ゴールデン・リバーのレビュー・感想・評価
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ジョン・C・ライリー ファンなら是非。
一言「この邦題、違う・・・」。
第75回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞したサスペンス。
実は個人的に、ベネチアで賞を獲った作品って合わないんだよなあ・・・の予感的中。
△いまいちな点△
・原題は「ザ・シスターズ・ブラザーズ」。
シスターズ兄弟の、オレゴン↔️サンフランシスコ道中の話で。
確かに砂金が採れる川の場面はあるんですけどね。ピンとこない。
・最初の40分、兄弟&物書き&わからん兄ちゃんの四人が、一体何をしたいのか。
退屈ではないけど、「???」状態。
兄弟のロードムービーってわかり始めたのが、後半以降(120分作品)。
◎よかった点◎
・PG12で「げっ」なシーンもあるけど、コミカルな個所もあり。
W座では「ブルース・ブラザーズっぽい」とも。
・何より兄役のジョン・C・ライリーが、メイン張ってるっていうのが。
ファンとしてたまりません。脇を固める役が多いですから。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「お前と俺で、シスターズ兄弟だ」
シスターズ・ブラザーズ
やり手の殺し屋兄弟(ジョン・C・ライリーとホアキン・フェニックス)がボスの提督から、化学者を殺すように頼まれる。
先発していた連絡係(ジェイク・ギレンホール)はこの化学者と意気投合していた。
この化学者の発明は、ある薬品を使って黄金を簡単に見分けるというもの。
さてミッションは達成できるのか。
登場人物が語る人生論が面白く、なるほどと肯いてしまった。
兄ちゃんは弟を守る
兄ちゃんは弟を守る。
弟はやんちゃする、兄ちゃんに守られながら。
やんちゃが過ぎた。
でも、恨まないんだ、というか恨む余裕もなく、起きたことを受け入れて死んでいく2人。
弟は2人の死でやっと改心した。
兄ちゃん、やっと、俺が父親を殺してれば、の後悔から救われた。
シスターズブラザーズ。
兄弟愛。
ホアキンのやんちゃぶりが地なのか!?って感じ。
邦題に惑わされてしまった
原題は「シスターズブラザーズ」なので、
初めから主軸はそこだと知った上で見た方が楽しい映画になったろうなあと思いました。
気づくの遅かった…。
兄弟の夢の話と西部劇。
シスターズブラザーズ
手に入れた物より失った物が大き過ぎて、
この後の兄弟の精神面が心配になる。
ゴールドラッシュの話だと思って見てたら、
そうじゃなくて兄弟の救済の話であり、
追いかけっこの話。
それに気付くのが遅過ぎた。
男4人が合流してから面白くなって来たと思ったら
銃撃戦での共闘、共同作業からの弟のやらかしからの
急に訪れた惨劇でたまげた。
弟にとっては、今までで一番悲惨な殺人。
ここで兄弟の話だったんだと気付きました。
提督に会いに行くところなんかは、
ここから銃撃戦が始まるのかと思ったら
呆気ない幕切れでガッカリしたけど、
あの時兄弟は死を覚悟してたはずで、
その後のラストを考えると、
本当に手に入れたい物を手に入れる時は
それくらいの覚悟と犠牲を払わないとダメなんだぞ
と言う教訓のような映画だったなと思います。
どんでん返される快感
「シスターズブラザーズ」こいつぁ~傑作だネ( ´_ゝ`)🎵
公開時あっという間に終映し見逃した作品。名優の競演に惹かれてインフルエンザの寝床からズルズル這い出てオンデマンド観賞。
のっけからグイグイ誘い込まれ、伏線を仕掛けながらロードムービーとしてテンポ良く展開。予想を次々と裏切って話は深まって行きます。四人の男たちへのシンパシーが一気に高まった瞬間、クライマックスに雪崩れ込みますが、またしても予想を激しく裏切りながらラストへ馬の背にしがみつきながら駈け抜けてゆきます。病をおしても観て良かった😉
ふしぎと愛おしいキャラクターたち
噂のゴリバを履修した。
ゴールデンリバー、上映終了後はそこまでじゃなかったんだけど徐々にメンタルにダメージを与えてきよる…
河のシーンすごくあっけなくて、そのあっけなさが逆に苦しくて今めっちゃつらい
ジョンモリス、モリスって聞くとウィリアムなんだけどモリス、顔がいい………育ちが良さそう………
あとハーマンがなんだかちょっとミステリアスなのにすごく純粋な感じで眼が綺麗で、だから……だから……うわーーーーーーーー!
あと見た後にホアキンフェニックスだったって気づいた。おまっ、おまえーーー!!!ジョーカーのときと別人じゃねーか!!!!え、ホアキンフェニックス最高か…?
シスターズ兄の役者さん、シカゴの旦那役の人だったのもあとから気付いた。みんな言ってるけど歯磨きのシーンとかかわいすぎるよね。ホテルではしゃくシーンとかね。人をばんばん殺してるのにね。こういう矛盾してるような人間の愛おしさを描けるのすごくない?
あんまり西部劇っぽくなかった。みんな言ってるようにロードムービーだなって感じた。
この映画すきなひとと話したいなと思った。
けっこうよかった
弟が殴ったのに「酔って忘れた」とすっとぼけていたので、殴ると「オレは平手だった」ととぼけていたのがバレるところなど面白い。馬をすごくかわいがって、死ぬのを悲しむ。シスター兄弟という、姉妹か兄弟かごちゃごちゃする。
金が光る薬品が怖い。情弱が欲に目がくらむと大変だ。
提督を殺しに行くと死んでいて、だったらもう刺客も来ないわけで、行く必要もなかった。運命について考えてしまう。
実はウェスタン映画❗面白い❗
星🌟🌟🌟🌟予告編は金のゴールドラッシュに纏わる話のようですが…実は主人公シスター兄弟のウェスタン物語でした❗でも最初から最後までテンポよいストーリー展開でラストまでスクリーンから眼が離せませんでした❗特に男性は好きなストーリーだと思います❗良い作品でした❗
少し肩透かしされた気分…
もう少しハードボイルドな感じを予想していたのに、ジョン・C・ライリーは、シュガーラッシュのラルフっぽさが見えて、微妙にほのぼのしてしまった。原作にあたって、気持ちの補完をしてみる予定。
映像は素晴らしい!オープニングの暗闇での銃撃戦は極めてクールなのに、ラストは柔らかな風まで感じさせる繊細さ。そしてアメリカの荒野の美しいこと! ブロークバックマウンテンもそうだけど、アメリカの大自然は、アメリカ人ではない人の方が、その残酷な美しさを撮影できるのかも。
ゴールドラッシュの恩恵と弊害。
【メモ】
「黄金狂時代」オマージュですかね。
思えば米国は、ゴールドラッシュを期に移民が増え、
栄えたんでしたね。
子供の頃の小さなベッドに寝ころび微笑む、
そこに収まりきらない大人の自分。
ラスト、色々と含んでるんでしょうね。
濃密な兄弟愛…
以前映画館で手にしたチラシに、
サスペンスウエスタン?へえ面白そうと
何も予備知識なしで鑑賞しました。
捉え方は様々だと思います。
確かに舞台は、ゴールドラッシュに湧く
アメリカ西部の荒くれ者の話かもしれない
けれど、わたしなら、ウエスタン
ヒューマン映画と題したいと思いました。
アメリカ人が作るどんぱちウエスタンでは
なく、フランス人監督が撮った濃密な
人間ドラマでした。
4人の男性の人生、心のひだが重なり
そして交差する、素晴らしい作品だと思います。
最後のシーンでは、人それぞれ
全く違う生き方、考え方だけれど、
愛を求めることは皆一緒なんだわと
感じました。
ほんわか?
今回はヒゲ薄めホアキン。ジョンととホアキンのどっちが兄貴なのか混乱してしまった。普通に考えたらジョンなのだが、積極的に行動するけどやらかすホアキン、凄腕だがあまり積極的でないジョン。そういう性格付けなのに…ということか。
お話としてはちょっとスカされた感じ。あの2人ともっと絡んでも良かったような気がするが。
役者もキャラも曲者だらけ
フレンチウエスタンな作品。始まるまでは知らなかったのだけれど、冒頭で気が付き、その後は「ふむふむなるほど」な展開。王道からマカロニまで、西部劇は大好きですが、そのなかでも記憶に残したい出会いでございました。
フレンチ視点だからこその、そっと端々に差し込まれる移民大国描写や食事を大事にしている感じに、フランス映画っぽいドライな死生観等々、埃っぽくて脂臭い世界に気持ち良くはまっていた気がします。
そして何よりもルドガー・ハウアー。コレが遺作なのかな…? 「むむむ!?」となった先のエンドロールで、本編とは関係なく、ぐっと来てしまいました。貴方の存在感に今一度の追悼を込めて。
夢と欲望に違いなんて無い
物語の舞台は1850年代の「西海岸地域」です。この頃って「インディアン絶滅政策」の真っただ中。オレゴン、サンフランシスコから更に南に下れば、鬼畜スペインとの領土争い、と言うか、原住民殺戮合戦なんかが繰り広げられている「血と殺戮」の時代です。カルフォルニアではゴールドラッシュが起き、共和党誕生の前夜。つまりは南北戦争前。ある意味「近代化の始点」でもあるわけで。日本の歴史に例えると「幕末」なんかなぁ、あくまでも概念的には。「最後の西部劇の時代」って言う時期。
※補足: 対インディアンものは終焉近し。マカロニウエスタンは、まだまだ続きます。
もうね、野蛮。と言うか、西部劇。Sistersが使っていた銃は、パーカッション式前裝リボルバーのコルトM1848(ドラグーン)を、コンバージョン化(メタルカートリッジ仕様に改造)したものと思われますが、バンバン火花が飛び散ります。Sisters兄弟はマフィア子飼いの殺し屋。武器も最新なんですね。
誰かの「夢」は、第三者から見れば「ただの欲望」かも知れない。高尚だから「夢」、下世話で卑しいから「欲望」。んな単純な話であるはずもなく。各々が欲望、あるいは夢を抱いて集まった4人の男ども。それが共有できれば「夢」だと言える。「欲望」も「夢」も人を変える。「欲望」は人を醜く。「夢」は美しく、っていうか、そんな美しくも無いけれど。夢はチャーリーを変えますが、残っていた欲望で、全ては水泡に帰す。悲しい。
とに角、役者さんが好き。ジョン・C・ライリーなんて、この前見たのは「肥満のコメディアン」。ホアキン・フェニックスはドント・ウォーリーにビューティフル・デイ。ギレンホールはスパイダーマンの悪役。リス・アーメッドはヴェノムのマッドサイエンティスト。すごいです、皆様方の振れ幅。四人が四人とも素晴らしく良かった。
旅する西部劇。山越え。お馬さんの背に揺られての二人旅。銃を握りながらの野宿。揺れる草原を馬で進む。もう、これだけでも十分。映画としては、描写が足りなかったり、もっとドンパチにドラマティックさが欲しかったりするけれど、「旅する西部劇」シーンが良かったので嬉しい。さすがに、風景は「北アメリカ」ですよね?
美しい西部劇
原題「The Sisters Brother」が冒頭から画面を覆って不可視に徹している表現からすると、邦題の「ゴールデン・リバー」タイトルは相関性がいささか気になる。しかし、これはこれで視点としては良いのかも知らないと思うのは、それが映画終盤で薬品の反応によって川の中が輝き彼らの求めていた黄金が可視化するからである。つまり、この映画において彼ら、父権的な暴力の影響化から人生を取りこぼした者たちがユートピアへの到着を意味し、「ゴールデン・リバー」として可視化することによってカタルシスに達するからである。
しかし、その黄金によって事故は起きるのだけれど、それは逆説的に黄金と暴力との倒錯的な魅力によって位置付けられ、彼らもあらかじめ用意されていたように運命に従うことしか許されない。父権的な呪いが血縁として、その彼らの体に血が流れているのだから。
この映画において二番目に魅力的なショットは兄が歯を磨く身振りの清潔さにある。そして幸い命をとりとめた兄弟は当然のこととして母の元え家に帰る。清潔さが主題のこの映画で、一番素晴らしいショットがようやく弟に訪れる。それは母の入れる湯に入った弟の入浴である。このショットで、ようやくこの映画は彼らを暴力から解放して己の時間を始めることを許す。
イーライズ・カミング
邦題が全然違うので、上映が始まるまで「シスターズ・ブラザーズ」の映画化だとはちっとも知らなかった。2013年に原作の邦訳が出て、そこそこ話題になったのに、何故わざわざたいして訴求力のないタイトルに変えるのだろうか。
熊に食われる馬や蜘蛛を食うイーライなど、フロンティアスピリッツと言えば聞こえはいいが、とにかく過酷だ。金を光らせるという謎の化学物質は環境汚染の極みだし、銃で撃たれるよりはるかにむごたらしい死にざまだ。
追記:ルトガー・ハウアーに合掌。
土と血と汗にまみれた古き良き映画
シスターズ兄弟が最高。性格も見た目も全然似てないのに、心根で物凄くお互いを大事に思って通じ合ってる。そんな二人の欲望と夢と安らぎを求める旅路をたっぷり味わえる、これぞ映画という感じの作品でした。
最初から最後までとことん男臭くて泥だらけで、良かったです。
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