「差別の種」ブラック・クランズマン yume810さんの映画レビュー(感想・評価)
差別の種
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「ゲット・アウト」の監督が関わっていると聞いて鑑賞。
実話を元にしている映画って実話故に派手さのないイメージだったのだけど、潜入捜査のハラハラ具合や主人公とヒロインの関係性、当時のファッションや、KKKの秘密結社の雰囲気など、興味深く楽しめた。
ゲット・アウトでも描かれてたけど、主人公が女性を襲っているんじゃないかと問答無用で疑われる(暴行を受ける)シーン、その展開が起こる前から「ああ、主人公は信じてもらえないんだ」と感じて、自分自身の中にある黒人へのイメージに気づかされる。
それは勿論差別ではなくて、あくまで今までの経験から学んだことから判断しているのだけど、自分の中に「そういった認識ができている」ということに驚く。
黒人とはそういうもの、という認識。
運動ができて、差別問題があって、映画ではお気楽キャラとして描かれたり……そういう自分の中にいつの間にか出来上がっていた認識。
それってふとすると差別につながるんじゃないかと思う。
白人、黒人、男、女、日本人、外国人……それぞれ、これはこんな感じといった認識がある。いつの間にかできている。
その認識の上に、私に他者に接している。
けれど気をつけなければ、目の前の人は全然当てはまらないのかもしれないのに、そんな大括りな枠に当てはめてしまう。
そんな「認識」は当たり前にできてしまうものだ。
いつだって自分のなかに思い込みや偏見という差別の種があるのでさないかと思う。
気をつけなければ、と考えることを与えてくれた作品だった。
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