劇場公開日 2018年10月27日

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「ライ麦畑のキャッチャー」ライ麦畑で出会ったら ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ライ麦畑のキャッチャー

2018年11月1日
iPhoneアプリから投稿

成長するにつれ、受け入れ難い現実や、抗いたくなる不条理が増えてくる。
好むと好まざるに関わらず、たとえ、それが独りよがりであっても、戦ってみたり、逃げ出してみたり。
そんな子供たちがたくさんいて、崖から転げ落ちないように捕まえてくれるのが、ライ麦畑のキャッチャーだ。
「ライ麦畑でつかまえて」を読んで感動した多くの人は、自分自身とホールデンを重ねて見ると思う。サリンジャーもホールデンと自身を重ねていた。そして、ジェイミーも。
しかし、物語が展開するつれ、何かが変化してくる。
そう、ライ麦畑のキャッチャーが、そこかしこに現れる。
舞台化の許可をもらいにサリンジャーに会いに行くジェイミーを助け、見守るディーディー、ひっそり心配する母親、サリンジャーに拒否されても舞台化を勧め、背中を押す先生達、舞台に出演する友人も、実はジェイミーのライ麦畑のキャッチャーなのだ。そして、台本を抱えて再び訪れたジェイミーを迎い入れ、「きっとやると思ってたよ」と言ったサリンジャーもライ麦畑のキャッチャーだ。
大人になる直前の、ほんの短いキラキラした時間を、旅を通じて成長するジェイミーの姿を、アメリカの田舎の美しい風景とともに描いた、大人に是非みてもらいたいオマージュ作品だ。

ワンコ