「他人事ではない問題提起」ブラック・クランズマン shantiさんの映画レビュー(感想・評価)
他人事ではない問題提起
スパイク・リーの作品は毎回考えさせられる。人種差別と自らのアイデンティティをテーマに作品として視覚化する。差別はかなり個人的な経験と思い込みから生じ、概して自らが招いた不愉快な事象を無責任に転化するいじましい感情から発する。自らが真っ直ぐに自分自身と対峙して、深く内省をしない限りは差別は撤廃出来ない。誰も自分の嫌な面は見たくはない。理由も無しに誰かの責任にしたいのだ。一人一人が理性的に、知性的に、そして冷静に、差別には対応する必要がある。差別をする者もされる者もつまらない悪感情を捨てて、相手と自分をしっかりと見つめて、感情をコントロールすべきだ。差別は悪感情をエネルギーにして、物事を針小棒大にし、単純なものを複雑にし、事を荒立てる。私たちの尊厳を守るためにも、差別は完全に自らの内面から排除すべき最重要課題である。
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