劇場公開日 2019年1月25日

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「安易なリメイクが氾濫する現状への警告か?」サスペリア MPさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5安易なリメイクが氾濫する現状への警告か?

2019年1月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

興奮

ダリオ・アルジェントの「サスペリア」は強烈な色彩と全編を通して繰り返されるエレクトリカル・サウンドに翻弄される体験だった。いったい何が怖いのか分からないのに、視覚と聴覚だけは常に刺激されているような。しかし、同じイタリア人であるルカ・グァダニーノは、先人がチョイスした色彩の度合いをあえて抑え、物語の舞台に準じたジャーマン・ロックの周波数が低いサウンドをバックで流しながら、ある意味、明確な恐怖の実体に向けて演出の舵を切る。でも、これを単に恐怖映画と呼ぶのには抵抗がある。何しろ、本作でグァダニーノは、アルジェント版には登場しなかった、前衛バレエ、それに伴う肉体表現、ナチスの影を引きずる登場人物、露出度の高い舞台衣装、等々、ディテールや構成要素にこだわることで、かつて見たこともないほどえぐく、ムーティで、カタルシスに溢れる映画的世界へと観客を誘ってくれるのだ。多くのレビューが指摘しているのように、そんな大胆な改ざんにこそ、アルジェントに対するグァダニーノのリスペクトと、オリジナルを単純になぞることへと強い抵抗を感じる。彼の勇気ある選択は、安易なリメイクが氾濫する現状への警告ともとれるのだ。

清藤秀人
Sophia Kuriyamaさんのコメント
2019年2月24日

子供から

Sophia Kuriyama
グレシャムの法則さんのコメント
2019年1月27日

マッドマックス怒りのデスロード
ディパーテッド
美女と野獣(アニメから実写)
キャリー
IT
マグニフィセント・セブン
トゥルー・グリット 等々。

個人的にはリメイク版でかなり楽しませていただいてます。安易なリメイク、というより、たまには失敗作もある、旧作ファンからすれば物足りないと思う心理的な傾向、ということだと思います。
プロの方が『氾濫する現状』と断定的に語ると、ミスリードすることになりませんか。リメイクする方もそういった批判を覚悟で作るわけで決して安易な人ばかりでは無いと思うのですが、本当に警告が必要なほど危機的な状況なのでしょうか。

グレシャムの法則