「光と影を見た悲劇の歌姫」ジュディ 虹の彼方に Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
光と影を見た悲劇の歌姫
メンズデーに何かということで鑑賞
まあここのところフォーマット化しつつある
伝記ものという感じでイメージしていました
感想は
悲劇的な話ながら
レニー・ゼルヴィガーの歌唱力演技力に
ただただ圧倒される完成度でした
オズの魔法使いで世界的に有名な子役となった
ジュディ・ガーランド
その栄光の裏には映画会社に徹底管理された世界で
薬物まで用いられて人前でのパフォーマンスを要求され
精神を壊すものでした
当時はダイエット薬と称して子役にアンフェタミンを
平気で投与されていたそうです
ジュディは夢の国を飛んでいたのではなく
本当に「飛んで」いたんですね
その後ジュディは活躍しますが精神的に不安定に
なって出演やステージを拒絶したりドタキャンを繰り返し
次第に干され借金まみれになっていき
家庭も結婚離婚を繰り返し
拠り所の子供たちも親権争いに発展と泥沼化
酒と睡眠薬に溺れ私生活はズタズタ
映画はほぼ最後のステージとなったロンドン公演を
中心に回想をまじえながら進んでいきます
相変わらずステージに上がれば最高のパフォーマンスを
見せるジュディですが私生活の影響が顕著に現れ
上手くいかなくなってきたりしますがそこで出会う
様々な人に支えられていきます
ジュディは大人になってからおかしくなったのではなく
前述の通り2歳からクスリを盛ってでも無理やり
ステージに上がっていたのですからもう壊れていたわけですが
当時認められていなかった同性愛などには全く寛容だった
そうで今でもゲイカルチャーの象徴的存在
だったそうです
クライマックスで歌う「虹の彼方に」は途中で歌えなくなって
合唱に支えられて立ち直るシーンなどは感動しました
そうやって感動を与えてきた存在だったからなのでしょうね
こうしたシーンを含めレニー・ゼルウィガーの演技は
本当に乗り移ったかのようでした
アカデミー賞ノミネートもわかります
こうした伝記的作品
また作られていくのでしょうが
日本のヤツも見たいかなと思いました