「彼もまた20世紀の少年だったのだな・・・おあずけ!」追想 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
彼もまた20世紀の少年だったのだな・・・おあずけ!
新婚初夜までずっと「おあずけ」を食らっていたエドワード。初夜まであと僅か。緊張の中に微笑ましさが混在し、追想シーンも含めて序盤はコミカルにも描かれていた。しかし、上手くいかなかった・・・というお話。
オープニングのチェジル・ビーチでのやりとりがロック好きの人間にはぐさりと刺さる。Eで頭痛がしてAで起きて(だったかな?)、B7でどうのこうの。エドワードはどこまで知識があったのか、チャック・ベリーには無茶苦茶詳しい様子だったし、ラジオから流れる「ロール・オーバー・ベートーベン」が絶妙だ。ちなみにフローレンスの言う“トニック(主和音)”は当たってるし、単なるEではない。Aはサブ・ドミナント(下属和音)、B7はドミナント(属和音)。
恋人同士のエピソードや初夜そのもののシーンがメインとはなっているが、個人的にはフローレンスがバイオリンを弾くエニスモア楽団や、1975年のレコードショップ店員となっていたエドワードのシーンが好き。さらにエディの母親が電車のドアにぶつかり脳損傷を患っている部分が心に響くのです。しかも、遠近法について語っているときに電車がそのまま遠近法で描かれてるなんてのは笑っていいのかどうかとも・・・。裸になって絵を描いているなんて悲哀に満ちています。
結婚生活6時間。どんな終わり方やねん!とツッコミを入れたくなった瞬間、その後怒涛のごとく時が流れてエドワード目線での物語。ちっちゃい女の子がレコード店に現れ、ママの誕生日プレゼントにチャック・ベリーのレコードを買った瞬間、涙腺が緩んでくる。あぁ、フローレンスは結婚して子供まで・・・
さらに21世紀になってエニスモア楽団の最終公演のニュース。ここはやっぱりC-9の席を取るだろ!間に合え!というか、しっかり座ってるという速い展開。もしかするとシアーシャ・ローナンってお婆ちゃんメイクが似合ってるんじゃないかと思うくらい。と思いつつも涙ボロボロ。こんなにすれ違いムービーだとは思わせない意外性に感動できました。感動しすぎて忘れてしまったけど、反核運動は一体どうなったんだ?
ちなみにE、A、B7のコード進行でC9をプラスすると、カッコいいブルースになりますよ!どこまで意図したものか知らないけど・・・あぁ、永遠のロック少年で良かった(ロックじじいとも言いますが)。
お返事ありがとうございました、
僕はギターは全くダメで鍵盤派。なのでコードを語るkossy さんに憧れます🖤
運送業の僕、ギブソンのギターは毎日数十本運びます。ここ松本はモーリス他ギターメーカーや問屋がいくつもあります。
公開時に観たので、詳細は忘れてしまったのですが、途中までイライラ(笑)してしまったものの、ラストで劇場全体の空気が、まるでみんなスクリーンに釘付けになったような、心を奪われたような空気になったことをおぼえています。この瞬間のために見に来たんだなと思えました。