「Well done!」ブラック・クランズマン KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)
Well done!
始まってまもなくのところの黒人リーダーの演説がやけに長くて。黒人の顔のオーバーラップがくどいし大丈夫か、こりゃ・・と思った。見終わるとそれは最後の報道映像の部分とバランスをとるために、意図的に長くしたんだね。
これは単なる潜入モノとは一線を画した映画だ。まずKKKに潜入するというネタはあんまり見たことがない。ふたりの人間で一人を演ずるというところも。それが黒人と白人ってのも一人は声だけってのも冴えてる。それから潜入ものにつきもの正体がバレそうになるというシチュエーションがあるのだが、二、三、気の利いたアイディアが入っていて「おっ」て思った。なによりもよかったのは、「マイク持ってんじゃねーのか?」とか裸にされるとかそういう陳腐なシーンが無かったことだね。その他、急に両肩を抱くシーンとかアイデアに溢れている映画だったという印象が残る。・・あ、なるほど、4人で書いてたのか。
クライマックスはドンパチがなくて本当は迫力に欠けるんだけど音楽とかカメラワークとかで、とてもうまく盛り上げてクライマックスらしい感じができていた。あれは監督の演出の力でしょう。それに加えて、あの太っちょの女性を、あの下衆の白人が本当に愛しているというところがスパイスになってた。彼女が一爆弾しかけるのに生懸命やってるのが、ある意味、可愛らしくて、それでドラマが盛り上がったね。
そして何よりもKKKに侵入するネタで黒人差別を訴えるっていうモチーフそのものがこの作品の一番アイデアのアイデアでしょう。
ああ・・監督は「インサイド・マン」の人ね。 じゃあ、ほかの作品も見てみようかな。
日本にはアメリカのような黒人差別とかユダヤ人差別ではないので、ピンと来なかった部分もある。とにかく日本に来ている外国人の方は、白人も黒人もアジアもアラブも関係なく、みんなジェントルマンだぜ。犯罪を犯さない限りはな。Come on! You are all welcome!
