「首輪」ドッグマン Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
首輪
イタリアの田舎町で犬のトリミングサロンを営む男と町の暴君との関係性を描いた話。
娘とは頻繁に会っているけれど嫁娘と離れ、独り暮らしのワンちゃん大好き主人公マルチェロ。
気に入らないことや思い通りにいかないことがあると暴れて奪ったり従わせたりとルール無用の町の嫌われ者シモーネ。
警察に通報して捕まえて貰ったところで直ぐに戻って来るしその後の方が面倒と町の住人達が駆除の相談までする始末。
一方的とも言える友人関係を続けざるを得ない上に、それでも彼を助け様とする主人公が、彼に、周囲に、追い詰められて行く様子が哀れというか不憫というか…。
展開としては二択ぐらいしかないところの一方をそのまま進んで行く感じで意外性は殆どなかった。
しかしながら、ちょこちょこと垣間見える主人公の汚さや人間臭さが無様で、心底主人公を擁護、同情する気持ちになれず哀しい感じもする。
暗く沈む感じではないけれどスッキリせず何ともやり切れない、良い意味でモヤモヤが残る作品だった
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