「嘆きの母」サスペリア いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
嘆きの母
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初めから最後迄一体なんの内容なのか全く理解出来ない超難解な作品であった。それはそもそものオリジナル作品を未鑑賞だというのも原因であろう。しかし本作はそもそもオリジナルを“換骨奪胎”しているとの触込みなので、これもまたオリジナリティの強い内容であることは初見でも充分感じ取れる。
多分、余りにも複数の要素を詰め込みすぎた帰来は感じられる。魔女、東西冷戦、ナチス、ユダヤ人虐殺、赤軍派ハイジャック、キリスト教、そして舞踏と、女性だけの世界。それを粒子の粗いマットな映像ルックで撮られており、緊張と緩和を繰り返しながら精神とオカルトへ強引に持って行かれる。
と、どこかで聴いたような感想はここまで。本音を言えば、難解作品極まれり、といった印象だ。説明や経緯は最小限度なので全く不親切であり、そもそも主役が誰なのかもよく分らない。そもそも最初に出演していた女性が誰なのかも、中盤以降やっと理解出来る。一人三役やってる女優もいるのも調べて初めて分ったことだし、クレジットエンド後のカットも、意味深さを充分醸し出させるのが、意図が分らない。
今作品で一番ホラーなのは、何と言っても人体の可動部があらぬ方向へ曲がり、へし折られ、その生々しい骨折と、皮膚の変色であろうことは間違いない。あれこそがトラウマを引き起こすシーンであろうことは疑う余地もない。ストーリー展開そのものよりも、“闇”を表現することに拘った挑戦的な作品である。
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