ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男のレビュー・感想・評価
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世界のトップに立つ孤独と重圧
モデルになった当事者たちは決して事実のままだとは認めていないらしいが、それが決してこの映画の面白さを損なったりはしないと思う。というのも、ここで描かれているのは、われわれ常人には窺い知れない、世界のトップクラスでしのぎを削る者たちのメンタリティを描いた普遍性のある物語になっているから。
『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』でもテニスがいかにメンタルを削られるスポーツであるかを描いてい
たが、この映画におけるボルグとマッケンローも、ほとんど狂気の淵まで自分たちを追い込んでいく。
まったくタイプの違うプレイヤーであるはずの2人が、違う道を歩んでいたら同じ頂きに立っていて、どちらが上かを決する勝負をする。なんとも運命的な戦いを、ふたりの心象風景として描いた映像に魅入ってしまった。
シャイア・ラブーフ左利きじゃないのに…
クリス・ヘムズワースとダニエル・ブリュールがF1で対決した「ラッシュ プライドと友情」を思わせる、熱血タイプVSクールガイ、好対照のライバルが名勝負を繰り広げる実録物。ハリウッドはこういう企画が好きだなあ。ただし本作の場合、炎と氷、水と油のように真逆に見える2人が実は似た者同士だったという裏話が妙味になっている。
マッケンロー役のシャイア・ラブーフは私生活での問題児ぶりがよく知られていて、キャスティングとしてはある意味ぴったり。ただ、試合場面は利き腕ではない左手でプレイしているのが明白で、フォームも美しくない。
ボルグ役、スウェーデン出身のスベリル・グドナソンは「ストックホルムでワルツを」でベーシストを演じていた役者。この人の表情、目力がすごくいい。「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」のビル・スカルスガルドといい、最近は北欧出身のイケメン俳優がきてますね。
実は2人は似たもの同士だった!?
今のようにチャレンジシステムがなかった1980年代のテニス界で、ひたすらジャッジにクレームを付け続けた"悪童"、マッケンロー。対するのは、氷のような冷静さでクールなプレイに徹したボルグ。2人の宿命の対決をクライマックスに据えて、各々のそれまでの道程を辿る実録ドラマは、意外にも、2人ともが切れやすい性格だったことを検証することで、対照的だと見られていたライバルたちが、実は根底で繋がっていたことを描いている。よくあることかも知れない。スポーツの世界で頂上に立つ者たちは勝利を勝ち取るために複雑なセルフコントロールを余儀なくされるということは。つまり、マッケンローはぶち切れることで試合に集中し、ボルグは怒りを封印するパワーをショットに注入したのだ。根っこは同じで表現方法が異なった彼らの間に、必然的に友情が芽生えたことは想像に難くない。だって、2人は似たもの同士だったのだから。
主演2人の役作りが素晴らしい。 テニス音痴の私ですら名前だけは知っ...
主演2人の役作りが素晴らしい。
テニス音痴の私ですら名前だけは知っている2人の伝説の対決、なるほど凄い試合だったんですね。少年時代の2人の違いもまた面白かった。
2人の試合後の交歓がグッときますよね。
ただドキュメンタリー的で淡々としていたので、入り込んで感動、とまでは行かず。でも、そこがいいとこでもあるんですよね、難しい(笑)
王者の重圧
ボルグ vs マッケンローのウィンブルドン決勝の世紀の対戦に焦点をあてながら、ふたりの人物像やボルグの人格形成の過程やコーチや妻の存在を掘り下げたとても見応えのある映画でした。
まるでドキュメンタリー映画と間違えてしまうほどの本人が乗り移ったような主演のふたりの演技も素晴らしかったです。
下から追い上げられる王者の重圧っていうのは計り知れないですね。
生まれる前の話だけど、悪童マッケンローの名は知ってる。全部本当のこ...
生まれる前の話だけど、悪童マッケンローの名は知ってる。全部本当のこととは思わないけど、一流の選手はみんなすごいプレッシャーを背負ってるってことをこの作品から感じた。影にこんな孤独な戦いがあるからこそ観衆の感動を得るのよね。
1Q80年真夜中の生中継リターン
懐かしく思い出しながら映画を見た。あの時の感動が甦る。
一番の新鮮さと興味はボルグの息子。ボルグを彷彿させるしぐさを見つけては親戚のおじさんのように喜んだ。
しかし、映画のストーリー、逸話、二人の間柄等、すべては既成の知識の100パーセント内側のものだ。
ファンなら映画以外のもっと沢山の逸話や秘話を知っている。すべては当時のテニス雑誌、スポーツ紙で報道され記事にされ尽くされたものばかり。
それほどにテニスはあの時代は世界的なスーパースター的な存在であり、注目された二人の物語。
知ってることをトレースするような物語の進行は、甦る記憶を辿るための、ただの使いふるされた序曲であっても、そして、まばらな鑑賞者の閑散とした映画館の中にあっても、絶対的なカリスマスターの面影に触れる、十分満足させるものだ。
スポーツ選手って引退後が大変
実在するテニスプレイヤー🎾
ビヨン・ボルグとジョン・マッケンローの実話を描いたお話。
史上最年少で、ウィンブルドン大会優勝、
そして、4連覇を果たしたボルグ。
5連覇を懸けた試合で、ライバルとなるマッケンローと対決する。
その後が気になって調べてみました
ボルグは、26才の若さで現役生活から引退。
なんだかお金の問題であまり上手くいっていない感じでした。
やっぱりプロスポーツプレイヤーは、その後の人生が大事だなと思った。
光と影。
映画では光の部分だけがクローズアップされています✋
日本タイトルの副題はいらないかな
面白かった。
伝説的な1980年のウインブルドン決勝戦。そこに至るまでの2人の男の内側を見せてゆく。マッケンローは様々な事で有名だけど、ビヨン・ボルグがこういう人間だとは知らなかった。その複雑な内面を自ら律しての氷の男だったとは。
劇映画だが実録ドキュメンタリーの気分で見てしまった。作り手側もそう狙ったと思う。
決勝戦の白熱っぷりは手に汗握った。ここではマッケンローの姿に心を打たれたよ。
テニスを知らなくとも楽しめるとは思うけど、知っている方が何倍も楽しめるのは間違いない。スポーツ物好きには激オススメ。
テレビに噛り付いてマッケンローを応援していたんだ。
ボルグとマッケンロー。このウィンブルドンの決勝戦からテニスは変わってしまった。
優雅さは夏の光にかき消されたかのように・・・・
これまでのテニスが良かったなどと言うつもりはさらさらない。
しかし、負ければどん底だと思い込むのは幻想の恐怖だ。
ショットのパワーが勝ちを呼び込むなんて言うのは迷いごとで、柔軟であることのみが勝敗の境界なのだ。筋肉の柔らかさは頭脳の柔軟性へと繋がり、相手のアクションをゼロコンマで読み取り筋肉が反応する。頭で考えていては遅いのだ。
そんな感覚が試合の各シーンに潜んでいた。
2人のことは知らないけれど
予告編をみて、熱血スポーツとかあんまり興味ないしと思ってはいたものの、時間がピタリとはまってしまったので鑑賞。
この試合が事実だなんて、どこまでが脚色なのか。。
対照的なふたりの選手が実はすごく似た者同士で、しかも素晴らしい熱戦を交わして、
試合結果よりもその後のふたりが気になって仕方がなかったので、希望通りのラストシーンがとても温かい気持ちにしてくれた。
ボルグ選手にメインにフォーカスしているが、マッケンロー選手メインにしたらまったく違うストーリーになったんだろうな。
つい彼の心の動きを想像して、見ながら感情が次から次へと変化していた。
本物と瓜二つ!
ボルグ役が外見もフォームも本物と区別付かない。ここまで似せる(特にフォーム)にはかなりの努力が必要だったろう。ボルグも実は切れキャラだったとは意外であった。親友のゲルライティスに比べコナーズがほとんど出てこないのが残念。
自分が生まれるちょっと前の話、、、。
テニスは20年前から夜中のウィンブルドンとかをジーッと見るくらいで、ここ数年の有名な選手は何となくわかるが、ボルグは知らなかった。
マッケンローは聞いたことある程度だったが、試合結果を知らずに見てかなり興奮し面白かった(笑)
タイブレークが導入されたばかりとの事で、もちろんビデオ判定やチャレンジシステムもなく理不尽や偏りのあるジャッジも横行してたのでは?とか勘ぐってしまう。
そんな中でキレるなと言うのも難しいもの。ましてや生活や人生が掛かってるんだから。
また決勝にだけフォーカスしているのも良かった(決勝までのトーナメントはハイライト)
色々なスポーツはメンタルが大きな部分を占めると思うが、テニスも例に漏れず各々の選手はメンタルコントロールにも苦労していると言う側面。寄り添う家族やコーチも共に目標に向かって進む様子にも感動。
試合はやはりカットやワンシーンが多く、少し見にくい所も多かったが、まあそこはプロではないので目をつむりましょう(笑)
しかし演出はワクワクしたりドキドキさせる効果的なナレーションや、テロップが使われており楽しめた。
見る機会が減った気がするシャイア・ラブーフだが、プライベートのイメージが強くマッケンローのキャラがピッタリ(笑)
演技も素晴らしく、ただわめきたてたり、騒ぐだけではなく内に秘めた悲しさであったりが非常に伝わってきた。
テニスの素晴らしいドラマ性が描かれた素晴らしい作品だと思う。
テニスを知らない人もOK。
小学生くらいだったけど、なんとなく覚えています。
特にラケットに八つ当たりや、暴言を吐くマッケンローとかね。
一つのことを極めた人というのは、ずっと努力してきたものを背負ってる。
ふたりの現在と過去が、交互に出てくる箇所がありました。
でもそこはわかりやすかったです。ボルグのジャージにはいつも「BORUG」って書いてあったしw。
「観客なんてクソくらえ!」「今日は誤審の日か⁈」と、プレーがうまく行かないことを八つ当たりするマッケンロー。
対するボルグはいつも冷静に見えるけど。じつはボルグも昔はラケットに当たったりして。
結構皆同じなんだな、と。
それをいかに乗り越えるか。そこの違い。
後半の決勝戦。野球みたいな熱のこもった実況に、その場に自分もいるような感覚。
ルールはなんとなくしか知らないけど、もう食い入るように観てました。
ボルグが休憩中に、マッケンローに言った言葉。
「素晴らしい試合だ、自分のテニスをしろ」。さすが王者の貫禄。
試合の結末は知っていても、その後の二人を知らない方。
「ほー」と納得すること多しでしょう。
これぞ王者のあるべきしがたq
すごい映画でした。両者の子供の回想を始め、テニス界で感じる重圧がめちゃうまく描かれているし、良かった。ボルグの自分への重圧、マッケンローの怒りを抑える、そういうところが男の熱い生き様を感じる
ボルグ、マッケンロー、(コナーズ)は当時のテニス界のスーパーヒーロ...
ボルグ、マッケンロー、(コナーズ)は当時のテニス界のスーパーヒーロー。この映画はありのまま、誇張する事なく彼らの人間像を描いてくれているように思う。歴史に残る名勝負をもう一度観戦したかのようで何故レジェンドとして昇華していったのかを再認識。映画を通してまた新たな感動が生まれた。
トップに立つ重圧
昔からテニスの試合を見るのは好きなので、
当然この二人の選手ことは知っていたが、
ランキングナンバーワンのボルグが五連覇を、
ナンバーツーのマッケンローがが初優勝を狙う、
この伝説の試合のことはよく知らなかった。
繊細なボルグと大胆なマッケンロー。
氷の男と炎の男というイメージは広く知られた二人のパブリック・イメージだが、
少年時代のボルグはすぐにキレる問題児だったし(全く知らなかった!)、マッケンローは有名弁護士の父親に
認められたいという複雑な思いを抱いていた。
(マッケンロー自身もスタンフォード大中退という秀才)
スウェーデン映画なので、どちらかといえば、
ボルグに焦点が当たるのは仕方ないが、強く印象に残るのは、トップに立ち続ける者の孤独と重圧だ。
選手は試合になれば独りだ。
スタンドからのコーチングは禁止されている。
テニスがメンタル・スポーツだという所以だ。
選手の不安や動揺が、ダイレクトに試合内容に直結する。
決勝戦ならではの緊張感をどう集中力に変えることが出来るのか?
決勝戦までは、審判への不満、ラケットへの八つ当たりなど問題児ぶりが目立ったマッケンローが一切不満も言わず、冷静に戦っていたのは、結局、両者が根本のところでは似た者同士だったことの証しだろう。
同じコートで共に戦った者同士でなければ、
共有できないもの。
それを象徴していたのは、ラストの空港のシーンだろう。
現在、ウィンブルドン選手権の真っ只中。
男子は、ジョコビッチ、フェデラー、ナダルの三人がトップに君臨し続けているが、三人とも一時は怪我に苦しみランキングを落とした時期がある。
しかし、三人とも再び、トップレベルに戻ってきた。
当たり前のように思っていたけれども、
この後映画を観ると、この三人(アンディ・マレーも復活に向け奮闘中)のメンタルはとんでもないなとあらためて驚愕する。
去年の全米、今年の全豪とグランドスラム大会を連覇し、トップに上り詰めた大坂なおみ選手が今苦しんでいるのは、プレーの内容よりは、やはりメンタルだろう。
なんとか、この苦境を乗り越え、再び素晴らしい試合を見せて欲しいと思う。
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