ジュディ 虹の彼方にのレビュー・感想・評価
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ハリウッドの禊ぎ映画。今、語られるべき人物
主演女優賞も納得!
聴く者の心を揺さぶる圧巻のステージ。
魂の歌に涙が止まりませんでした。
なぜこんなにも歌姫には不幸が似合うのか。
マリア・カラスにしても、エディット・ピアフにしても、美空ひばりにしても。
何千人もの愛を一身に受けながら、一つの愛が得られないなんて、まるで悪魔と取引したとしか思えない。
愛する喜び、失う悲しみ。
皮肉にも、彼女の人生そのものが魂の叫びとなって、更に彼女の歌を研ぎ澄ましていき、聴く者を熱狂させる。
昔から実在のアーティストの生涯を描く映画には秀作が多いですが、最近の『ボヘミアン・ラプソディ』『ロケットマン』も素晴らしかった。
それぞれ語られるテーマは違いますが、みんな愛を渇望し、孤独感に苛まれている。
彼らを苦しめるショウビズ界の落とし穴はあまりにも似ていて、もはや愛をくれる理解者が現れるとフラグにしか思えない程ですww
でも、その中で『ジュディ』と他の2作との違いは、子供の頃に悪魔に出会ってしまったところ。
国道の十字路ではなく、児童虐待がはびこる黄色のレンガ道で。
アカデミー賞前夜祭イベントに参加したのですが、有村昆さん、伊藤さとりさん、藤井ペイジさんから貴重なお話が聞けて感動しました。
ジュディ・ガーランドは、ハリウッドが見つけ、ハリウッドが育て、ハリウッドが殺した才能。
公式サイトにも書かれてあるように、ドラッグやハラスメントにまみれた古いハリウッドの犠牲者に他ならない。
『スタア誕生』の演技にオスカーを渡さなかったハリウッドが、彼女の魂を蘇らせたレネー・ゼルウィガーにオスカーを渡す事で天国のジュディの才能を認めて名誉を挽回し、自らも罪を認めて新しいハリウッドに生まれ変わる誓いを立てた。
LGBTパレードのレインボーフラッグもジュディに関連していたと知り、まさに今の時代に語られるべき人物、観るべき映画だと感じました。
そんな期待値MAXで鑑賞したにも関わらず、期待を超える感動でした!!
ジュディが乗り移ったかのようなレネーの演技には説得力があり、普通の幸せを求めつつも現実世界には居場所が無く、ステージ上でしか生きられない女優の性が圧巻でした。
何もかも無くし、身も心もボロボロになっても、体がステップを覚えていることが哀れでなりません。
スポットライトを浴びている時にだけ観客から注がれる愛。
そのひとときだけでもジュディは愛で満たされていたと思いたい。
ジュディの経験、そこから世界に届く希望の歌。
作品、音楽共に良かったです
ANA機内で日本での上映開始に先立ち観ました。ジュディガーランドについてほとんど知識がありませんでしたが、彼女の魅力が伝わってくる作品でした。主演はもちろん、それ以外の脇役陣の演技も素晴らしいですし、バックバンドをバックに歌う音楽のレベルも素晴らしか良かったです。最近のアーティスト実話者の中では秀逸な出来だと思います。
平凡な幸せ
圧巻の「虹の彼方に」☆
子役時代から業界で生きてきたジュディは、エンタメという檻の中に閉じ込められた鳥のように見えた。そこでしか生きられない彼女にとってステージは天国であり地獄でもあり、「ここではないどこか」を思い描きながら歌う「虹の彼方に」の歌詞がこんなに切なく聴こえたことはない。。人は「希望」を頼りに1歩1歩前へ進み、その過程こそが素晴らしいと。。
ステージに立つジュディは孤独で、常に歌や愛情や才能を誰かに与え続けることでのみ自分が愛される価値があるように感じていたのかもだけど、歌えなかった彼女を救った「歌声」は、彼女が愛された証。
「ジュディ・ガーランド」という一人の往年俳優の生涯だけでなく、レネー・ゼルウィガーの人生をも垣間見れた気がした。
レニーが素晴らしい。
「エディット・ピアフ 愛の讃歌」(2007年)でマリオン・コティヤールがオスカー。実在の歌手の伝記としては最低ノミネートはゲットできるジャンル。ミュージカル「シカゴ」(2003年)で歌唱の実績もあるレニー・ゼルウィガーが、歌唱も含めジュディ・ガーランドの晩年を演じるという<美味しい役どころ>を見事にこなして、オスカー候補。力演なのは認めざるをえない。お笑いコンビのローレル&ハーディの晩年を描いた「僕たちのラストステージ」(2018年)も良作だったが、共通しているのは渡英。ハリウッドの大スターだったアーティストが落ちぶれると<英国興行=ドサ回り>するという印象が強いことだ。そういうものなのかな。
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