「笑えて、考えさせられる」ブラック・クランズマン yukarinさんの映画レビュー(感想・評価)
笑えて、考えさせられる
予告編の通り、笑えるシーンもたくさんある
しかし、潜入捜査であるがゆえの、手に汗握るシーンもある
何より、これが実話であるという重さ
少し昔の出来事と認識して観ているこちらに突きつけられるラスト
それは、オープニングを思い出させ、「これ」は、ずっと昔から過去を通り、今なお続く出来事、日々起きている出来事であるという、避けがたい現実を目の前に置いていくことになる
黒人と白人、ユダヤ人だけではない
私たちアジア人も、一歩欧米に出れば差別される対象
一度でも海外で生活したことのある人なら、それを肌身に感じたことがあると思う
だからこそ、これは対岸の火事ではない
主人公であるロンは、黒人だが、本作に出てくる他の黒人たちのような主義主張に一線を画しているようにすら見える
黒人のロンに代わり、潜入捜査するフリップは、ユダヤ人であることに特にこだわりがないように見える
でも、ロンには、黒人としての誇りがあり、フリップは潜入捜査を通じて、自分のアイデンティティと向き合うことになる
観ているこちらも、「自分のアイデンティティ、そして、肌の色、目の色、言葉、文化の違い、あなたはこれらとどう向き合うか」と問われ続けているように感じる
ラストの言葉、心に突き刺さって忘れられない
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