「まぎれもなく名作」若おかみは小学生! ch229さんの映画レビュー(感想・評価)
まぎれもなく名作
ネットでやけに評判が良かったのを思い出し、今更ながらAmazonで視聴。
確かにこれは子供だけに見せておくにはもったいない作品でした。
まずこの作品が素晴らしいのは、過剰な演出で盛り上げるような姑息な手段を使っていないこと。
いわゆる感動超大作と呼ばれるものの中には、見ていてちょっと恥ずかしくなるような「演出で強引に泣かせにくる」ようなものが意外と多く、それでかえって気持ちが冷めてしまい、素直に感動できなかったりするものです。
私がひねくれ者だというのは自覚しているので、大勢のピュアなみなさんにとってはそれでいいのかもしれないけれど、ごく一部のワタシのようなへそ曲がりはこっそりと斜め下に視線を逸しながら苦笑いしているわけですね。
そんな私がちゃんと素直に泣けた映画なので、これは間違いなく名作です。
なんか納得いかなかった、よくわからなかった、というレビューもあるので無粋かとは思いますがざっくり解説しましょう。
まず誰もが最初に覚える違和感。両親を事故で亡くしておばあちゃんの旅館に預けられるという衝撃的な展開にも関わらず、落ち込んでいる様子がまるでありません。
これはこのあとの展開で徐々にわかってくる構成になっていますが、あまりにも唐突に訪れた信じられない出来事であるため、事実を受け入れられていないのです。
そして仕事の中に生きがいを見出して取り組んでいく中で、現実を直視できるようになり、クライマックスでようやく感情が爆発し、それを乗り越えていくのですね。
見えなくなってしまうおばけたちは、現実逃避の象徴なのだと思います。
エンディングがほのぼのあっけらかんとした曲なのがまたいいですね。
いまさらAmazonで見たヤツがなにを偉そうにって話ではありますが、ほんと老若男女問わずすべての人が見るべき作品だと思います!