ゴールデン・リバーのレビュー・感想・評価
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気持ちの落ち着く場所
米大陸のフロンティアが西海岸に達し、新たに太平洋にフロンティアを求め、アメリカが本格的に海洋進出を始める少し前ぐらいに、トラウマを抱えた兄弟が、安住の地に辿り着くまでの物語だ。
昔観た真昼の決闘や、シェーン、荒野の七人などと違って、勧善懲悪感や、派手さ・・・というよりカッコよさは全くない。ただ、大陸横断鉄道が完成する前でさえ、ゴールドラッシュに沸くサンフランシスコは、これほど発展していたのかと驚かされるし、そんななか、旧態然とした感じのシスターズ兄弟が見せるお互いの、更に、モリスやワームとの心の交流、葛藤、そして微妙な気持ちの変化などがよく表現されていて、人間物語としての面白さを感じさせる。
迫る追っ手を振り払いながら、シスターズ兄弟は最後に母のもとに戻るが、片腕をなくしたチャーリーに母親が、何か無くなっているみたいだけど・・・と投げかける言葉に、何があってもおかしくない時代、生きていて良かったという親の子に対する優しさを感じる。
また、ベッドに横たわるイーライの穏やかな表情には、どんな時代にあっても、人には変わらないものがあると感じて何かほっとさせられる。
現代の争いを後押しするよな発言が飛び交う世の中にあって、こんな時代でも…、そして、こうしたトラウマを抱えた兄弟でも、穏やかな生活を求めるのだとのメッセージも含まれているような気がした。
個人的には、リバー・フェニックスの弟のホアキン・フェニックスの演技が、ジョン・ライリーの演技を際立たせていて、さすがという感じ。
平凡ないい映画
タイトル
ミステリーではなく、人間ドラマです。
本作品、ミステリーと言う事でしたが、ミステリーではなく、人間ドラマ、ロードムービー、西部劇と言うった所でしょうか、で、本作品のタイトル「ゴールデン・リバー」ですが、見終わって「あ、そう言う事か」と言う事で、邦題を感じる事が出来ますが、元々原作通り、「THE SISTERS BROTHERS」で良かったのではないのかな・・・・原作のタイトルのように、シスターズ兄弟のお話です。
評判が良かったので、見に行きましたが、出ている役者さんは十分に良かったものの、お話の内容と言うか、淡々と話が進むだけなので、俺的には、少しのりきれずに終わったかな・・・・・
後半から見応えは出てきますが、もう少しテンポがいいか、もう少しギュッとお話をしめてくれると良かったかもね。
しかし、シスターズ兄弟の人間模様と言うか、兄弟愛や家族愛などが結構色強く出来ていて、何度も考えさせられたな・・・・
歯磨き粉の粉で歯を磨くシーンなどは、何とも懐かしく感じました。
しかし、シスターズ兄弟は、本当に腕利きで、こういうのって、なんで、権力者の言う事なんできくのかな・・・・あれだけの腕なら自分達で牛耳る事も出来そうな感じだけど・・・・
しかし、俺だったら邦題ですが、「THE SISTERS BROTHERS ゴールドラッシュの悲劇」とか、そう言うタイトルで行きたいですね。
確かに、「ゴールデン・リバー」なんですが・・・・
殺し屋兄弟のロードムービー?
それほど前情報があったわけではないが、金を探すっていう本筋に入るまでがかなり長かった。
そして、金を探す準備段階になったら、ちょっと楽しそうで、親密になっていく4人。なんかこんな話なの?そして起こるトラブル。さらなる追手も来たりして。でも最後は兄弟愛とか家族愛の話なんかい!ピンとこなかったなー。
正直ところどころ眠気に勝てなかった。なのでちゃんとした評価とはなっていないかもしれない。
味わい深いラストが好き
どうなんだろうなぁと思いつつもジェイク・ギレンホールが出演しているので、これは見ておく作品と勝手に位置づけて鑑賞。
予告編からサスペンスフルな要素を持った西部劇と読み取るのだけれど、クチコミではアレレ?なんか様子が違うぞ、ということで「アクションではなく兄弟のロードムービー」と切り替えて臨みました。
そのおかげか、それなりにガンアクションも見せてくれるし、ドラマとして、アクションとして、またちょっぴりコミカルでと、なかなかに堪能できました。音楽の使い方も好みです。
ギレンホールがいつもと様子の違う普通の役というところが拍子抜けだったけど、主演の兄弟を演じたジョン・C・ライリーとホアキン・フェニックスの、噛み合わせの妙を楽しめる演技がとても良い。これは期待を大きく上回るところ。
いろいろなことを考えさせられる内容ではあるけど、味わいのあるラストは本当に良かった。ゆっくりと魂を休ませてねと、ちょっぴりウルウル。
"化学式"
ホアキン・フェニックスとジェイク・ギレンホールを差し置いて主役に躍り出たジョン・C・ライリーのイメージは名脇役で良い意味での小物感、そんな彼に主演が務まるのか、そもそも主人公はジョン・C・ライリーありきで製作は進んでいたらしい。
鈍臭いのは見た目だけではなく行動を含めて頼りない雰囲気を醸し出しながらも、とにかく頗る強くて頼れる男でもあり兄としての威厳と優しさが。
クセのある脇役から主演の兄弟二人を食った演技に期待したジェイク・ギレンホールだが、さすがにジョン・C・ライリーとホアキン・フェニックスの存在感に敵わないのは仕方が無い。
付かず離れずなシスターズ兄弟の真逆過ぎる性格から繰り広げられる兄弟喧嘩が楽しくもあり、悲劇的な大惨事が起こりながらも映画自体は陽気な方向性を崩さない、ハリウッドで西部劇のジャンルをコメディ映画としても捉えられる作品として、監督のジャック・オーディアールが初めて尽を成功に導いた。
2019/07/11
TOHOシネマズ シャンテにて鑑賞。
2022/04/19
U-NEXTにて再鑑賞。
邦題に問題あり
邦題と予告が違うよね
男の可愛げと家族の絆
ここのレビューなどで、ステレオタイプな西部劇やクライムサスペンスを期待してると肩透かしになるという予備知識は得ていたんだけど、それでも消化不良に終わってしまったなぁ…。
多分、教訓とか深いテーマ性を求めて見ない方がいいんだろう。
男達の、人生、夢、ロマン、格好よさ、可愛らしさ、少年性…などに、家族の物語と胎内回帰的な救いを絡めた、男の賛歌的な感じ。
そういう男達のキャッキャしてるの嫌いじゃない筈なのに、イマイチ萌えきれなかったのは、多分登場人物に思い入れできなかったから。
まず序盤暫く、キャラクターの把握ができなかった。兄弟のどちらが兄で弟なのかも解らなかったし、髭で判別していたらチャーリーとモリスがこんがらかる。まあこれは単純に私の判別力のなさが悪い。
ようやく2チームの立ち位置を把握した所で、モリスが唐突かつ性急にウォームに寝返る。この二人、後に相当親密な愛情を抱いていたような台詞もあるが、何があっていつの間にそんなに距離を縮めたのか?いまいち納得がいかない。原作には書いてあるのだろうか…。
対して、シスターズ兄弟の、タイプの差異や、父親との確執、愛情と煩わしさが入り交じる複雑な心情は丁寧に描かれている。が、盗みと暴力、男臭さに満ちた世界。理解はできるが、感情移入は私には余りできなかった。
四人が合流すると、各々パートナーをずらした交流が描かれる。粗野で疑い深いチャーリーとインテリで理想家のモリス、人たらしなウォームと情の深いイーライ。四人の関係やバランスに変化が起こり、いよいよ面白い展開に…?と思った途端に、2名脱落。
もとより兄弟中心の物語なのかも知れないが、モリスとウォームのキャラクターについては、オイシイ要素も多く垣間見えていただけに、惜しい!そこもうちょっと掻き込んでくれれば…、としか。まあ、アッサリ加減がフランス映画らしいと言えばらしい。
欲が破滅を招き、追い詰められ、息を殺すうな逃避行。これは良かった。根元を絶たねば未来はないと、決死の思いで立ち向かう兄弟。と、何のラッキーか、おもむろに黒幕は消え、追手も消える。
…え、これは何の寓意?それとも笑い所なの?…と、完全に置いてきぼりを食らってキョトン。
そしてあのラスト。傷つき疲れた男達の帰る所は母の胸、本当に欲していたのは家庭での安息だった、という事でしょうか?それはそれでいいんだけど、兄弟に感情移入できてないから、はぁ、そうですか、まあ良かったね…としか思えず。
結局、私のツボとはずれていた、という事でしょうね。そういえばヤクザ物とかも苦手なんだ私…。
いかにも西部劇的な、正義の味方が悪を打つ構図にせず、人間らしい欲や弱さ、人生の迷いや理想にグラグラ揺れるリアルな人物像を描いている所はいい。
それを演じる豪華俳優陣の演技力や魅力も充分だった。ただ、俳優が誰かよりも、役所や物語に注視して見てしまう癖があるので、正直後で調べるまで、そんな有名所が揃っていたとは知らなかった。
暗いトーンで写される荒野の風景、野外や西部の街のシチュエーションも楽しめた。雰囲気とビジュアルはきらいじゃない。
完全に兄弟もの
このタイトルで西部劇っつったらゴールドラッシュドンパチものかと漠然と思ってたら、いや確かにドンパチはあるが兄弟ものであった。と思って原題を眺めるとそのままズバリ”The Sisters Brothers”じゃねえか!これだから邦題は...。
なんだか殺し屋には向いてなさそうなお兄ちゃんジョン・C・ライリー(でも凄腕)と破滅まっしぐら感の強いキレ気味の弟ホアキン・フェニックス(当然凄腕)が、ゴールドラッシュの鍵を握る化学者リズ・アーメッドと明らかに良いひとそう過ぎる連絡係ジェイク・ギレンホールを追っかけるのだが、この二組の対照性が面白い。いざこざだらけの兄弟(酔っ払いの弟と虫を食っちゃう兄)と、何やら知的ユートピア感満載のふたり。
やがて二組は邂逅して図らずも...みたいな展開なわけだが、ここからの展開がびっくりだ。というか流石に唐突展開過ぎてびっくりした。いや前半にいやに時間かけてるなあとは思ったが、リズ・アーメッドとジェイク・ギレンホールはあれで良いのか...?もっと描き込んでもよかったのでは...?という気持ちに少しなった。
しかししかし、これはやはり兄弟の物語。何があっても結局弟を捨てることなく引っ張る「兄」ジョン・C・ライリーに皆惚れるのでは。歯ブラシ買っちゃったりとか(ジェイク・ギレンホールと歯磨き鉢合わせするシーンは微笑んでしまった)、ショール大事に持ってたりとか、馬に対する態度とか。でも凄腕というね...。お兄ちゃん大勝利なのでは...。
そしてこの結末。びっくりするほど呆気ないといえば呆気なかったが...なるほどこれはあの兄弟にはありなのかもしれないな...とも。本当に前半の割に後半がすごくすっ飛んでるんですよ。黄金の話だと思っていくと「違うな...?」ってなるので気をつけましょう。かえすがえすも邦題...。
西部劇っぽくない
ゴールド・ラッシュに沸く1851年のオレゴンで、殺し屋の兄弟が主人公のサスペンスっていったら、どんないかにも西部劇な銃撃戦映画かと思いきや!
足を洗いたい兄と、粗暴で戦うしか能のない弟が、どう生きていくかっていう悩みに苦しむ話とは思わず。
原題どおり、「シスターズ兄弟」の方がしっくりくる内容でした。
「黄金の川」はなんだか的外れ。
「不条理な暴力・権力と戦う」という意味ではウェスタンですが、定型の「インディアンや無法者と戦うドンパチ」な西部劇ではない感じ。
渋い名優4人の、奇妙な友情と破滅の姿が、かっこよかった。
あと、蜘蛛かわいいよ、蜘蛛。
「シスターズ家の兄弟」
邦題を考えた方は映画を観たのでしょうかね
愛すべきシスターズブラザーズ
豪華俳優の共演で楽しみにしていた作品。
想像していた内容とは違ってた。
まぁあの予告とキャッチコピーからするとみんな想像しちゃいますよね、あんなことこんなこと。
でも想像とはちょっと違ってたけど面白い!
ジョンCライリー演じるイーライとホアキンフェニックス演じるチャーリーのシスターズ兄弟。
この兄弟のやり取りがとにかく面白い。
二人の真逆な性格が災いして次から次へと事が起きる。
けれど、なんだかんだ言ってもやはり兄弟は兄弟なんですよね~。
ブラザー愛が随所に滲み出てるんすわ。
この愛すべきキャラの兄弟二人が、提督と呼ばれる人物の指事である事を行動に移す。(この提督の顔に見覚えがあるに、名前を思い出せず、エンドロールのキャスト名を観てハッ!となりました)
方や、
ジェイクギレンホール演ずるモリスとリズアーメッド 演ずるワーム。
シスターズ兄弟とは、これまた全く違うキャラ。
モリスとワームはお互いに牽制しあうものの……。
モリスとワームの二人の関係性も面白い。
舞台は1850年代のオレゴン州なんですが、この作品の面白さは舞台がどんどん移動してゆく所にもあるかな。
そして舞台が変わる度にシスターズ兄弟の面白可笑しいやり取りが始まるんですね。
そして西部の時代なので移動手段は馬。この馬がね……。
この作品の原題は『TheSistersBrothers/シスターズブラザーズ』です。
邦題と予告の内容は一旦横に置いて、原題のイメージで観ていただくのがこの作品の面白さを感じられるんじゃないかなぁと思います。
そしてキャスト陣。
どのキャストも西部時代に生まれたんじゃないかと思うほどお見事。特に「メイフィールド」のキャラが凄い!なんだあの風格w.
リアリティのある西部劇
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