「差別主義を痛烈に批判した超傑作!」ブラック・クランズマン まっくん a.k.a. エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
差別主義を痛烈に批判した超傑作!
これは傑作!
70年代の空気がムンムンするコロラドスプリングスを舞台に、黒人刑事のロン・ストールワース(デンゼル・ワシントンの実子ジョン・デビッド・ワシントン!)とユダヤ人の刑事フリップ(「パターソン」のアダム・ドライバーが好演!)がタッグを組み、映画でもおなじみの白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)に潜入捜査する。実話に基づくノンフィクション小説を脚色したとのこと。
KKKのメンバー達の狂気に接する緊張感もさることながら、ロンの醸し出すゆるい空気感が心地よい。
音楽ではELPのLucky Manという意外な選曲や、PrinceのMary Don't You Weepも悪くないが、Cornelius BrothersのToo Late To Turn Back Nowのソウルトレイン・ライクな楽しさは格別だ。一緒に踊りたくなった。
KKKの寄り合いで鑑賞する映画はグリフィスの「國民の創生」。学生時代に荻昌弘先生の映画の授業で観た以来だが、映画史における最重要作のひとつであるこの作品をKKKが差別主義映画として楽しんでいるのが興味深い。
そして息もできないクライマックスが凄い。映画の神様が舞い降りた。
久々に拝見したスパイク・リー監督作。差別主義に対する痛烈な批判をエンターテイメントで程よく包んだ超傑作。今年の外国映画のベストの一本だろう。
ちなみにカンヌでグランプリをとったものの、アカデミー賞では脚色賞だけですか〜〜残念!
そうですねー。
個人的には『アリー…』がアカデミー会員に超・絶賛されていたので賞をほとんど獲らなかったのが驚きでした。今年は賞賛しておいて賞をあまり獲らせない事が例年よりあったような?
『グリーン・ブック』が作品賞を獲ったのと『Roma』が外国語映画の方に回ったのは本当に「妥当・無難」…という感じですね。
役作りで約20kg増量した二人(ビゴとクリスチャン・ベイル)のどちらかは主演男優賞にふさわしかったと思います。
今作が作品賞、監督賞を逃したのは残念ですが、今回のアカデミー賞の結果って「妥当」だと思いませんか?例年の「どうして?」というのがなかった。
とは言え、ビゴ・モーテンセンの主演男優賞に未練たらたらですが。彼のキャリアを思うと今回とってよかった。