21世紀の女の子のレビュー・感想・評価
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豪華映画人の詰め詰めセット
素晴らしかった。
というのも、この短編集の最後を締める
プロデューサーも兼任する山戸結希監督の『離ればなれの花々へ』が、全てを語るからだろう。
女の子、愛、生まれる、その痛み。
そして、映画とは何なのか。赤、黄、青の三原色が映画を作る。色とりどりの嘘をつこう。
「私は自由な母になろう。母の不自由を踏み台にして。違う。母の不自由を抱きしめるために、私は自由な母になろう。」
「自由で幸せである母親を否定する女の子はいないのだから。そうしたら、自由で幸せな女の子がこの世の中に増える。私たちは自由で幸せな母の姿を夢みて生まれる。お母さん、頼んだよ。私を世界一夢みがちな女の子にしてね。あなたにそっくりに生まれます。あるいは、全然あなたに似ていないのは、あなたにあんまり似ていると、まだ自分自身を愛していないあなたに。また愛されないんじゃないかと怖かったから。」
「無数の母の無念を晴らすために、私は生まれて生きてみたい。お母さんに偽りなき女の子の姿を見せてあげるよ。映画が誕生して120年が過ぎた。つまり、たった一人の女の子が死んだ季節。その女の子を弔うような21世紀。真実の映画が生まれるだろう。」
「1秒に24回嘘をつく芸術が完成する。」
他にも。
山中瑶子監督。個性が素晴らしい。最も好きだった。
ふくだももこ監督。演出と台詞が光っていた。
井樫彩監督。世界観が好きだった。幻想と現実。
これからの日本映画界に、希望が持てるかもしれないと思った。
俳優陣も本当に現代を代表するような豪華なメンバー。
唐田えりか、三浦透子、松井玲奈、瀧内公美、朝倉あき、橋本愛、南沙良、小野花梨、柳英里沙、石橋静河、中村ゆり、南果歩、古川琴音、伊藤沙莉、土居志央理。
生まれるべくして生まれたような本作。観る事ができて良かった。
『離ればなれの花々へ』これから何かに迷ったときに、何度でも見返したい。
必ず好きな作品がある
松本花奈監督の「愛はどこにも消えない」
ふくだももこ監督の「セフレとセックスレス」
山戸結希監督の「離ればなれの花々へ」
が特にお気に入り。8分だと足りないな…というものもあって、今後注目すべき監督の名前・役者の名前も知れて、意欲作だと思います。
挑戦的短編集に滲む監督の力量、コンペティション的な目で観てしまった
山戸結希監督の企画によって集まった女性監督たち。共通したテーマで全く異なる作品たちが集うのが、オムニバスの良いところ。一つ一つの星座に触れるように、見ていきたい。
特に好みだったのが、松本花奈監督『愛はどこにも消えない』と枝優花監督『恋愛乾燥剤』の2本。『愛はどこにも消えない』は短編ながら、時系列をミックスさせつつ、彼女が愛した彼との時間に葛藤する様は、他人事のように思えない。また、その過程を他の女性たちとなぞる、冒険的な世界に優しさを感じる。それでいながら、チャレンジングでありながら、しっかり要所を押さえて展開されていて、とても良かった。もうひとつの『恋愛乾燥剤』は、かなり売れてきた山田杏奈を主演に迎え、好きだった彼への思いに、疑心暗鬼に犯される着眼点が鋭い。さらに、彼女の強い眼差しの先にある個性的なキャラたちが、あたかも指南するようで実は中身は濃くない茶番さも含んでいて、アーティスティックに映る。枝優花の光とコントラストを意識した画力もさすが。意外と首藤凜監督『I wanna be your cat』も嫌いじゃない。
一方、好みではなかったのも敢えて挙げるなら、加藤綾佳監督『粘膜』と竹内里紗監督『Mirror』の2本。『粘膜』は、広げた割には浅くて刺さらず。『Mirror』は少し粗削りな印象を受けた。
個々の監督を調べてみると、ここ2年で評価されている人、ようやく新作を造り上げた人、全く撮っていない人…様々な現在地に彼女たちは立っている。同じテーマ、8分以内というイコールコンディションで、ポテンシャルが計れるコンペティション的な側面も感じられた本作。彼女たちが次の時代を歩むとき、どんな世界が広がっているのだろうか。
ただのじいこうい
タイトルが21世紀の女の子で、全員が若手女性監督。
テーマは「自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーがゆらいだ瞬間が映っていること」だそうである。
必然的に、このパッケージは若い女性ならではの映画を標榜している。
しかし映像作品に、ていうか、どんな創作物であれ「女性ならでは」を訴えてしまうのは、女性の驕り──だと個人的には思っている。
男と女が違う感性を持っていることは知っている。
ただし、創作に「女性ならでは」なんてものは世の中に存在しない。
あったとすれば、それはプロクターアンドギャンブルが、主婦職が存在していた昭和期にキッチン用品の使い勝手を調査/報告するために使った死語である。彼女らは素晴らしい慧眼をもっていたか──そんなことは知らない。どのみち使っていりゃ覚える。謂わばその程度のものが女性の感性/視点である。
映画に性なんて関係ないという話である。
とうぜん、子宮感覚や生理や母性や出産能力といったものを創造性と結びつけた価値観へ変換するのは間違いだ。
子宮から血液が定期的に出る現象はクリエイティビティとは関係がない。
1902年生まれのリーフェンシュタールはゲッペルスに頼まれて国策映画を撮るのであって、子宮感覚とやらでナチスから擁護されたわけではない。
リーフェンシュタールから120年経て、若い女性・映画監督の組み合わせに、たんにその他愛もない立脚点を壮語していること自体がつたない。
若い女性で映画監督だから──それがいったい何なのか。
そんなことへ訴求ポイントをぶちまけるのは、映画を見たことがないか、心臓に毛が生えているか、もしくはその両方の言い草である。
すなわち、この作家たちはじぶんの「女性ならでは」の感性/視点が、映画の技術や方法をも差し置いて、商品化に値するものと信じているわけである。21世紀の女の子の名の下に許容されること=若い女性だから容赦されることを知っている──わけである。
傲慢だと思いませんか?
品質はその傲慢を決定づける。
青くて、感覚的。
性衝動に対する背伸び。
「思いはきっと伝わる」の恐喝。
「女には生理があるのよ」の脅迫。
ちょっとした気づきが共感されるはず──という無責任な希望的観測。
演劇部の延長戦。
ただの消し忘れ。
だが、現場は監督をもてはやす。
広報も、若い女性と映画監督の組み合わせに、美術館女子風の商品価値を見いだす。
業界内の迎合的な観衆も支持する。
けっきょく、これらの、躁のようなオナニーコンピレーションを「これはおなにー以外のなにものでもないですよ」と、至極まっとうに結論してしまえる、辛辣な部外者から、彼女たちは厳重に庇護されている──のである。
しかも、辛辣な部外者とは、そもそも辛辣でもなんでもない、ふつうの観衆だ。
そのへんを歩いている人々、地元のおじさん、近所のおばさん、コンビニのレジにいるお兄さん、コンビニで買い物をするお姉さん、映画サイトの評価を参照する一般人、たいして映画に執心していない労働者──そういった観衆である。
かれら──見るともなしに見た一般庶民たちは、この湯気がたつような、にぎりっぺから、いったいなにを感じとれるだろう?
ものをつくるとき、前提の初動となるのは、じぶんが他者とは異なっている。という自覚と確信だと思う。
ところが、他者とは異なる感覚をもった若手監督なんていない。
そもそも彼女たちは、じぶんの感覚が、どんな位置にあるのかさえよく知らない。
比較しうる映画を、世界を、人間を、知らなすぎる。
彼女らがこれらの動画の是非を検証するとき、参考にしなければならないのは、つねに首肯してくれる、従順なとりまきの意見ではない。
女流を意識して映画をこころざすなら、Alma Har'elやCathy Yan、グレタガーウィグ、キャスリンビグロー、Patty Jenkins、ナディーンラバキー、Maren Ade、ケイトショートランド、Reed Morano、Céline Sciamma・・・らと見比べなければならない。もし真剣にそれらの映画と対比したとき、じぶんをどこかへ位置づけることができるのだろうか。
おそらく、このテの批判に対して用意されている釈明が、否そんな大それたことではなく、女性たちの目線や感覚を切り取ったものが面白い、と見ていただければ・・・
だから、この世に女性の視点なんて無いの。──です。
それは映画じゃなくて広告代理業です。
わが国では映画と女子は広告代理業の商材です。美術館女子よろしく作品の隣に立っていれば=カメラの後ろで神妙な面持ちをしていれば、みんなが才能をもてはやしてくれる。わけです。
ただ枝優花はしっかりした映画抑揚がありキラっとした。山戸結希は映画というよりPV、CM、インスタレーションの方向性だが光った。ので二人は除外したい。
企画そのものは悪くないが全体的にシュール
ほぼ完全に伊藤沙莉目的
橋本愛目的ではない
TBSドラマ『この世界の片隅で』では三枚目のブスを演じたのに今回は驚くほどキュートだ
演劇というものは美男美女だけじゃ成立はしない
モトーラとか小野花梨みたいな子も必要だ
企画としては悪くない
だが全体的につまらない
お題が悪かったのか
8分が短すぎたのか
15人が多すぎたのか
自分はターゲットじゃなかったのか
「なんかちょっと違うな・・・あれっ?もう終わり!?」
その繰り返し
15分で8人
テーマはなんでもいいがコメディーにしてほしい
これが女性脳というやつか
これを観た女性の多くが共感し絶賛すれば成功じゃないのかな
僕には全く合わなかった
仕事場に女性限定女性専用女性優先は必要か
更衣室やお手洗いは仕事場でない
若手に限定したのはいいが
世の中まだまだ男中心社会なんだ
だからこういう企画が必要なのかもしれない
でもいまどきメガホンとるのに女も男もオカマもなかろう
もはや映画監督が女なんて珍しくない
面白い映画を作ってくれるなら性別も国籍も思想も重要ではない
唐田えりか発見
醜聞で時の人となり消えてゆくのか
黒川芽以のように地味で知名度が低く話題にものぼらずいつまでもパッとしないが無難に生きて芸能界にへばりつく人が人生勝ち組なのか
これはちょっと評価しづらいです
オムニバスの映画は難しい。見るのにパワーがいる。
この映画はロードショーの時から興味があって見そびれたのでDVDで観た。一編が10分もないショートストーリーが15あったが、面白いと思ったのは、恋愛乾燥剤、MIRROR、愛はどこにも消えない、の3編だった。
恋愛乾燥剤は、タイトルからの予想を良い意味で裏切って、そうきたか、面白いって感じ。MIRRORは今回のテーマに最も深くコミットしていてこの短時間によく表現できていた。愛は〜は、橋本愛の訳者としての力量に助けられてる感じだった。
全体としては、この点数。正直いって観ててつらいのもあった。
女性の世界ってこんなに狭くないでしょ
自分は男性だが、こんなに女性の世界って狭いか?と思ってしまったのが第一印象。
全体的に話も人間も狭いし、1話だけならそういう話があっても良いと思うけど全話がそんなのばっかり。
女性監督ならではの繊細さはあるけど、なぜかほとんどが狭い世界の話でだんだん嫌になってくる。
山田杏奈の話は唯一、広がりがあって良かった。
だけど、山戸監督のは今までの話でどこか違うけどPVみたいな仕上がりでこれもなんだかな。
正直、みんながみんな同じ話ばかりで飽き飽き。本当に才能がある人が作ったものなのって疑問に思う。正直、youtubeの短編のが良いのが多いように思う。
これが私とか云々の前に西川美和監督の作品とかタナダユキ監督とか、山戸監督の『ホットギミック』とかをちゃんと見てから映画作ってほしいと本気で思う。
偉そうに批評するのは良くないけど、こんなんばっかりじゃ、日本映画は何も変わらない。女性だって汗かいたり、走ったり、醜かったりして必死で生きてるんだから女性を綺麗に映すだけが女性監督の映画じゃないでしょうよって心底思う。
全然だめです
シナリオがあるのか無いのか、ただ雑談してるだけのような、そんなものが数分単位で延々と続きます。
たまに有名女優が出てきますが、その他のほとんどは素人みたいな人たちが、棒立ちで棒読みです。
何の価値もない映像でした。
8ミニッツ・オールダー
つまらない2時間の映画を1本見るのと、つまらない8分の映画を15本見るのでは、どちらが時間の無駄なんだろう。なかなか難しい問題である。玉石混淆という言葉を念頭に、15本もあるのだから、きっと二、三本は拾いものがあるかと期待したのだが、そうでもなかった。
“カメラマンと被写体”など似かよった設定の作品が複数あり、正直言って鑑賞後にタイトルを見てもどれがどの作品なのか思い出せない。全体を通して、こじらせ女子の手作り詩集を読まされている印象だった。
21世紀の女の子をスケッチしてこんな様相なら、20世紀か19世紀の女の子のオムニバス映画を見てみたい気もする。
女の子ハートよ永遠に。
「ガキンチョメンタル」が男のDNAレベルの話であれば、「女の子ハート」が女のDNAなんだ、と納得するための117分。
最近観た女性監督の洋画と言えば、「レディバード」「あさがくるまえに」「メアリーの全て」、他にもあるよね?日本女性陣にも頑張って欲しい。いや、なんか負けてると思う。「巨匠の弟子達」が、本当に才能のある女性陣のチャンスを奪ってるんじゃないかと思ってるくらいです。
でも正直言って.....ついて行けない話が多くて辛かった!何作あったかも覚えていないオムニバス作品。尺の問題から中途半端になってしまうのはしょうがないにしても、面白いと思ったのは二つか三つしかなく、オジサンの感性の限界を感じる。
「寝ても覚めても」では「その能面、外せー!」と怒鳴りたくなってしまった唐田エリカさんが、軽い顔芸くらいはできる事が判ったのは収穫。詩の朗読劇だったけど。セフレのセックスレスが個人的には一番ツボりました。黒川芽以さん、Good。恋愛乾燥剤はネタ的に面白いので、「青春もの」にして長編化して欲しい。
オムニバスのお題文章の中には「ジェンダーの揺らぎ」って言う言葉がありました。だからと言ってLGBTに直行するのはイージーちゃいますでしょうか。愛とセックスを抜きにしてジェンダーを眺め直せば、もっと色々ネタは出てきそうなのに、って思いました。21世紀の女の子、そんなもんに構ってられないくらい忙しい女性も多いでしょう。そんな女性の中の「女の子」も見てみたかった。
女性が主役のオムニバス映画❗
星🌟🌟🌟🌟 女性監督による女性が主役のオムニバス映画でしたが…意外と楽しめました❗8分の短編作品ばっかりですが長く感じる作品もう終わっちゃうの?と思う作品いろいろでした❗私は高校生の恋愛を描いた恋愛乾燥剤が面白かったです❗もし続編出来るなら今度はもっと尺を長くしてせめて10分くらいの作品を観てみたいです❗8分じゃちょっと物足りない❗
女の子文化を応援したい
追記: 作品数が多すぎてちょっと疲れる、一本一本が短すぎてもう少し掘り下げが欲しい、という感想をあちこちで聞きます。もっともだと思いますが、製作者は分かってるはず。あえてこういう形にしたのは、オムニバス映画としての完成度を多少犠牲にしてでも、なるべくいろいろな女性監督を紹介したい、との「企画」だったのではないでしょうか。
これが、女性クリエーターが羽ばたくきっかけになって欲しいと思いました。
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映画としての出来とか、そういうことは僕には分からないので、「感想」のみを書きます。
大変「面白かった」し、いろいろ考えされられたし、いろんな感情が渦巻いたり、なんだか感動してしまった作品もあり、気に入りました。あとで、あのとき感じたのは何だったんだろう、と確かめたくて、もう一度観に行き、ますます気に入りました。
これを観て真っ先に思い出したのが、文学評論家の千野帽子という人が書いた「文学少女文学」評論集の序文でした。この本は「脳内に文學少女を飼ってる人」のために書いた、というくだり。
この評論集はどう読んでも女性が書いたとしか(当時の僕は)思えなくて、ネットでいろいろ検索してようやく千野帽子さんは既婚の男性だと言うことが分かり、不思議な気分になったものでした。しかしその後、段々と「脳内に文學少女を飼ってる人」は、男の中にも結構いるものだということが分かってきました。もちろん自分もそうなんだということもだんだん自覚されてきました。(勘違いする人はいないとは思いますが、念の為、これはセクシュアリティとは関係ありません。)
『21世紀の女の子』は、その「脳内の文學少女」が全面的に共鳴してしまうような体験でした。
あとでパンフレットを読んでみると、メインストリームの映画で描かれる女性像に偏りがあること、女性監督が異様に少ないこと、女の子文化はいつまでもサブカルのままであること、それをなんとかしたいことが、この映画の目的の一つであったことが分かりました。
なるほど。
文学では、純文学もエンタメも、女性の作家が大活躍です。ですが、映画はまだまだ。
映画の女の子文化、応援したいものです。
ところで、パンフレットが豪華なので買ってみました。前半はきれいな写真集で、後半は映画の副読本(?)として読むことができ、充実していました。[追記: 中に短いピアノ楽譜が載っています。『珊瑚樹』のテーマ曲にする予定が、使わず仕舞になってしまったんだとか。きれいな曲です。『珊瑚樹』のセリフや動きや画面の動きに音楽的なリズムが感じられるのに注目。]
若手女性監督の見本市のような
8分×15作品、若手女性監督の見本市のような2時間。矢継ぎ早に15作品続くので息継ぎが大変。こんなにもクレイジーな脳みそを持った人たちがいるのだなぁ。テーマに沿っているかどうかは置いておいて松本花奈とふくだももこはやはり観やすい。あと伊藤沙莉がやはりどうしても良い。
本数は多すぎる
注目の女優さんが多く出てるから、それ観てるだけで面白いの。
作品はね、短い尺でテーマにケリつけないといけないから、みんな台詞で説明しはじめんのね。説教きいてる感じになるの。まあ、短いからすぐ終わるし良いんだけど。
きれいな画にポエムっぽい言葉を重ねる作品が多いんだけど、山戸監督から声が掛かったから作風真似たのかな。この作風でやり切れんのは山戸結希だけだってことも解ったよ。
美術館とかでちょっとお洒落な映像作品観てると思えば、一本、一本は悪くないんだけど、本数が多いね。同じテーマで、同じようなテイストで撮られてるから、観てて飽きちゃうの。
それでもやっぱり女優さんがいいから良かった。日南響子、福島珠理は初めて知った。「岸井ゆきの?」と思ったら古川琴音で、やっぱり似てるなあ。
色々な作風がいっきに見られるオムニバス映画
複数の監督による作品で、ひと作品の時間も短めなので、自分好み作品はこの先のストーリーが気になる!と、思うものがいくつかあった。
同じテーマで作品を作っても、人それぞれまったく違った作品が出来上がっていてとても面白かった。
最後の山戸結希監督の作品は飛び抜けて別格で、才能のあるひとってこうなんだなぁーとしみじみ感じました。
玉石混交
面白い作品もあったし、なんじゃこりゃって作品もあったし、一言では語れない作品でした。
個人的には複雑な会話劇を持ち込みながら、明快かつ楽しく描いた「愛はどこにも消えない」が面白かったです。
どの作品も、一癖あって退屈はしませんでした。
倉島颯良さんを応援しています。
オムニバス映画の鑑賞には体力が必要
1本6〜8分で次々と異なる映画を観ていく事になる本作、観客も頭が次々とシャッフルされるので体力が入りますね。面白い作品もあればそこまで乗れない作品もありという感じ。各パートでクレジットロールは入らずアニメーション作品と一緒にまとめて表示されるため心の切り替えが仕切れずそのまま次へと突入はきつい。
という話は置いておいて以下の作品が記憶に残りました。
「ミューズ」(安川有果)、「恋愛乾燥剤」(枝優花)、「粘膜」(加藤綾佳)、「out of fashion」(東佳苗)、「Mirror」(竹内里紗)、「セフレとセックスレス」(ふくだももこ)、「愛はどこにも消えない」(松本花奈)、「離ればなれの花々へ」(山戸結希)
その上でお気に入り三本だけ感想を。
「恋愛乾燥剤」(枝優花)告白からお付き合い。でなんか違うと思ったらコレってマジですか?!というトリッキーさ。
「out of fashion」(東佳苗)ファッションデザイナーとモデルという二つの道、夢をどう追うのか問いかける一本。
「Mirror」(竹内里紗)写真家二人の関係の謎が明かされていく展開が好き。
抱える揺らぎや、ざわめき
「21世紀」は、僕達が若かった頃より、ちょっと複雑だ。
LGBTQや外国文化など多様性の理解が当たり前のように求められたり、女性の社会進出が課題として語られたり、これにSNSが加わって更に複雑さが増す…。
ただ、この映画のタイトルにある「女の子」達の揺らぎや、ざわめきは、つい20年ほど前の20世紀と大差ないんじゃないだろうか。
失って初めて好きだったことに気がついたり。相手が例え同性であっても。
同性の友情とは何か、悩んだり、壁に突き当たったり。
卑猥なトークに花が咲いたり。
異性を寄せ付けられなかったり。
セックスが好きだったり。
割り切ってるハズなのに、恋に落ちたり。
依存していたいのに、自立を求められたり。
周りと分かり合えず、孤独に苛まれたり。
ふとした弾みで、自分の中には眠る別のジェンダーに気付いたり。
少女のままでいたいのに、大人がもうすぐそこにに迫っていたり。
そして、もう一つ、映画の重要なポイントは言葉だ。
簡潔な言葉が重くのしかかったり、短編映画を一見補うかのように、また、まるで舞台でも観てるかのように、言葉がとめどなく溢れたりする。
ただ、自分の今を表現するには、どんなに言葉を選んでも、どんなに哲学的な言葉を並べて立てても足りず、空虚さだけが、そこに残る。
そんなところにも、揺らぎや、ざわめきが感じられる。
この映画の監督たちや、俳優たちは、「21世紀の女の子」は…、彼女たちの抱える揺らぎや、ざわめきは…、それ程「あなたたち」と変わらないじゃないかと言ってるような気がする。
少なくとも僕はそう思う。
そんな目線で楽しめる映画だと思う。
才能が集まってない
あまりそれぞれの作品に個性がなかったです。もう日本の映画業界はオワコンなのか?、、、という気持ちになりました。
いっそのこと逆に、女性の映画監督たちによる「21世紀の男の子」という企画の方が面白そうだと思いました。
映画を受け止めるのは難しい
東京国際映画祭にて。日本映画スプラッシュ特別上映。
女性映画監督14名による短編オムニバス。強いものを観せられた感。
非常に悲しいと思ったのは、私はもはや「少女のままでは死ねぬ」、つまりこの映画が叫ぶ「21世紀の女の子」ではないのかもしれないという事実であった。
尺が短い中で14名の女性監督はそれぞれよく練り上げたな、と思う。しかし、これしか感想出てこない自分って...とも思う。
感じるものは多いのだが、感じたものがよく分からないというか、意図が解らないような、そんな感じである。おばちゃんなのか。各監督の解説を聞くとなるほどとも思うのであるが(というかそれを聞いていてやっと各作品の輪郭が見えた)、それでいいのであろうか...。これが大変微妙というか難しいのか、尺の制約かテーマの制約なのか、若干、どことなく、なんとなく、似ている、ように見える。モノローグの多用か、小道具の使い方か...そういう意味で最初の山中瑶子監督と(実写の)〆の山戸結希監督はぶっ飛んでいる。しかし山戸監督はまとめないといけないというのを感じた。だからあそこのメッセージを私は素直に読めない。
今すごく困っている。観察眼が足りぬ、その通りだろう。感受性が足りぬ、仰る通りである。映画は厳しい。厳しい。
多分、こういう映画はただ感情で「受ける」ことができればよかったのに、と思う。でも最早それは不可能なのだ、という寂しさが残る。「観る」行為に答えはないが故に、そこに囚われるのが観客というものなのだ。
ちなみにですが、公開版は上映順全然違うそうです。全然違う映画になりそうだな。最初変えるだけで色味が違うと思う。
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