ジュディ 虹の彼方にのレビュー・感想・評価
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繰り返されるスターの生き辛さ
一人の大スターの晩年の数日間のステージの様子を
実話と脚色を織り交ぜて綴られた本作。
実生活ではアル中でボロボロの舞台裏から
毎夜毎夜どんな思いで舞台に立っていたか〜
舞台に立つことの恐ろしさや苦しさ
、
それでも一度喝采を浴びた者の性(さが)と言うのか
観客が喜んでくれる姿に自分の存在意義を見出して
さらなる
勇気を貰ってまた舞台に立つ。
エンターテインメントという夢の裏側で
どんなに酷い、セクハラ、パワハラ、
マインドコントロールが行われてきたのか
あまりあからさまには描かれていないけれど
それによって人生が狂ってしまった
一人の女性の最後の輝きの姿に
自然と泣けてきてしまいました。
さすがにアカデミー主演女優賞!!
ワンカットで魅せる歌声が素晴らしい!
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
ジュディー・ガーランドがどれほどのスターであったか
私も含めて多分、今の50代以下の人には解りにくいので
アカデミー主演女優賞を取らなければ
埋もれてしまったかもしれない作品。
私は「午前10時の映画祭」で「オズの魔法使い」や
「ザッツ・エンターテインメント」を観てるので
大スターのジュディー・ガーランドを記憶していて、
あの晴れやかな笑顔を作るために
どんな思いをしていたのか?
この映画の中でも、厳しい食事制限や
疲れて動けないのに無理やり当時の覚せい剤を飲まされて
働かされ、その副作用で眠れなくなると
睡眠薬を飲まされるという酷いシーンがあります。
あまりの生活に耐えかねてたまに反抗的な態度をとると
当時のプロデューサーに、セクハラまがいの
マインドコントーロールで服従させられる〜
そうして心身ともにボロボロに壊されたジュディーを
ハリウッドは「役立たず」として使い捨ててしまった。
ライムスター宇多丸さんが自身の映画批評の中で
主演のレニー・ゼルウィガーの演技が素晴らしいのは
言うまでもないけれど
、アカデミー会員の中には
主演女優賞を贈った気持ちの片隅に
当時のジュディー・ガーランドへの
ハリウッドの仕打ちの贖罪の思いもあったかも〜〜?
と言っておられました。
なんか解るわ〜〜。
「ボヘミアン・ラブソディー」や
「ロケットマン」のレビューでも書きましたが
スターになるのも大変だけど
スターで生きて行くのはもっと辛い〜
私ら平凡な者たちに
大きな楽しみと希望を与えてくれる全てのスターたちへ
限りない感謝と愛を贈ります。
@お勧めの鑑賞方法は?
こんな時節ですが、できれば音響の良い映画館で是非!!
「マリア・カラス思い浮かぶ」
今年30本目。
お客さんが2人だけでした。こんないい映画なのに。1週目の興業成績は8位と健闘しています。
こんな過酷な状況で生きていた人がいたとは。
ジュディ・ガーランドより前の歌手と言うと、20世紀最高のソプラノ歌手とまで言われたマリア・カラスが思い浮かびます。彼女との共通点は喉の不調による公演放棄です。
マリア・カラスは1958年1月2日、ローマ歌劇場が行ったペッリーニ「ノルマ」で病気の為、2幕5場からなるオペラの第一幕だけで出演を放棄してしまった。それだけ歌う事が過酷だと言う事。自分の体調もあったと思う。
しかし歌手が命を懸けて歌っているから人々が歌に惹きつけられるのである。魂の叫びが正にそれである。自分が歌手と比べて何が出来るか分からないが、命を懸けてやりたい事もあります。
感動した。
ライザミネリの活躍は見ずに亡くなったのか。
ジュディ・ガーランド=「オズの魔法使い」のドロシーという美しいイメージしか持たない者にとって、かなりインパクトのある映画だった。「オズ」以降の活躍を知らないので、ロンドンの公演で歌ったのが、彼女の持ち歌なのかも分からなかった。しかしその圧倒的な歌いっぷりからは、彼女がショーの世界で懸命に生き抜いてきたことを実感させた。短いロンドン公演の時間で少女時代と現在をオーバーラップさせて、現在の彼女の辛さみたいなものをクローズアップさせていたのは非常に効果的だった。それがなければ、ただの破滅的な中年女になってしまう。少女時代はその才能に吸い寄せられた大人たちにすべて管理されて精神のバランスを失ってしまった。それ以降の人生は、その時失った愛や喜びを必死に追いかけたんじゃないかと想像できた。結婚離婚や薬物依存による入退院の繰り返しは、そんな彼女のあがきに思えてくる。アメリカのショービジネスの世界から干されていた彼女が、子供達と一緒に暮らしていくために、熱心なファンの多いロンドンへ子供と離れて稼ぎに行くという設定も泣ける。
思い通りにいかない事が多かったが、最後にステージでファンと共感しあえたことで、ジュディの人生もそんなに悪くなかったと思える。辛い場面が多いが、ゲイカップルのジュディ大好き感やロンドンでの女マネージャーの厳しい優しさが救いになっている作品でした。
歌、歌唱力で感動させられた
期待以上!
ブリジットジョーンズの日記をこよなく愛する者として、最近は整形をいじられたり、劣化画像が出回ったり、レネーがすっかり大人になっちゃったのを寂しく思ってました。役作りでかなり増量したのは何年前?
今回のジュディ役にあたり、年中チキンスープでダイエットさせられ、薬漬けにされて一日中働いてきた、華奢でヨタヨタしたカンジをしっかり表現していた女優魂。
いや、どのハリウッド女優も増量・減量くらいチャチャっとこなすでしょうが、レネーはちょっとおちょぼ口で悪態つく気の強いスター役、見事にハマってました。
ボラブ、ロケットマンなど、最近はスターの半生を描いた映画は割と感情移入できましたが、生まれる前のスターはそこまで刺さるかなと思ってました。
…甘かったwww
途中、何度も涙が出ました。うまくいかない結婚生活、子どもたちとの別れ、観客への悪態、ファンの家で美味しそうじゃないオムレツをご馳走になるところ…もちろん、ロンドン最後のショーが素晴らしかった。
子役は成功しないとよく言われるけど、ここまでの才能、歌唱力、スター性があってわがままでない方が難しいだろう。色んな誘惑から自分を守るために、プライドを保つために、必死で戦ってきたに違いない。
ロザリン役の女優さんも、上品なイラつき方が素敵だった。散々振り回されてるのに、結局ジュディはロザリンの手の平で転がされてたような気がするw。
過去に起きた悲しい出来事
ハリウッド黄金期にニュージカルスターとして活躍したジュディ・ガーランドが亡くなる半年前に行ったロンドン公演時を伝記的にドラマ化した映画。
レネー・ゼルヴィガーがGGとオスカーを取りながら、あまり乗り気がしなかったのは、多少なりともジュディ・ガーランドに起きたことと、早死にをしたことを知っていたからだ。オズの魔法使いも知った後に見てしまって、楽しいのに悲しくなったので、本作も多分そうなるだろうな、と思いなかなか行く気が起きなかったが、サービス料金の日で時間もよかったので見てきた。
簡潔にいうと素晴らしかった。賞をとるとはこういうことだな、という感じでレネー・ゼルヴィガーが私もフテッジしか見たことないジュディ・ガーランドらしい喋りと歌を歌っていた。彼女をスターダムに押し上げた歌は薬漬けでほぼねれない日々を過ごしていても健在で、喉がカラカラでも素晴らしい。
でも同時に悲しい。彼女をスターにしたスターシステムも悲しいし、そのことが彼女に重くのしかかっているのが悲しい。まだエンターテイナーとして活躍できる歳なのに、それらのことで彼女が折られるのを見るのが悲しかった。
胸が苦しくなる
この人生
ホントに知らなかった、あの歌を歌っていた人の、この人生を。
だから、始めは生き方や、子供のことについて、全く共感出来なくて。
子供と暮らしたいなら、生活を安定させなくてはダメで、ホームレス状態で負債を抱えて、子供と暮らしたい、はないだろうって。
子供たちを本当に愛してるなら、そういう環境を自分が今作れないなら、元夫に託すのが、結果的には子供のためになると思えないかなって。
でも、観ていくうちに、そんなこと、彼女は、よく分かってるんだろうと。
まともな子供時代のなかった彼女自身こそ、誰よりそれを望んでいたはずで、でも、それを提供出来ないことへの苛立ち。
今なら確実に麻薬扱いで常習性のあるNGな薬を、子供の頃から服用し続けていた彼女。
心身ともに壊されてきたように思えた。
業界から離れたいと思ったとしても、それしかしてこなかった彼女にそれはとても難しくて。
プロ意識が足りないとすら思える仕事の仕方も、もうそのすべてが、彼女の混沌とした心身と、葛藤のさなかにあるようにしか見えてこない。
ラストは、とても胸を打たれるシーンで、思わず目頭が熱くなった。
その時、脳裏に浮かんだのは、私たちはジュディを「消費」し続けただけなのではないだろうかという考え。
歌を聴きたくて、その歌を絶賛し、でも、壊れかけた彼女の人生が表面に出て来ると批判する。
ステージでの瞬間瞬間の客席との化学反応は胸を打つし、彼女もそれに支えられてステージに立ち続けたのだろうけれど、それだけを与えて、あとはただひたすら消費しただけ。
そんな考えが頭をよぎった。
ロンドンのステージから、僅か半年後に彼女は他界する。
睡眠薬の過剰摂取によるもので、自殺なのかも分からないそうだ。
子供の頃から眠れなかった彼女
何度も自殺未遂を繰り返した彼女
その真実は彼女にしかわからない
もうどうでもよくなってしまったのかもしれないし、眠れるならなんでもよかったのかもしれない
でも、でも、もし、もしも、ただ、本当に、ただただ眠りたかっただけだったとしたら
あまりにも切ない
ジュディ・ガーランドについて知っていることはほぼ0。なので映画に入...
ジュディ・ガーランドについて知っていることはほぼ0。なので映画に入り込めるのかなぁとちょっと心配でしたけど、レネー・ゼルウィガーの歌声と、まばたき忘れたの?と思わせるほどの圧倒的な“目”に魅せられましたし、作品としても見応えあって、付けていたマスクが涙で浸ってしまうくらい号泣させられあっという間の2時間でした。
ジュディがこれほどまでにボロボロの状態になって苦しみながらステージに立っていたとは思いもよらず、辛くて、悲しくて、、
劇中では、錠剤の中身が何とは言って無かったですが、「元気になれるけど、眠れなくなる」といったらアレしか無いじゃないですか。そんなモノを若い頃から飲まされていたら……。
それでもステージに立つジュディは素晴らしかった。朦朧とした状態はハラハラさせられたのに、ひとたび彼女が歌い出せばステージを観に来たお客さんを一気に虜にしてしまう。もちろん僕も虜になりました。
彼女の事を知らないのでどこまで事実に沿った内容なのかわからないんですが、悲しい私生活のなかにも幸せな時間があって、その演出がとても良かったなぁ。
コアなファンのカップルとの出会い、
マネージャーとバックバンドのピアノマンからのお祝い🎆そしてルームサービス♡
ミッキーとの時間は、子を持つ母でありながら、一人の女性としての幸せなを噛み締めているのがよく伝わってきて、、ジュディめっちゃ乙女だったし。
ミッキー、あごの主張の強いイケメンだなあと思ってたら、ララランドのフラれちゃった彼でしたw
レネーはとにかく凄かった。
目の表情も口元の表情も細かな表情も、全てが完璧。レネーの面影はどこにも無かったですからね。
そして歌唱力!
エンドロールの曲のタイトル全てにレネーの名前があって、あの素晴らしい歌唱力の全てが彼女のパフォーマンスだったと驚愕。
オスカー獲得は必然でしたね。
静かなエンドロールは、
ジュディを偲びながら再び涙でマスクを濡らしました。
JUDY
歌の素晴らしさと、光と影と
自分らしく生きる!
ジュディは幼い頃から好きなこともできず、寝る暇もなく大人の金儲けのために働かさせられて、好きなものを食べることも制限され、友達や恋人もできない、そんな厳しい現実から逃げようとお酒や薬に走ってしまう姿が描かれていたが、私は初めそんなに辛いなら他に好きなことを見つけてそれで稼げばいいやん!って思っていたけれど、現実はそんなにうまくいかず、辛くてもやはりジュディには歌うことしかないし、歌うことはが楽しいんだということがすごくリアルに描かれていました。
私には分からないような芸能界ではジュディはこんなにも厳しく、孤独な人生を歩んでいたんだと初めて知りました。
ラストのロンドン公演のシーンにすごく感動しました。
ずっと一人で孤独に生きてきたジュディと観客との心が繋がるシーンにグッときました😭
また、子供たちと一緒に暮らすために働いてきたけれど、その目的がなくなると働く気力を失ってしまうシーンでも泣けました。
一つひとつの歌や、ストーリーも素晴らしかったです!
でも、個人的に幼少期の話をもう少し見たかったなって感じがしました。
なにより、レネーゼルウィガーの疲れているけれど頑張って生きていくような演技がすごくぴったりでした!!
自分らしく生きていいんだ!って思えるような映画でした!
こういう、仕事のストレスによる死亡や暴飲暴食、拒食、薬物などに走ってしまうことは昔よりは少なくなっていても、今でも起きているということに変わりはない…
私はこの映画を見て、自分の好きなことをしてもその人を尊重でき、ストレスのないような世の中になればいいなと強く思いました‼️
ジュディを知るか知らないかが鍵となる
泣いてしまいました。
切なくて温かくて、でもやっぱり悲しい…
虚構の世界しか知らない主人公ジュディ。
そこで彼女は苦しんできた。
だから我が子にはそんな苦労はさせたくない。
でも彼女が輝ける場所はやはり虚構の世界しかなく、皮肉にも舞台の上の彼女は天才なのだ。
そして、彼女は舞台の上ですべてを奪われていく。
家族も、愛する人も、名声も、心も、身体も…。
ラストシーン。
友人や、古くからのファンにステージで温かく迎えられるジュディ。
魂の救済…の様に見えるこの場も、それは一時の慰めでしかない。
素晴らしいパフォーマンスである程に、虚しさが悲痛ですらある。
私は最後の「虹の彼方に」しか曲を知らなかったのは残念。
ただ、歌詞を見るとこの歌は「虹の彼方に幸せがある」という単純に前向きな歌ではない。
「ここには幸せなんてない」「どうして私には手に入らないの?」という嘆きの歌であることを考えるにつけ、最後まで物語の悲しさがより強烈に伝わってくる。
レネー・ぜルウィガーはもちろん、脇を固める役者陣も見事。
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