「忘れてはいけない過去がある」ピータールー マンチェスターの悲劇 しげぴいさんの映画レビュー(感想・評価)
忘れてはいけない過去がある
イギリスの暗黒歴史
マンチェスターで生まれ育った
マイク・リー監督も知らなかったとか。
民主政治なのに民意が届かない
そのやるせなさをデモにぶつける人々
現状の苦境をなんとかしたくて
言われるがままピクニック気分で
デモに参加する労働者たち
英雄に多額の褒賞金を支払うのに
庶民の困窮には見て見ぬふりをする政府
俯瞰した視点で群像劇を見渡していく。
政治に民意がしっかり反映されているか
投票率の低さは何を意味しているか
我々個々に考えるきっかけとなる一本。
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2019.8.10 TOHOシネマズシャンテにて1回目
大好きな「プライドと偏見」と同時代の英国
底辺層の大いなる苦難があってこそ
片田舎の中流家族の恋愛沙汰が
成り立っていることを痛感する。
黒煙を吐き出す煙突に煤けた町中
当時の人びとの生活を
圧倒的なリアリティを以て再現
不満をぶちまけつつも
暮らしの向上を諦めかけている庶民を
言葉で鼓舞する活動家たちが勇ましい。
市民を顧みない権力の不気味さ
いつの世でもどこの地域でも
その可能性の種はいくらでもある。
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