「チャレンジ作品として観てもらう努力を」ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)
チャレンジ作品として観てもらう努力を
短い3作品を集めたCGアニメーション作品。
1話15分ほど。
劇場公開された時、田舎の劇場では夜はやらず午前中早めの上映だった記憶がある。(夏休みだったし。)
幼少向けかい?
順に追ってみよう。
1.カニーニとカニーノ
蟹を擬人化したアニメ。自然界の生きづらさ、食物連鎖、生命の誕生を面白く描いている。画風も綺麗。
だが、あまり声優は語らず、蟹の性質や擬人化したキャラクター特性を親が説明してやらないと子供は?と思うし、面白味が無いかも知れない。また魚はトラウマになるかも知れない。ちょっと惜しい。
2.サムライエッグ
少し懐かしい画風を用いてCGアニメらしさを感じさせない様にしている。食物アレルギー(特に卵)を持つ息子とお母さんのアレルギー葛藤劇。
息子に普通の日常をさせたい親の気持ち、ふと卵アレルギー対象製品に触れてしまう子供の心情が表れている。
しかし、これが観ている幼い子供に伝わるかな?
またまた親が補足説明が必要な映画。
3.透明人間
最初、透明人間設定に?と思ってしまうだろう映画。
周りにいそうな印象の薄い人間、居てもいなくても勘付かれない様な人間を透明人間というユニークな設定で描いている。そんな人間だから、他の人間では気づけない所も気づけるよ的。
これが一番興味深かった。しかし、これも幼い子供向けでは無い。読み取る映画。
3作品ともチャレンジ的な作品である。
印象もバラバラ。
劇場当時は鑑賞料金いくらだったのだろうか?
合計1時間程度。出したとしてもワンコインかなぁ〜。
どれも直感的映画で無い為、幼い子供向けと言うよりは映画・アニメに興味持ち始め「自分でも作ってみたいなぁ」と思う中高生以上向けの作品。
子供の面白味ハードルの高さが分かっている鈴木敏夫と、分かっていない他プロデューサーの差は出ている。
だから、劇場公開当時PR下手と思ってしまう。
やはり、予告でもコンセプト(鑑賞対象、上映時間帯)はしっかり公開前から前面に打ち出して貰いたい作品だった。
観てもらおうとする努力が無い。
(馬鹿な田舎劇場支配人なら、「映画しまじろう」と同じ対象と思ってしまうだろう。)
試みが良いだけに勿体ない。