劇場公開日 2018年10月27日

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「酷い」ライ麦畑で出会ったら ばつまるさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5酷い

2018年11月22日
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『ライ麦畑で捕まえて』が好きなため観に行きました。
この映画の主人公同様、私もこの小説に感銘を受けた者の1人です。
しかし、この主人公は酷い。
ホールデン・コールフィールドは作中のサリンジャーが語る通り、誰かが演じるものではないし、ましてや誇示するべき対象ではない。
ホールデンとこの主人公の青臭さは根本的に違う。
ホールデンの青臭さは、大人の世界に裸一貫で対峙し、無謀な戦いを挑む所にあるが、主人公の青臭さは、自己満足の為に戦いを挑む若者の一姿の域を出ない。
境遇が似ているなど、級友から酷い扱いを受けている者の受け皿として、この小説があるのではない。
この主人公のやり口は、観ていて痛々しかった。
この小説に感銘を受けたのであれば、演劇という疑似体験の枠ではなく、その人生を現実に引き受ける事が妥当なのではないか。

ばつまる