「こちらは、生きたいのに生きられない若者の話」愛唄 約束のナクヒト bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
こちらは、生きたいのに生きられない若者の話
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結論を先に言うと「好き」な映画。
話は陳腐と言って良いと思う。古典的な「短命悲恋もの」です。オトナの方々にとっては、これまでの人生で、定期的に、何度も見たり読んだりして来た類のお話。短命ものの文法に沿って、「最期にこれやりたい」と「残される者への感動的なメッセージ」がクライマックスの構成要素で、そこから一歩たりとも踏み出しません。
変わってたのはラストです。「残されし者」のはずの龍也までもが「余命」を生きている模様。なぜ龍也が、透にあれほどまでに興味を持ち、かまい、友達になろうとしたのかの種明かしですが、感動というより、ちょっとブラック。というか、ここまで来ると「仕組み過ぎ」だと思う。
オジサン的には、本編ストーりーには驚きも、新鮮な感動も、何にもありませんが、いくつかの場面に、少しだけ泣かされた。予告でも流れる「制服自転車二人乗り」のシーンは、そういうことだったのか、と涙が滲み。屋上を駆ける少女の想いに胸を締め付けられ。「愛唄」に、また涙。実は、地味にかなり良かった。清原果耶の芝居も思いのほか良くって、決定的に良かったのは撮影だったと思います。
「めんたいピリリ」の上映時間に間に合わず、代替えで見たのですが、シアター貸切を人生初体験。若者よ、「12人」も良いけど、こっちにも来いよ、って言いたい。
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