「そのままかよ~?」ドッグマン Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
そのままかよ~?
この映画の印象を聞かれたとしたなら、稚拙なものにとっては、ただ暗いとしか言いようがなく、また映画の撮影背景も青みがかったものなので余計にそのように感じてしまう。冒頭に「ジョン・ウィック:チャプター2(2017)」でも登場した相棒のピットブル犬の大写しから始まるのだけれども、この犬種、もともとは、闘犬用として生まれて、そのどう猛さからかしれないけれども国によっては、飼うことに制限を設けているところもあるが、そのどう猛さと反比例をするかの如く、忠誠心の塊な性格によって愛犬家もためらわずに飼うこともある。
モキュメンタリー風に作られたと思われるこの映画、主人公を含めて演技をしているのか、日常を淡々と描いているのか、訳の分からないようにシナリオが進んでいくので、この映画に出ている役者さんは素人の方たちかと疑ってしまう自分がいた。しかも主人公以外IMDbで調べてもあまり詳しくは、情報を載せていない。
主人公のマルチェロ、優柔不断さからか、それとも優し過ぎるのか、弱すぎるのか、言えるのは"強いものには巻かれろという"地でいくような性格をしている。しかも目に入れてもいたくない娘のためにコカインの密売で小金を稼いでいる。そんなことで、地元のチンピラのシモーネにいいように扱われることとなる。
Los Angeles Timesの記者は「せいぜい、私たちがマルチェロの目を通して「ドッグマン」として生きることができるとき、映画は人、動物、脅威と優しさ、そして私たちが自分たちのために作ったことに気づかない檻を思い続けることとなる。」またRogerEbert.comという映画専門サイトは、「厳しいメッセージにもかかわらず、悪魔との取引をしようとする、その優しい心根に同情すらしてしまう。」と述べている。この映画監督の映画作りのためか、対比する両者の関係が壊れた時、その人がとる行動は、計り知れなくなると言いたいように個人的には感じる。
娘に最後の願いをかなえたマルチェロ。しかし誰からも信頼を失い、誰一人として、彼の言葉に耳を貸さなくなった時に最後に行動を起こすのだが.....!?
批評家からと視聴者からも高い支持を受けているこの作品、イタリア映画が現在でも健在なのがよくわかるものになっている。