「誠に申し訳ございません。」パウロ 愛と赦しの物語 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
誠に申し訳ございません。
おもいっきり聖書の世界の物語なので、こんな映画だと思わなかったみたいな、迷える子羊的な人もいないようで、さすがに人気ない。
信仰心など毛ほども持ち合わせていない自分には実にバカバカしい物語だけど、人はなぜ信仰するのか、信仰によってどうなるのか、信仰の対立、なんかに興味があるので中々面白く観ることができた。
愛と赦しの物語が示すように、パウロが赦し赦されることが格になっていて、それを拡散するような内容だったかなと思う。
普通にみれば、パウロの愛と懐の深さ、キリスト教信者の懐の深さ、ひいてはキリストの愛の大きさを感じるのだろうが、自分には、どのように人は落ちていくのかの物語に見えてしまった。
そもそも非暴力を訴えているパウロだが、キリスト教の布教という行為が最大の侵略であり暴力行為となんらかわらないということに気付いてないんだよな。まあ信徒はそう考えてないだろうけどね。
観終わってエンドロール中に妻が「パウロとルカのBLだったな」と言った。
いやいやいや、これ聖書の話よ?何言っちゃってんの?と思ったあたりでエンドロールが終わりDVDのトップ画面になった。
そこに映っていたのは頬を擦りよせるようなルカとパウロのどアップ。なんかもうそれ系にしか見えなくなってしまった。
続けて妻のヤツは、「パウロが閉じ込められてる牢に夜な夜な忍び込んで何してるの?」と追い討ちをかけてきた。
いやいやいや、だからパウロの言葉をね、書き記してるはずなんだよ。多分ね。
あっさり競り負けてしまったので今のキリスト教の同性愛に対するスタンスをちょっと調べてみた中で、聖書関係にそれについての記述はほとんどないことを知った。
しかしそんな中で本作のパウロが記したパウロ書簡では良くないこととして書かれているらしいことも知った。
ふーむ、なるほどね。これはもしかしたら本当にBL物だったのかもしれないなと思った。
というのも、何かを書くときに思い付かないことは当然書けないわけで、だからこそ聖書に同性愛についての記述がない。裏を返せば、それを書けたパウロは自身が同性愛者だったのではないかと疑うに充分な証拠のような気もする。
ベタベタな聖書物を装いつつ、同性愛擁護の拡散を目論んだリベラルの巧妙な作品だったのではないか?同性愛者も天国に行けまーす的なね。だとしたら・・・いや、さすがにないか。
よーし、とりあえず全方位に謝っといたほうが良さそうだ。ごめんなさい。