「kossykossyはKKです。ちなみにパム・グリア主演の映画は『コフィー』でした。」ブラック・クランズマン kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
kossykossyはKKです。ちなみにパム・グリア主演の映画は『コフィー』でした。
KKKを初めて知ったのは何の映画だったか覚えていないけど、アメリカ映画を観るにあたっては知っておかねばならない常識でもある。そんなおぞましい秘密結社KKKに潜入捜査する、実話をもとにした作品。コロラドスプリング警察署で初めての黒人刑事として採用されたロン・ストールワース。日々の資料係に嫌気がさすなか、ふとKKKの募集広告に電話してみることになった。そして潜入捜査の許可が下りるものの、KKKに直接黒人が面接を受けるわけにもいかないので、白人刑事のフリップとコンビを組んで潜入することになったのだ。ロンは電話応対のみで、フリップがロンの名を騙り直接行動に出るのだ。
バレちゃまずいとハラハラさせる展開。また、フリップもユダヤ人だったために、ヒヤヒヤさせられる面白さ。KKKは白人至上主義者で、反ユダヤ、反共でもあるので、機嫌をとるのも大変な捜査。やがて、現役軍人がいることも判明し、黒人集会で爆破テロを起こす計画も露見するのだが・・・
「ホロコーストなんてなかった」などとユダヤ人あぶり出しに躍起になるフェリックス。負けじと正体を隠そうと反論するフリップのシーンが好きだ。即座に思い出したのが「南京虐殺なんてなかった」と主張する人たち。まぁ、白人至上主義も日本人至上主義も根本は同じ。グローバルという言葉が好きでも、やがて増え続ける外国人労働者を差別するに違いない日本人の中の排外主義者。将来は日本でも起こりうることだと想像すると、他人事ではないのだ。
爆弾を扱ったブラックコメディのようなクライマックス。ハッピーエンドかと思わせておいて、実は白人が迫害されるというシュールな未来予想図も描かれていたように思う。そして追い打ちをかけるようなラストの最近のドキュメンタリーが秀逸だった。もしや共同制作にマイケル・ムーアの名前があるんじゃないかと探したくらいです!「アメリカ・ファースト」という言葉が気持ち悪いくらいに響き、そして、群衆の中を走る車・・・夢に出てきそう。