交えた語り口で楽しめました。
KKKという組織は、なんとなくは知っており、具体的にどんなところかと興味もありましたが、やはり狂信的で差別を正当化する恐ろしい団体のようでした。
また、何より、冒頭からラストまで、黒人差別の歴史に触れながら、差別に対抗する強いメッセージが伝わって来ました。
ラスト、事件は解決してひとまずハッピーエンド、と思いきや、長い時間を経ても暴力的な差別は続いているという現実が映し出されます。
憎しみを振り撒くような奴を大統領には選ばないだろう、という台詞への現実の答えのように実際のニュース映像が流れるのは、本当に皮肉な批判だと感じます。
その大統領に追従するような日本も他人ごとではない現状だと思ってしまいますが。
それでも、主人公の対立するだけではなく内側から変えてゆくという意志や、差別に反対する人々の姿は、強く心に迫ります。
気負わずエンターテイメントとして楽しめながらも、随所に反差別の強いメッセージを感じる作品でした。
『憎しみに居場所なし』
まず初めに本作品はある程度内容の趣旨を頭に入れておかないと理解が捗らない作りとなっている。即ち、昨今の社会問題をストレートに取り上げるどころかアメリカに於ける差別問題のセンセーショナルな部分を掘り起こしているテーマなので、その手の題材に関心がないと全くもって有意義ではない内容なのだ。欧米以外の国での興行収入を思うと芳しくないのだろうと悲観的見方もよぎる。とはいえ、世界中のテーマである“人種差別”を人類は一体いつまで背負わされるのだろうか、人間の叡智なんてものは幾らテクノロジーを進化させても、ましてや人類に取って代わる“AI”なんてものが出現してきても、その心の拠所は浅ましい特質から一歩もアップデートできないのだろうと悲観に暮れることを否応が為しに観客に突きつける作品である。
他のレビューを事細かくは拝見していないが、どうも今作を単なるドラマのカタルシスを得る為の視点で捉えて、だからドラマ後の数々のヘイトスピーチのドキュメンタリーカットを不要だと切り捨ててしまう輩が多いらしい。そもそもスパイク・リーが監督なのだから単なるエンターティンメントには仕上げない事など当然なのだから、その“頓珍漢”な批評は全く読むに値しない。
初めの設定こそ事実を元にはしているが、ドラマパートはあくまでフィクションである。なのでコンゲーム的要素や、バディものとしてのサスペンスと協力することでの達成感を表現している。それとは別に、アバンタイトルでの『風と共に去りぬ』での引きのシーン、そして悪名高き『国民の創世』、続く『エクスプロイテーション映画』とアメリカ映画史を同時並行的に差し挟んでいる。そのシーンを模した演出も又妙技であり、外連味溢れる構築である。
教育や道徳が行き届かない世界では、迷信、神話、言い伝え、そして宗教でしか人を信じさせることが難しい。それが特に“原理主義”と呼ばれる至極簡単で単一的、非論理な程、心を掴んで離さない。そしてそれはストレートに経済に直結する。“ホワイトトラッシュ”にとってはそれは切実な依代なのであろう。“表現の自由”や“人権”なんていう小難しいことではなく、人としてどう生きるかの人生観をみつけることができなかった輩の恥ずかしい行為が“差別”なのである。人間としての矜持などに価値観を見いだせなければ、現状の不満不安をどこかにぶつけるしかないなんて、まったくもっておかど違いである。そんなに厭なら自分で自分を始末しろと結論つけたくもなる。
鑑賞中に、新元号『令和』の発表があった。「命“令”を以てして“和”を作れ」なんて、ほんと為政者の為のロジックだなと、今作で情けなくも痛々しいKKKの連中達を搾取しているトップの連中と、日本のそれと激しくオーバーラップ、否、今作の映像手法“カットバック”している様が楽に想像できてしまう今日この頃である。
真面目だ
cmからコメディタッチを予想してしまったので、その真面目さにびっくり。
白人至上主義集団KKKに潜入捜査する2人の刑事。身元がばれるのが先か、事件の未然防止が先かを、ドキドキしながら見守る映画。
KKKメンバーを演じた俳優の演技がとにかく上手い。こういう人たち、いそうと伝わってくる。白人至上主義に共感したら周りにも同じことを言う人がいて、その仲間の中でどんどん先鋭化していく人。なるほど、絶対トランプに投票するんだな、とわかる。
リー監督も(ちょっと古くさい)KKKを話題にして「あなたも彼らと同じになってないか?」と問いかけたいのかな。
緊張しながら見たのは予想外だったけれど、金払っただけの価値はある映画でした。
いま最も観るべき映画
数々の話題作を世に送り出してきたスパイクリー監督の初オスカー獲得作品が本作である。
斬新な映像や新しい手法を積極的に取り入れることでも知られている彼が、本作では実にオーソドックスな手法で差別、ヘイトの問題をじわじわと丁寧に描き出す。それがむしろ新鮮でラストシーンまで一度も気を抜くところが無かった。
アメリカだけでなく、世界中で、もちろん日本でも、人々の分断は大きな社会問題になっている。この作品を観た一人でも多くの人が差別やヘイトに真剣に向き合えるようになることを祈ってやまない。まさに、オスカーにふさわしい、いま観るべき映画だ。
個人的には、サントラの素晴らしさとハリーベラフォンテの登場に胸が熱くなった。
う久しぶりのスパイク・リー
私は16年のスパイク・リー監督作品。アカデミー賞でのスピーチが心に響いたので。映画の力を誰よりも信じているだろう彼の今回の作品は、黒人の若い世代に向けられたものと感じた。あとユダヤ人への批判をスパイスで添えて。
現代に活躍するチャイルディシュ・ガンビーノや映画Get Out的にコミカルにヘビーな題材を扱い、多くの人に観てもらう工夫が見られた。ただ本当に伝えたいことは昔から変わらない気がした。特に冒頭のクワメの演説はまさに同胞へのメッセージでブラック・パワーと歴史を忘れるなって。
グリーン・ブックは白人監督の作った差別は良くないよねって白人や他の人種の心に響く映画。多分、黒人の人はあまり感動しないだろうけど。。。
現実のアメリカは双方のヘイトがぶつかり合っている様子。奴隷制度があったのはまだつい最近でアメリカの歴史は浅い。新たなフェーズを迎える人種問題にスパイク・リーがDワシントンの息子を通じて呼びかけた作品。
アメリカ人種差別はなくならない
アメリカの弾圧的な人種差別は永遠に続くのだろうか?このテーマに関心のある日本人が少ないのか、劇場数が少ないのが気にかかる。我々にも大きな影響が...。
逆さになった白黒星条旗を見て心を痛めるアメリカ人であってほしい。
ブラック・クランズマン
流山おおたかの森で鑑賞。
黒人とユダヤ人の刑事コンビがKKKに潜入する話
映画のストーリーは綺麗な勧善懲悪モノ
悪人全員がきっちり痛い目にあっていたので映画としては凄くスッキリ観れた。
最後に流れたシャーロッツビル事件の映像はとても一昨年の出来事とは思得ないぐらい惨かった。
最近のアカデミー賞は大体黒人差別系の映画ばかりで少しつまらないなぁとも思っていたが、今も昔も差別が無くならない現実を考えるとこういう形で強くメッセージを発信し続けなければいけないのだなと感じた。
あとラストシーンのKKKが十字架を立てて燃やすシーンにフリップらしき人がいた気がしたのは気のせいなのか…
人種差別をぶった斬る!
KKKの捜査を題材にした、アメリカの人種差別を痛烈に批判する映画。それでいて、痛快なエンターテイメントとして楽しめました。ラスト、実在するあの人がコケにされるのは胸がすく思いです。映画「グリーンブック」とは違う、平等なんて幻想でないの?と思わせるお話。でも、お互いプロとして認め合う人びとが頑張った過去があるのです。アメリカのそういうところはいいよね。それにしても、「アメリカファースト」は、ど直球過ぎて失笑してしまった。
映画のあり方を思い出した
潜入捜査のお約束の、身バレ直前のハラハラと、クライマックスのドキドキ逮捕劇に、わ〜〜あ盛り上がるいい映画だった〜〜!面白かった〜〜!!てなってたところで、これがただの娯楽として消費されてもらっちゃ困るというメッセージがど直球で来る。
過去の話でも、フィクションでも、娯楽でもなく、現実の話として、我々は問題を投げかけられる。
あまり評価されない作品を語るときに「薄っぺらい」というワードが使われるが、これはその逆。厚みと重みががっちりあるうえ、面白い。良かった。
あとIQ3くらいの感想を言うと
まじでアダムドライバー好きすぎて死ぬ……………
新鮮味ありそうで、ない
面白い。申し分なく知的だし、スリリングでもある。でも何かノレないんだよなぁ…。
歴史のお勉強好きにオススメ。
史実にケチ付けても仕方ないけど、ニグロとワスプのバディ制にした意味あったんですかね?
最初から白人1人で全部やった方が確実だし安全じゃん。
反トランプ映画なのは見る前から分かってたけど、あそこまで露骨に表現して欲しくなかった。
我々外国の観客にとっては白けるだけ。まぁ、最初から客としては想定されてないだろうけど。
一番どうかと思ったのは、ヒロインの言動。
「劣等人種にも(愛犬のように)気の合う奴はいる」とのたまうKKK大幹部と、
「悪い白人警官が1人でもいれば、全員悪いのと同じ事よ」と仰るヒロイン。
これ、暴力の有無を除けば完全な合わせ鏡でしょ。それを軸に展開させた方が絶対面白かったと思うな。
KKKが悪党だなんて、マトモな奴なら既に全員知ってるよ。折角の面白設定なんだから、こっちはその先、
BLACK POWER!の行き着く先が見たいのよ。スパイクリーがそんなもん作る訳ないけどさ。
ちゃんと面白くしてくれるスパイク・リー。アダム・ドライバーがいい感...
ちゃんと面白くしてくれるスパイク・リー。アダム・ドライバーがいい感じ。ラストの映像は見たことあったけど、あらためて衝撃的。21世紀の現実。
ブラックコメディの枠を逸した問題作。
早くも2019年の代表作誕生。
白人至上主義団体KKKへの潜入捜査に黒人警官臨むという荒唐無稽だが、実話ベースの物語。
人種差別問題を根底まで描いており、ただひたすらにリアル。一向に消えぬ差別問題を突きつけられ、幾度も頭抱えた…
終幕前に白黒のアメリカ国旗がデカデカと映る。まさに、“自由の国”への欺瞞、交わらぬ国民性の表れ。
ブラックコメディの枠を逸した問題作。
スパイク・リー節
黒人の警官が白人至上主義団体のKKK(クー・クラックス・クラン)に潜入捜査する話。
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単なる潜入捜査の話だけでなくてこれを最終的に現代のアメリカに起きてることに繋げてく。KKKは昔の話じゃなくて今も同じような団体が黒人とユダヤ人は出てけってデモやってるんだよね。
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この映画の中で黒人の団体とKKK両方に主人公が潜入するからお互いの主張が見えてくるんだけど、どっちの団体の人も白人の警官にひどい扱いをされるから警察が嫌いとか、黒人に娘がレイプされた(だったかな)から黒人が嫌いとか、.
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自分が出会った人だけでその集団を判断しすぎ。白人にも黒人にも一定の割合で良い人も悪い人もいるっていうことがなぜ分からない。小学生でもわかる。
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そしてKKKの若きリーダーデュークが明らかにトランプとかぶる。公の場では差別的な発言はせず、「アメリカファースト」と叫び、頭の良さそうな演説を説く。
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劇中でこういう差別主義者は知らないうちに私たちを支配して国のトップに立つっていうセリフがあってそれについて主人公が国民がそんな人選ぶわけないと楽観。
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これ同じようなこと大統領選の時にあったなぁと、かなりゾワっとした。この話の舞台の70年代から40年ぐらい経ってるけど状況は悪化してるんかね。
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