「世界のトップに立つ孤独と重圧」ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男 バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
世界のトップに立つ孤独と重圧
モデルになった当事者たちは決して事実のままだとは認めていないらしいが、それが決してこの映画の面白さを損なったりはしないと思う。というのも、ここで描かれているのは、われわれ常人には窺い知れない、世界のトップクラスでしのぎを削る者たちのメンタリティを描いた普遍性のある物語になっているから。
『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』でもテニスがいかにメンタルを削られるスポーツであるかを描いてい
たが、この映画におけるボルグとマッケンローも、ほとんど狂気の淵まで自分たちを追い込んでいく。
まったくタイプの違うプレイヤーであるはずの2人が、違う道を歩んでいたら同じ頂きに立っていて、どちらが上かを決する勝負をする。なんとも運命的な戦いを、ふたりの心象風景として描いた映像に魅入ってしまった。
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