劇場公開日 2019年7月5日

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「完全に兄弟もの」ゴールデン・リバー andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0完全に兄弟もの

2019年7月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

このタイトルで西部劇っつったらゴールドラッシュドンパチものかと漠然と思ってたら、いや確かにドンパチはあるが兄弟ものであった。と思って原題を眺めるとそのままズバリ”The Sisters Brothers”じゃねえか!これだから邦題は...。
なんだか殺し屋には向いてなさそうなお兄ちゃんジョン・C・ライリー(でも凄腕)と破滅まっしぐら感の強いキレ気味の弟ホアキン・フェニックス(当然凄腕)が、ゴールドラッシュの鍵を握る化学者リズ・アーメッドと明らかに良いひとそう過ぎる連絡係ジェイク・ギレンホールを追っかけるのだが、この二組の対照性が面白い。いざこざだらけの兄弟(酔っ払いの弟と虫を食っちゃう兄)と、何やら知的ユートピア感満載のふたり。
やがて二組は邂逅して図らずも...みたいな展開なわけだが、ここからの展開がびっくりだ。というか流石に唐突展開過ぎてびっくりした。いや前半にいやに時間かけてるなあとは思ったが、リズ・アーメッドとジェイク・ギレンホールはあれで良いのか...?もっと描き込んでもよかったのでは...?という気持ちに少しなった。
しかししかし、これはやはり兄弟の物語。何があっても結局弟を捨てることなく引っ張る「兄」ジョン・C・ライリーに皆惚れるのでは。歯ブラシ買っちゃったりとか(ジェイク・ギレンホールと歯磨き鉢合わせするシーンは微笑んでしまった)、ショール大事に持ってたりとか、馬に対する態度とか。でも凄腕というね...。お兄ちゃん大勝利なのでは...。
そしてこの結末。びっくりするほど呆気ないといえば呆気なかったが...なるほどこれはあの兄弟にはありなのかもしれないな...とも。本当に前半の割に後半がすごくすっ飛んでるんですよ。黄金の話だと思っていくと「違うな...?」ってなるので気をつけましょう。かえすがえすも邦題...。

andhyphen