劇場公開日 2019年7月5日

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「変わるものと変わらないもの、変えるもの」ゴールデン・リバー うむぼんずさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0変わるものと変わらないもの、変えるもの

2020年6月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

WOWOWにて。
テーマは「欲の無情さ、普遍なものの尊さ」かな。

登場人物が皆 欲に目が眩み自分の立場を変え、欲をかいて破滅的な結果となる。富、名声、アルコール、性欲…。
欲に身を委ねるのは楽だし一時的な達成感や快楽はあるが、その後には自業自得となる。

変わらないものもある。兄弟の絆、家族の愛、生命への敬意、科学や技術発展の歩みなど。それら不変かつ普遍な価値観を賛美しつつ、逆に「人は変われる」ことも示唆している。

視聴後調べてみると小説が原作であるらしく、実にアメリカ的な教訓に満ちたストーリーだなと納得した。

皆さん言っているように邦題は『ザ・シスターズ・ブラザーズ』でよかったのでは。原題にも『ザ』が付いているので、単にあの兄弟の物語という意味だと思うし、実際にその通りの作品である。

出演者など普段から気にせず映画を観るが、パッと見た目では分からなかったが声でホアキン・フェニックスと分かった。兄弟2人の演技がとても良い。微妙な表情の変化で心情を表している。

カメラワークも独特で今まであまり観たことがないショットもいくつかあり、おもしろかった。

以下、印象的なセリフ。
「誰もが何かに気を取られてる」(サンフランシスコの喧騒の中で)
「我々全員が変わらなければならない」
「どんな贅沢品もこの自由な時間とは変えがたいものがある」
「何か無くしたようだね、後で話そうか」

うむぼんず