「ストレートに訴えかけてくる」ブラック・クランズマン andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)
ストレートに訴えかけてくる
冒頭から「風と共に去りぬ」が出てきて、アレック・ボールドウィンが(しょっちゅう噛みながら)出てきて初っ端からスパイスの効き方がすごい。そしてあの「國民の創生」である。風刺というより豪速球ストレートアピールだ。
物語は実話を基にしているが、大変テンポがよく、エンタテインメントとしても良質だが、なにより強烈でかつ(恐ろしいことに)「自然な」差別がストレートに心にくる。
主人公の黒人刑事ロンだけでなく、相棒のフリップもユダヤ人であり、あんな感じで相手にしてたら相当心にきそう...と思ってしまう。それだけKKKがエグい。そして「アメリカ・ファースト」という台詞に含意を感じてしまう。
KKKの入会式で上映される「國民の創生」と対比して語られる話の残酷さ...歪んだ正義の恐ろしさを存分に見せつけられる。
そして最後はめでたしめでたしの予定調和で終わることなく、現在も続く「差別」を実映像で容赦なく突きつける。他人事にするなよ、という強いメッセージを感じた。
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