「遠慮なしに、強烈にアメリカ社会を皮肉る作品」ブラック・クランズマン カトソラさんの映画レビュー(感想・評価)
遠慮なしに、強烈にアメリカ社会を皮肉る作品
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ブラッククランズマン 【字幕版】
鑑賞日 4/3
スターウォーズ エピソード7、8でのカイロ・レン役で有名なアダム・ドライバーが出演していることと、友達からの誘いで見にいくことに。アカデミー賞は受賞できなかったものの、ノミネートはしているのでそこそこの期待を込めて鑑賞。同年アカデミー賞作品賞のグリーンブックとかなりテーマは似ているがかなり雰囲気が違い、決してハッピーではない終わり方だった。グリーンブックは道徳的で少し都合のいいことが多かったが、今作はかなりキツめにKKKの人種差別の狂気を表現しており、それもまた良かった。またただ単に黒人を差別しているのではなく、白人の中のユダヤ人も差別の対象になってるのもまたグリーンブックとは違って物語として面白かった。KKKのメンバーが自分たちの行なっていることは絶対に「正義」であり自分たちを善人だと信じて疑わない、そんな様子が2時間に渡って描かれており、今もまだ消えることなく存在しており、「アメリカの本質は変わらない」と監督のスパイク・リーが強烈に表現していてとても印象的に心に残った。最後の実際のニュース映像で様々な事件の様子が映され、本当に心から恐怖を感じた。この作品は間違いなく反人種差別を訴えているし、良作であることは間違いないのだが、「平和になればいい」などのメッセージではなく、現アメリカ政権を痛烈に批判しており、それも「偏見」の一つであってこれでアカデミー賞は取れないのでは?と思った。
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