「エンド・オブ・ザ・レインボー」ジュディ 虹の彼方に kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
エンド・オブ・ザ・レインボー
『オズの魔法使』はいまだに好きな映画だし、ここから抜け出せないでいる自分。その映画の主役であるジュディ・ガーランドの最後のライブを中心に、薬物中毒、不眠症などの苦悩を描いた作品なのです。
ハリウッドの契約により太っちゃいけないという過酷な少女時代。18時間も労働させられ、ピザもハンバーガーも食っちゃダメ!といったところも描かれていた。完全にハリウッドの黒歴史ではあったけど、結果、薬物依存になってしまったジュディ。娘のライザ・ミネリが「母を殺したのはハリウッドだ」と言わしめたほどだったのだ。演ずるレネー・ゼルウィガーは『ブリジット・ジョーンズ』で6キロ増量したり、元に戻したり、筋肉つけたりと、映画によってかなり肉体改造をこなしてきている女優なのだ。
ジュディはゴールデングローブ賞やグラミー賞を獲得しているが、ノミネートはされるもののオスカー像は手にしていない(しかし、皮肉なことに『スタア誕生』の物語の中ではしっかり手にしている)。理由として、作品中にも描かれる遅刻癖や出勤拒否などがあるらしいけど、その奔放さも彼女の魅力の一つだと思う。ちなみにライザ・ミネリも薬物中毒やアルコール依存でトラブルも多いが、彼女はアカデミー賞主演女優賞を獲得している。またブロードウェイの『シカゴ』に出演しているが、レネー・ゼルウィガーが映画『シカゴ』に出演していることも何かの“縁”なのだろう。
ジュディについては華やかな部分だけしか知らなかったし、薬物中毒の経緯やケーキを食べられない事実なんてのも初めて知った。2歳の時からステージに上がって、ステージと撮影スタジオの中で育ったジュディ。結婚、離婚、そして親権のために奮闘する姿。すべてが愛おしい存在へと昇華するのもレネーが演じてくれたおかげなのだろう。
なんだかんだ言っても、この映画ではジュディとゲイ・カップルとのエピソードが最もいいシーンであり、感動のラストでもジュディの代わりに歌い始めたのはこの二人だった。LGBTにも理解を示し、権利パレードで使われるレインボー・フラッグも「オーバー・ザ・レインボー」から着想を得たとされている。こうして色々後世に影響を与え続けるなんて、ジュディはやっぱり永遠のスタアなんだなぁ~
ギターを抱いた渡り鳥kossy さん。
映画のライブ良かったですねー🎵
この1年、コロナ景気でギターの売れ行きは過去最高だったそうです。
松本には輸入の問屋や製造元があるので僕も毎日ギブソンやモーリスをトラックで名古屋方面に大量(!)発送でした。
コメントありがとうございます。
kossyさんのレビューも私の目標の一つです。
的確な視点、多彩なジャンル、羨ましい限りの新作鑑賞の数、それから自分には出来ない音楽への豊富な知識。
レビュー本数もとてもとても追い付けませんが、これからも特に参考させて頂きます(^^)
kossyさんへ
観客が歌う場面って、鳥肌モンになりますね!
"歌えない"と俯いて崩れ落ちそうになるジュディに、観客が歌を返すと言う、この映画。何か格別なものがありました!
こちらはお客さん10人ほど?でしたが、大きい劇場でしたので、周りは誰もおらずプライベート空間でジュディを堪能しました。私はジュディをよく知りませんが、特徴的な話し方や口の形、歌唱力もさることながら、二の腕や膝のたるみ、目尻のシワなど、今まさにレニーがジュディを演じるときだったんだなぁと思っていました。