「ホームドラマ」ゴールデン・リバー U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
ホームドラマ
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予告で感じたようなサスペンスはない。
ただ、あんな予告じゃなければ、も少し評価は上がったと思う。
荒野を往く兄弟の話。
歯ブラシの習慣もないような野蛮な時代の話なのだけど、悠久な時間に思いを馳せる。
昔も今も、人の営みに必要なモノはあまり変わってないのだなぁと思う。
手段が変わっていってるだけなのだろう。
彼らは殺伐とした荒野を旅し、母がいる実家に帰る。殺し屋稼業なんてしてる荒くれ者なのだけれど、母親の前では子供に戻り、兄であり弟の立位置に戻る。
かなり野蛮なホームドラマで、体裁を整える余裕のない時代背景だから、内面に目が向く感じ。彼らが旅する荒野も、生業も、クモもクマも化学式も、それがもたらす成果も、様々なものに置き換えられる。
今も昔も。
インターネットがあってもなくても。
生きていくのは大変だなあと思う。
その人生を豊かにしてくれるのは友であり、チャレンジであり、その他のものはただの副産物なのだと思える。
兄弟は助け合い、母の元へ帰る。
人類はずっと繰り返してきたんだなぁと。
「大変だなぁ、兄弟。頑張っていこうぜ」と、俺の前で背中を丸めながら階段を上るサラリーマンに、ふと仲間意識を抱いた。
そんな作品だった。
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