劇場公開日 2019年2月22日

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「荒唐無稽に徹し切った痛快作品」翔んで埼玉 みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5荒唐無稽に徹し切った痛快作品

2022年3月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

エンターテイメント作品の醍醐味に溢れた傑作である。面白い!と鑑賞中何度も心の中で叫んでしまった。リアルであることを潔く捨て去り、作り物、荒唐無稽な設定に徹し切った作風が痛快である。スピード感あふれるストーリー展開と、出演者達の真剣な演技が奏功して、画面から、絶えず、熱気、パワーが伝わってきて、我々観客の楽点を刺激し続ける。極上のエンターテイメント作品として存分に堪能できる。

本作は架空の物語。埼玉県民は、東京都民から冷遇され続けていた。通行手形無しには出入国ができなかった。名門高校の生徒会長・壇之浦百美(二階堂ふみ)は、埼玉県民である転校生・麻美麗(GACKT)に出会い、惹かれていく。そして、二人は、様々な障壁を乗り越えて、埼玉県の差別を撤廃するために闘っていく・・・。

通行手形など、時代劇の設定が多く、様々な勢力が群雄割拠して、抗争を繰り広げる姿をテンポ良く描いていくので、迫力があり、戦国時代劇、幕末時代劇を観ているような感覚になる。

人を笑わせたり、楽しい気分にさせるのは容易ではない。中途半端な芝居では、観客の心は動かない。喜劇作品では喜劇俳優は決して笑わない。真剣な演技する。その演技が観客の笑いを誘う。本作も同様である。緻密な脚本と、出演者達の真剣な演技が観客の楽点を刺激する。

何と言っても、GACKTと二階堂ふみの役への成り切り度が並外れている。憑依しているといっても良い程だ。現実離れした設定にも関わらず、演技に迷いが一切ない。しっかりと役を掴み切っているので、作品全体が引き締まっている。

本作は、観客を楽しませようとする作り手側の熱気、パワーを強く感じる作品である。リアリズムを重視した最近の作品とは正反対の、フィクションへの強い拘りが感じられる作品である。荒唐無稽でも作り物でも構わない。観客を楽しませるのがエンターテイメント作品の原点であることを強く主張している作品である。

みかずき
everglazeさんのコメント
2022年3月25日

はじめまして😊共感ありがとうございました。

「喜劇作品では喜劇俳優は決して笑わない」
確かにそうですね!

everglaze
はなもさんのコメント
2022年3月22日

笑いって大切ですよね。

はなも