「「サリンジャー」の向こう側への旅」ライ麦畑で出会ったら bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
「サリンジャー」の向こう側への旅
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まず、ディーディーの女神感が最高。いじらしくも活動的で、ちょっぴりエロイ。キスのせがみ方とか震えるくらいに可愛い。気は利くけど、出しゃばらない。母性はある、知性もある、親との関係も良好。染めた金髪もデカパイも要らない、というかDDだって十分大きいでしょ(笑)。この娘、実在感ゼロじゃないかと疑うほどに女神過ぎる。
隠匿生活を送るサリンジャーを訪ねた2回目の面談。彼が「ライ麦畑」を頑なに守ろうとする理由に、ジェイミーは気づいてしまいます。ホールデンはサリンジャー自身。彼が頑ななのは、自分自身を匿っていたいからなのだと。それと、この辺に子供はいるけど「フィービー」が居ない。ジェイミーとディーディーは赤いBeatleでサリンジャーの隠れ家を後にします。ライ麦の脚本を、そこに置き忘れたまま。
ディーディーの存在がジェイミーを学校に復帰させますが、まさにこの二人はホールデンとフィービー。ジェイミーのサリンジャー探しの旅は、恋人と友達を得、兄の死に対する後悔を払拭し、サリンジャーへの共感から更に自らを進化させる旅でした、チャンチャン!
さらっとしてるけど、ふっかーい脚本最高。田舎風景と野暮ったい心象にマッチした70年代カントリー風の音楽最高。主役二人の演技には喝采を送りたい。このサイズ感が大好き。コメディタッチの走り出しから、「アメリカの若者は、70年代の暗黒時代に墜落していくことなく、いかにして機首を上げたのか」、っつーオチに、この時間で持ち込んだセンス。非凡、というか素晴らしい。ほんとに素晴らしい。すごく良かった!
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