「自分でまいた不条理な種は、自分で刈り取る」ドッグマン regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
自分でまいた不条理な種は、自分で刈り取る
デカくて粗暴な友人(と一応は思っている)にいいように扱われる気弱な主人公を、どうしようもない不条理が襲う。
主人公を演じるマルチェロ・フォンテが、例えるならMr.オクレにアンガールズ田中のエキスを注入したような、実生活でもいじめられまくってきたのではと思えるほど、実にイイ顔している。
ついでに言うと、開始冒頭で出てくる犬も実にイイ顔している。
主人公に降りかかる不幸は、欲に目がくらんだが故の結果でもあるので、そういう意味では自業自得な面もある。
だからこそ彼は、落とし前として自分でまいた種を自分で刈ろうとする。
道は踏み外してしまったかもしれないが、そこで初めて独り立ちするのだ。
それにしても本作といい、先日観たフィンランドの『アンノウン・ソルジャー』といい、ヨーロッパはどうしてもこうも観終わってダウナーな気分にさせてくれる映画づくりが上手いのか…
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