イメージの本のレビュー・感想・評価
全31件中、21~31件目を表示
難しく考えず眺める感じがベストかも
難解というに相応しい作品だったけれども、題名のごとくイメージだけで構成されているような映画なので小難しいことを頭で考えず、見て何かを漠然と感じればいいと思えば、意外と伝わってくるかも。相当長く感じるだろうと覚悟していたけれど、案外すぐに終わってしまったという印象。途中きっかけとなる架空(?)のストーリーが良かったのかも、と個人的には思っている。 映像も凄くビビッドで個人的には好きだった。白黒映像もその多くが不思議と感傷的に思えて、こんな映画・映像誰にも作れんなーと強く感じた。 とはいえ、ほとんど理解不能!というのが正直なところ。 イメージ、あくまでもイメージの本、そう思ってぼーっと見ればすごくいいかも。 それが時間の無駄かどうか、それは人それぞれ─。
夢を見ていたのかな。
よく眠れると有名なゴダール映画に行ってきた。 . 特に今回はいつも以上に意味不明と聞いていたので快適な睡眠をとるために行ったようなものだったのですが、一個前に見たビル・エヴァンスでジャズの心地よい音と共に寝てしまったので一切寝れず。 . 逆に寝れないのが辛いぐらいに、意味不明な映像と意味不明なおじいちゃんのささやきがひたすら聞こえてくる。 . 寝てないけど、84分間悪夢を見させられたような気分でした。 .
ゴダールのコラージュ
ゴダールらしい言葉と映像と音楽のコラージュ 既視感も満載でゴダールファン向け映像群 感じ取れたこと 国家も人も軍隊も意識が薄弱なので、戦争も革命も法律も資本主義も社会主義もよくダメになる イメージ(=ヴィジョン)は強い、ゆえに重要 ⇒ 俺様最強(でもうまくいかないこともあるかも) 一応章立てにはなっているところに優しさを感じたが、 ・処刑シーンとか、人が死ぬ映像が多く使われていたこと ・シーンの繋ぎが煩雑すぎる などはちょっと不快に感じた
ゴダールの攻撃力
シネフィル、哲学、アート、などなど、頭が良い輩が呻る作品であれば良いさ!? 大手を振ってこれぞ映画!ゴダール万歳と賞賛する人々よ、俺は物語があって主人公やヒロインがいるセンスが爆裂したゴダールの映画が観たい。 ジガ・ヴェルトフから何年、何十年も経った今、偏屈ジジイは変わらずに自分の道を突き進むブレない作品を撮って、ついて行けない自分がソコにいるだけで。 正直、ゴダールより睡魔の方が強敵だったがそんな映画を撮ったゴダール?理解出来ない自分?誰が?何が?強敵だったのだろう!? ゴダールの新作を映画館で観れるのが奇跡みたいなモンで、何だろうと観てしまうのは変わりない。
ビビッドなブルーが鮮烈なまさしくタイトル通りの作品
何ともタイトル通りの作品。個人的には『勝手にしやがれ』、『気狂いピエロ』に続いて3作目のゴダール、フィルモグラフィをシレッと半世紀すっ飛ばしているわけですが、ゴダール本人が語る物事の本質を突いているような的外れのようないかにもヌーヴェルヴァーグ然としたモノローグの背後に蠢くデタラメにトリミングされた映像イメージの数々は作品の好き嫌いを超越した圧倒的な押し付けがましさを伴って大脳になだれ込んでくる感じ。特にヌーヴェルヴァーグに思い入れのない若輩者の私には退屈極まりない90分でしたが、それでも恍惚感はあったりしてなかなか楽しい時間でした。時折放り込まれるビビッドなブルーに猛烈な中毒性あり、今でも脳裏でチカチカしています。
人生と歴史の総まとめコラージュだった。 細部まで意味を持つパーツが...
人生と歴史の総まとめコラージュだった。 細部まで意味を持つパーツが、小さく切り取られ繋げられる。 ゴダールの頭の中を覗いたら難解でした。 「私の20世紀」「ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる」「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」 私的には、最近触れた物の続きでメッセージの様。 拾いきれない細かな意味を知りたくなったが、ソドムの市だけは妙に反応した。
ゴダールのもう一つの集大成
ジャン=リュック・ゴダール!そう、ゴダールの作品を観ないという選択肢はない。 前作「さらば、愛の言葉よ」で自身の映画を集大成した印象が強く、もう撮らないのではないかと思っていたが、重く陰鬱ながらも力強い新作をドロップした。 様々な写真、映像、映画、絵画などの断片を繋ぎ合わせ、戦争、ホロコースト、革命、暴力、貧困、資本主義の横暴、社会主義の迷走など、近代史における悲劇を切り取った。 紡がれた映像も、音も、そしてゴダール自身のナレーションも、とにかく重く陰鬱だが、我々の脳裏に刻むべき傑作。彼の非商業主義映画を集大成した作品とも言えるだろう。 やはり「映画は悲劇である」と言いたくなった。
イメージすること
ゴダールの政治的な社会主義に対する郷愁も内包されているという意見もあるようだが、僕は、もっと単純のように感じる。 多くの戦争が暴力であるように、革命にも不必要な暴力的部分が多くある。 民主的な革命であってもだ。 法が支配する世界にあっても、その法を背景に、或いは、法を権威に見立てた暴力もあるはずだ。 宗教が後ろ盾にある場合も同様だし、環境破壊や、世界に蔓延する貧困や搾取も構造的には暴力であることは間違いない。 また、最近のネット社会の思考のフィルターを通すことのない言葉のやり取りにも、暴力性を感じざるを得ない。 ここに文字として起こしたものは、そんなことは言われるまでもなく分かっていることだと言われそうなことのようにも思える。 しかし、情報が溢れる社会で、僕たちは、暴力による悲劇や、例えば、暴力的な言葉の一人歩き、そして、その拡散の怖さを、本当にイメージ出来ているだろうか。 知識としてインプットしているだけではないだろうか。 最初の「リメイク」のチャプターでは、芸術が戦争を正当化するような喧伝を行なっていたことが想起されるような場面もある。 世の中には完全なものなどない。 だから、省みることや、イメージを膨らませることが大切なのではないか。 そして、イメージを膨らませるためにはアーカイブも重要になるのではないか。 映画も同様だ。 直感も重要なのだが、そこからイメージを膨らませることが出来るか否かで、受け取り方や見方も違ってくる。 「何ひとつのぞみどおりにならなくても、希望は生き続ける」 僕たちの歴史は、断片のようなピースではない。 繋がっているのだ。
夢
五大元素の色彩と言葉とノイズがたゆたいながら、暴力・戦争・不和がコラージュされている。 人の夢を見せられるほど退屈なものはない。こちらの睡魔が襲ってくる。 しかし。ゴダールと同じ時代に生き、不安を共有し、88歳で作る新作をオンタイムで観られるという体験は、後になって振り返ると、ものすごい宝物になることはわかっている。
全31件中、21~31件目を表示